大丸松坂屋百貨店 初のショールーミング店、大丸東京店でD2C商材を提案
2021年10月14日 13:00
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2024年11月21日 12:00
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「明日見世」では、売り手と買い手の間に生じる双方の心理的なハードルをなくし、”アンバサダー”と呼ばれる百貨店のスタッフが各ブランドと商品の背景にあるストーリーを伝えることで、来店客やブランド側の満足度を高めることができるかを検証する。
気になる商品は店頭に設置されたQRコードを読み込むことで出店ブランドの通販サイトから購入してもらう仕組みで、店頭での商品購入はできない。
消費者にとっては、普段はECチャネルでしか取り扱いのないD2Cブランドの商品を手に取って確認できるほか、商品背景なども知ることができる。
一方、人手や在庫管理、コスト面などからリアル出店に消極的なブランド側にとっても、「明日見世」では区画ごとに出品でき、店頭スタッフやプロモーションなども百貨店側が担うことで気軽にリアル出店が可能だ。
また、ショールーミングストアのため面倒な在庫管理も発生せず、店頭のRQコードを介して自社ECに集客できるほか、アンバサダーが聞き取った消費者の声をマーケティングデータとして活用できるという。
大丸松坂屋百貨店は出店ブランドから出店料を得る形で、3カ月ごとに取り扱いブランドを入れ替えることで店頭の鮮度を保ち、ミレニアル世代以下の若い層との接点を強化したい意向だ。
「明日見世」には店頭経験が豊富なスタッフが4人体制でスタート。事前に実施した勉強会で各ブランドの商品に対する思いなどを把握しており、ECチャネルだけでは伝わりづらい部分を丁寧に発信していく。
ショールーミングスペースにはアクリル板を設置したテーブルも用意しており、店頭スタッフは来店客にくつろいでもらいながら商品を説明したり、ヒアリングも行う。
当該店の第1弾テーマは「社会を良くするめぐりと出会う」で、サステナブルや地域貢献、プロダクトのストーリーや美しさ、機能美などの選定ポイントを満たすコスメやライフスタイル雑貨、アパレル、インナーウェアなど19ブランドを誘致した。
ミレニアル世代はサステナブルなモノへの関心が高いため、第2弾以降もサステナブルを軸に置きながらD2Cブランドを誘致していく考え。
また、第1弾はコスメ系のアイテムが多いが、商品カテゴリーはテストを繰り返しながら濃淡をつけていく。
「明日見世」については短期的な収益性は追求せずに検証を重ねることで取り扱いブランドとの関係性強化や、多店舗展開の可能性を探るほか、「アフターコロナ時代のリアル店舗のあり方も模索していく」(廣澤健太DX推進部デジタル事業開発担当)としている。
なお、当該店はサーキュラーエコノミーにも配慮し、リサイクルできる素材やユーズド家具を組み合わせた什器、装飾物を使用している。