決済代行で知られるGMOペイメントゲートウェイ(GMO―PG)は、クレジットカードの不正防止サービスがEC事業者などから注目を集めているようだ。
同社は総合的な決済関連サービスを提供しているほか、EC事業者など加盟店の成長をサポートする金融関連サービスなども手がける。決済代行事業については今年6月末時点の年間連結決済処理金額が7兆円を超えるなど毎年成長している。連結加盟店数は10万店舗を超えており、大手から中小まであらゆる業種業態の企業に提供している。
主力の総合決済サービス「PGマルチペイメントサービス」は、EC事業者が複数の決済手段を導入する際、各決済事業者とそれぞれ契約すると事業者ごとにAPIの仕様が異なったり、入金サイトがバラバラだったりして業務が煩雑になるが、同サービスを利用することで複数の決済手段を一括導入できるほか、複数の決済の締め日や入金日を統一し、入出金管理の手間を削減できる。
コロナ禍で消費者のEC利用が増える中、同社への問い合わせで増えているのがクレジットカードの不正利用対策で、例えば実店舗が主軸でECを始めた企業からは「不正利用対策として具体的に何をしたらいいか」という相談も多いようだ。
セキュリティについては、割賦販売法の改正によって加盟店はクレジットカード番号などの適切な管理と不正使用の防止が義務づけられたため、EC事業者などが自らネット取り引きのなりすましを防ぐツールを導入するなど、主体的に対策を講じる必要がある。
同社は本人認証サービスの3Dセキュアのほか、エンドユーザーのカード決済に対して加盟店が設定したルールを基に不審な取り引きを見分ける「不正防止サービス(ReD)」などもそろえている。
さらに、改正割賦販売法やEC市場の拡大に対応し、さまざまな業種業態をフォローできる幅広いソリューションが必要と考え、米国Sift社の不正防止サービス「Siftデジタルトラスト&セーフティスイート(SaaS)」について、日本総代理店のマクニカネットワークスと代理店契約を締結。昨年4月末に「不正防止サービス(Sift)」としてセキュリティサービスのメニューに加えた。
「Sift」は加盟店側でシステム開発を行う必要があるものの、GMO―PGを通じて導入することで決済サービスとセキュリティツールを一括導入できるほか、「PGマルチペイメントサービス」仕様のジャバスクリプト・APIを埋め込むことで、加盟店の開発負担や導入費用を軽減できるという。
機械学習で手口の変化にも対応
「Sift」は不正ルールのチューニングを機械学習が担うことで、費用と運用負荷を抑えながら不審な取り引きを見分けることができるため、業務の多いEC事業者にとって手間をかけずに高い精度で不正利用を防止できるのが利点だ。また、デバイス情報などさまざまなデータを収集できるほか、取り引きの危険度をスコアで可視化することで、チャージバック(※不正利用に伴うカード会社への払戻し)のリスクも軽減できる。
従来はチャージバックが発生して初めて、加盟店はどういう取り引きが不正だったのかを調べる流れで、泣き寝入りとなるケースが多かったが、「Sift」を導入することで決済する前にエンドユーザーの情報や端末情報などによってユーザー分析が可能だ。
また、レポート機能も用意。注文データやブロックした件数、チャージバック率などをリアルタイムに管理画面上で確認できる。不正利用対策はチームで取り組むケースが多く、優秀な人のノウハウを社内で共有できるメリットもある。
「Sift」はアパレルや食品など物販系のEC事業者などから引き合いが多いほか、マッチングサービスなどを提供するプラットフォーマーからもニーズが高い。事例としては、「吉野家の冷凍牛丼の具」などを自社ECで販売する吉野家が導入し、チャージバックの発生件数が約10分の1に減少するなど効果が出ているようで、コロナ禍でECの売り上げ拡大を維持しながらセキュリティの強化に成功したという。
一方でGMO―PGによると、「カードの不正利用に関する問い合わせは増えているが、売り上げ拡大に直結する集客面などの施策と比べると優先順位はまだ低い。被害にあう前にできる対策はたくさんある」(松山佳子イノベーション・パートナーズ本部戦略営業統括部イノベーション戦略部=
写真)とする。
同社は不正利用対策のメニューが多いほか、各業界に精通した専任の営業担当者がいるため、業界の課題に合わせた具体的な対策を提案できる。今後は「Sift」の導入企業や新たに導入する企業の利便性を高める目的で、カートシステムのベンターとも連携して導入しやすくしていく考えもあるようだ。
