メルカリがネットショップ開設支援事業に参入した。子会社で新規事業の企画開発を手掛けるソウゾウが7月28日、簡単にネットショップを開設できるプラットフォームとして「メルカリShops」の試験提供を開始。フリマアプリ「メルカリ」ユーザー向けに商品が販売できるというもので、クリエイターのハンドメイド作品や農家直送の野菜や果物、飲食店のグルメ、地方の特産品などの出品を想定している。ソウゾウの石川佑樹代表取締役CEO(=
写真)に、メルカリShopsの特徴や今後の展開などを聞いた。
――「コロナ禍を受けて販路に困っている生産者や小規模事業者の声を受けて開発した」とのことだが、以前からこうした構想はあったのか。
「メルカリグループはフリマアプリを手掛ける会社として、ずっとCtoCサービスを手掛けてきたわけだが、事業者からの要望もあり、BtoCサービスに関してもさまざまな検討はしてきた。ただ、一番大きかったのは、『メルペイ』の加盟店も含めて、オフラインでの営業が実質困難になったことにより、簡単にネット販売ができるソリューションの提供は死活問題になることを痛感した。そこで、『メルカリ』の強みを生かした支援ができないかということで、本格的な検討に入った」
――「メルカリ」では法人企業向けに一部機能を開放していた時期もあった。
「試行錯誤はこれまでもやってきたが、そこでの経験も活かせればと思っている。今回はカテゴリーや事業者の規模は限定していないが、コロナ禍で特に困っているのは小規模事業者であり、そこへのソリューションが追いついていないと感じている。もちろん、いろいろなサービスはあるが、そこからこぼれ落ちている人たちがいて、それに対して『メルカリ』で培ってきた強みが活かせるのではないか」
――「BASE」や「Shopify」といった先行するサービスに足りなかったものとは。
「大きく言うと2つ。ネットショップを開くにあたり、仕事を任せられる専業の人がいないという悩みが多く聞かれた。ネットショップをやる上での知識や経験がないと難しいという課題があったわけで、メルカリShopsにおいては、そういったノウハウが無くてもできるようにした。もう1つは、頑張ってショップを開設しても売れなければ意味はない。売りたいショップと買いたいユーザーをマッチングさせることは非常に難しい。メルカリShopsは1900万人以上の『メルカリ』ユーザーという顧客基盤があるが、さらにマッチングの精度も重要になってくる。フリマアプリで培ってきた経験も今回のビジネスでも活かせると思っている。ただ、CtoCにおけるマッチングとBtoCのマッチングは異なる部分もあるので、活かせる部分とアップデートしていかなければいけない部分をはっきりさせた上で取り組んでいく」
――先行サービスも「簡単に出店できる」ことをウリにしてきたが、事業者にとってはまだ難しい部分があったということか。
「そうだ。もちろん、これまでのサービスが開拓してきた部分はある。ただ、事業者のステージによって、サービスに求めるクオリティーや切り口はかなり異なっている。非常に高度なツールを求める事業者もいれば、そこには手が出ない事業者もいる。コロナ禍では事業規模とは関係なく、多くの事業者が伸びているが、それぞれの欲するサービスは異なっている。類似サービスもアピールしている部分ではあるが、これまで個人として過去『メルカリ』を使ってきた人なら、楽に出店できるようにした」
――事業者によって課題はさまざまだ。
「なので、強みを尖らせることが重要だと思っていて、まずは小規模事業者に満足してもらい、そこから門戸を広げていければいいと思っている。もちろん、狭めているわけではないが、現在はスマートフォンのみの対応で、パソコンには対応していない。ここでスクリーニングされているのは確か。個人商店の場合、そもそもパソコンが無かったりするので、まずはそういう人たちにスマートフォンでネットショップを運営してもらいたい」
――「需要のマッチング」に関して。出店者が増えれば埋もれてしまう店舗が出てくる恐れもある。出店者は「メルカリ」の中でどのように自店をアピールしていくのか。
