楽天グループは9月2日、仮想モール「楽天市場」の出店者向けにオンライン上のイベント「楽天オンラインEXPO2021」を開催した。当日は、三木谷浩史社長(=
写真)による講演が行われたほか、楽天市場における下期の事業戦略が公開された。同社では毎夏、出店者向けに同様のイベントを実施しているが、今年は新型コロナウイルス感染拡大の影響から、2年連続でオンラインでの開催となり、約3万人が視聴した。
同社の1~6月における国内EC流通総額(楽天市場や楽天ブックス、楽天トラベルのほか、オークションやチケット販売、ダウンロードなども含む)は、前期比17・0%増の2兆3000億円と好調に推移。年間では5兆円となる見込みだ。三木谷社長は「去年の夏は新型コロナ関連商品や家電、在宅勤務用の機器が爆発的に売れたわけだが、今年も成長を続けている。さらに、コロナ禍で増えた新規顧客も定着しており、ユーザー数も着実に伸びている」と上期を振り返った。直近2年の平均成長率は23・6%増となっている。
携帯キャリア事業「楽天モバイル」の契約者数は、携帯キャリアサービスとMVNOサービスの合計で500万回線を突破。顧客獲得ペースは「楽天カード」の4・8倍という。「早晩、ユーザー数は2000万から3000万になるだろう。目標は『第4の携帯電話会社』ではなく、日本の大半の人が楽天モバイル、もしくは他社が追随してくれば、その同等サービスを使うようになればいい」(三木谷社長)。
また、楽天モバイルのユーザー増は、楽天市場の流通拡大にも大きく貢献しているという。楽天モバイルユーザーの62・9%が、特に楽天市場で買い物をしている。また、楽天モバイルに加入すると、楽天市場での年間流通総額が77%も増加する(昨年3~7月の契約者で比較)。加入後の月間流通総額平均の変化に関しては、新規ユーザーは約3000円買い物をするほか、楽天市場を1年以上利用していなかった休眠ユーザーは約4800円、既存ユーザーは契約前の約1万3000円から61%増え、約2万1000円になった。三木谷社長は「楽天モバイルと楽天市場のシナジーは非常に良い。また、ロイヤリティーを上げていくという面でも極めてパワフル。店舗の皆様も楽天モバイルを使い、良さを体感してもらうとともに、周囲に広めてもらいたい」とメリットを強調した。
今後は、無料通話アプリ「Link」を通じて、楽天市場商品をプロモーションすることも考えているという。モバイルのみならず、トラベルや金融、住まいに関わる事業など、総合的にサービスを提供していくことで、「『ショッピングも楽天にしよう』『だいたい楽天でいいんじゃないの』という世界を実現していきたい」(三木谷社長)。
昨年3月に導入した、送料無料となる購入額を税込み3980円で全店舗統一する施策「送料無料ライン」については、導入店舗・流通に占める割合がともに90%を突破。導入店舗は95%に近づいているという。導入店舗における流通額の成長率は、未導入店舗のそれと比べて約25ポイント高い(2020年12月における流通総額成長率の比較)。また、顧客推奨度を示すネットプロモータースコア(NPS)に関して、「送料の分かりやすさ」へのユーザー評価は、施策導入から約1年半で13・3ポイント改善した。
7月には、日本郵便と共同出資で「JP楽天ロジスティクス」を設立。既存の物流拠点をシームレスにしてつなげていくほか、自動化を推進。物流拠点も増やしていく方針で、将来的には北海道や沖縄への設置も視野に入れる。三木谷社長は「まとめて配送したり、宅配ロッカーを設置したり、週1回の配送を希望するユーザーへの対応、当日配送など、多岐に渡る配送手段をサポートしていきたい」とビジョンを語る。
楽天エコシステム(経済圏)は急拡大。楽天市場において、楽天ポイント利用額は発行額を超過しており、発行したポイントの約1・6倍が楽天市場で使われている。「エコシステムの中で一番のメリットを享受しているのが楽天市場ではないか」(同)。エコシステムを拡大していくことで、2030年の国内EC流通総額は10兆円規模を目標とする。