同社は総合的な決済関連サービスを提供しているほか、EC事業者など加盟店の成長をサポートする金融関連サービスなども手がける。決済代行事業については今年6月末時点の年間連結決済処理金額が7兆円を超えるなど毎年成長している。連結加盟店数は10万店舗を超えており、大手から中小まであらゆる業種業態の企業に提供している。
主力の総合決済サービス「PGマルチペイメントサービス」は、EC事業者が複数の決済手段を導入する際、各決済事業者とそれぞれ契約すると事業者ごとにAPIの仕様が異なったり、入金サイトがバラバラだったりして業務が煩雑になるが、同サービスを利用することで複数の決済手段を一括導入できるほか、複数の決済の締め日や入金日を統一し、入出金管理の手間を削減できる。
コロナ禍で消費者のEC利用が増える中、同社への問い合わせで増えているのがクレジットカードの不正利用対策で、例えば実店舗が主軸でECを始めた企業からは「不正利用対策として具体的に何をしたらいいか」という相談も多いようだ。
セキュリティについては、割賦販売法の改正によって加盟店はクレジットカード番号などの適切な管理と不正使用の防止が義務づけられたため、EC事業者などが自らネット取り引きのなりすましを防ぐツールを導入するなど、主体的に対策を講じる必要がある。
同社は本人認証サービスの3Dセキュアのほか、エンドユーザーのカード決済に対して加盟店が設定したルールを基に不審な取り引きを見分ける「不正防止サービス(ReD)」などもそろえている。
さらに、改正割賦販売法やEC市場の拡大に対応し、さまざまな業種業態をフォローできる幅広いソリューションが必要と考え、米国Sift社の不正防止サービス「Siftデジタルトラスト&セーフティスイート(SaaS)」について、日本総代理店のマクニカネットワークスと代理店契約を締結。昨年4月末に「不正防止サービス(Sift)」としてセキュリティサービスのメニューに加えた。
「Sift」は加盟店側でシステム開発を行う必要があるものの、GMO―PGを通じて導入することで決済サービスとセキュリティツールを一括導入できるほか、「PGマルチペイメントサービス」仕様のジャバスクリプト・APIを埋め込むことで、加盟店の開発負担や導入費用を軽減できるという。
機械学習で手口の変化にも対応
「Sift」は不正ルールのチューニングを機械学習が担うことで、費用と運用負荷を抑えながら不審な取り引きを見分けることができるため、業務の多いEC事業者にとって手間をかけずに高い精度で不正利用を防止できるのが利点だ。また、デバイス情報などさまざまなデータを収集できるほか、取り引きの危険度をスコアで可視化することで、チャージバック(※不正利用に伴うカード会社への払戻し)のリスクも軽減できる。
従来はチャージバックが発生して初めて、加盟店はどういう取り引きが不正だったのかを調べる流れで、泣き寝入りとなるケースが多かったが、「Sift」を導入することで決済する前にエンドユーザーの情報や端末情報などによってユーザー分析が可能だ。
また、レポート機能も用意。注文データやブロックした件数、チャージバック率などをリアルタイムに管理画面上で確認できる。不正利用対策はチームで取り組むケースが多く、優秀な人のノウハウを社内で共有できるメリットもある。
「Sift」はアパレルや食品など物販系のEC事業者などから引き合いが多いほか、マッチングサービスなどを提供するプラットフォーマーからもニーズが高い。事例としては、「吉野家の冷凍牛丼の具」などを自社ECで販売する吉野家が導入し、チャージバックの発生件数が約10分の1に減少するなど効果が出ているようで、コロナ禍でECの売り上げ拡大を維持しながらセキュリティの強化に成功したという。
一方でGMO―PGによると、「カードの不正利用に関する問い合わせは増えているが、売り上げ拡大に直結する集客面などの施策と比べると優先順位はまだ低い。被害にあう前にできる対策はたくさんある」(松山佳子イノベーション・パートナーズ本部戦略営業統括部イノベーション戦略部=写真)とする。
同社は不正利用対策のメニューが多いほか、各業界に精通した専任の営業担当者がいるため、業界の課題に合わせた具体的な対策を提案できる。今後は「Sift」の導入企業や新たに導入する企業の利便性を高める目的で、カートシステムのベンターとも連携して導入しやすくしていく考えもあるようだ。