「基本的には当社によるマッチングをいかに研ぎ澄ましていくか、という部分に尽きる。フリマにおいて成果は挙げているが、マーケットプレイスにノウハウを適用するために、マッチング精度をアップグレードしていく。店舗が独自の集客をしなくても『とても売れる』という状態を作りたい」(つづく)
――「コロナ禍を受けて販路に困っている生産者や小規模事業者の声を受けて開発した」とのことだが、以前からこうした構想はあったのか。
「メルカリグループはフリマアプリを手掛ける会社として、ずっとCtoCサービスを手掛けてきたわけだが、事業者からの要望もあり、BtoCサービスに関してもさまざまな検討はしてきた。ただ、一番大きかったのは、『メルペイ』の加盟店も含めて、オフラインでの営業が実質困難になったことにより、簡単にネット販売ができるソリューションの提供は死活問題になることを痛感した。そこで、『メルカリ』の強みを生かした支援ができないかということで、本格的な検討に入った」
――「メルカリ」では法人企業向けに一部機能を開放していた時期もあった。
「試行錯誤はこれまでもやってきたが、そこでの経験も活かせればと思っている。今回はカテゴリーや事業者の規模は限定していないが、コロナ禍で特に困っているのは小規模事業者であり、そこへのソリューションが追いついていないと感じている。もちろん、いろいろなサービスはあるが、そこからこぼれ落ちている人たちがいて、それに対して『メルカリ』で培ってきた強みが活かせるのではないか」
――「BASE」や「Shopify」といった先行するサービスに足りなかったものとは。
「大きく言うと2つ。ネットショップを開くにあたり、仕事を任せられる専業の人がいないという悩みが多く聞かれた。ネットショップをやる上での知識や経験がないと難しいという課題があったわけで、メルカリShopsにおいては、そういったノウハウが無くてもできるようにした。もう1つは、頑張ってショップを開設しても売れなければ意味はない。売りたいショップと買いたいユーザーをマッチングさせることは非常に難しい。メルカリShopsは1900万人以上の『メルカリ』ユーザーという顧客基盤があるが、さらにマッチングの精度も重要になってくる。フリマアプリで培ってきた経験も今回のビジネスでも活かせると思っている。ただ、CtoCにおけるマッチングとBtoCのマッチングは異なる部分もあるので、活かせる部分とアップデートしていかなければいけない部分をはっきりさせた上で取り組んでいく」
――先行サービスも「簡単に出店できる」ことをウリにしてきたが、事業者にとってはまだ難しい部分があったということか。
「そうだ。もちろん、これまでのサービスが開拓してきた部分はある。ただ、事業者のステージによって、サービスに求めるクオリティーや切り口はかなり異なっている。非常に高度なツールを求める事業者もいれば、そこには手が出ない事業者もいる。コロナ禍では事業規模とは関係なく、多くの事業者が伸びているが、それぞれの欲するサービスは異なっている。類似サービスもアピールしている部分ではあるが、これまで個人として過去『メルカリ』を使ってきた人なら、楽に出店できるようにした」
――事業者によって課題はさまざまだ。
「なので、強みを尖らせることが重要だと思っていて、まずは小規模事業者に満足してもらい、そこから門戸を広げていければいいと思っている。もちろん、狭めているわけではないが、現在はスマートフォンのみの対応で、パソコンには対応していない。ここでスクリーニングされているのは確か。個人商店の場合、そもそもパソコンが無かったりするので、まずはそういう人たちにスマートフォンでネットショップを運営してもらいたい」
――「需要のマッチング」に関して。出店者が増えれば埋もれてしまう店舗が出てくる恐れもある。出店者は「メルカリ」の中でどのように自店をアピールしていくのか。
「基本的には当社によるマッチングをいかに研ぎ澄ましていくか、という部分に尽きる。フリマにおいて成果は挙げているが、マーケットプレイスにノウハウを適用するために、マッチング精度をアップグレードしていく。店舗が独自の集客をしなくても『とても売れる』という状態を作りたい」(つづく)