三木谷社長は「アマゾンのように、あくまでも自社におけるショッピングを中心に考えている会社もあるが、当社は『ウィン・ウィン・ウィン』、あくまでも店舗・社会・当社が三位一体となって進んでいくビジョンを掲げている。ところが、テクノロジーの川の流れはものすごく早い。5万店舗の何億という商品を一発で見つけ、買えて、安心できて、届ける。このようなプラットフォームを共存共栄し、コラボレーションしているからこそ、当社は世界に類を見ない発展を遂げている。単純に儲かるだけでなく、皆さんの笑顔を大切にしながら、一丸となって頑張っていきたい。また、楽天モバイルが発展していけば、皆さんがさらに潤っていくことも証明されている。当社のさまざまなサービスも応援してもらいたい」と講演を結んだ。
同社の1~6月における国内EC流通総額(楽天市場や楽天ブックス、楽天トラベルのほか、オークションやチケット販売、ダウンロードなども含む)は、前期比17・0%増の2兆3000億円と好調に推移。年間では5兆円となる見込みだ。三木谷社長は「去年の夏は新型コロナ関連商品や家電、在宅勤務用の機器が爆発的に売れたわけだが、今年も成長を続けている。さらに、コロナ禍で増えた新規顧客も定着しており、ユーザー数も着実に伸びている」と上期を振り返った。直近2年の平均成長率は23・6%増となっている。
携帯キャリア事業「楽天モバイル」の契約者数は、携帯キャリアサービスとMVNOサービスの合計で500万回線を突破。顧客獲得ペースは「楽天カード」の4・8倍という。「早晩、ユーザー数は2000万から3000万になるだろう。目標は『第4の携帯電話会社』ではなく、日本の大半の人が楽天モバイル、もしくは他社が追随してくれば、その同等サービスを使うようになればいい」(三木谷社長)。
また、楽天モバイルのユーザー増は、楽天市場の流通拡大にも大きく貢献しているという。楽天モバイルユーザーの62・9%が、特に楽天市場で買い物をしている。また、楽天モバイルに加入すると、楽天市場での年間流通総額が77%も増加する(昨年3~7月の契約者で比較)。加入後の月間流通総額平均の変化に関しては、新規ユーザーは約3000円買い物をするほか、楽天市場を1年以上利用していなかった休眠ユーザーは約4800円、既存ユーザーは契約前の約1万3000円から61%増え、約2万1000円になった。三木谷社長は「楽天モバイルと楽天市場のシナジーは非常に良い。また、ロイヤリティーを上げていくという面でも極めてパワフル。店舗の皆様も楽天モバイルを使い、良さを体感してもらうとともに、周囲に広めてもらいたい」とメリットを強調した。
今後は、無料通話アプリ「Link」を通じて、楽天市場商品をプロモーションすることも考えているという。モバイルのみならず、トラベルや金融、住まいに関わる事業など、総合的にサービスを提供していくことで、「『ショッピングも楽天にしよう』『だいたい楽天でいいんじゃないの』という世界を実現していきたい」(三木谷社長)。
昨年3月に導入した、送料無料となる購入額を税込み3980円で全店舗統一する施策「送料無料ライン」については、導入店舗・流通に占める割合がともに90%を突破。導入店舗は95%に近づいているという。導入店舗における流通額の成長率は、未導入店舗のそれと比べて約25ポイント高い(2020年12月における流通総額成長率の比較)。また、顧客推奨度を示すネットプロモータースコア(NPS)に関して、「送料の分かりやすさ」へのユーザー評価は、施策導入から約1年半で13・3ポイント改善した。
7月には、日本郵便と共同出資で「JP楽天ロジスティクス」を設立。既存の物流拠点をシームレスにしてつなげていくほか、自動化を推進。物流拠点も増やしていく方針で、将来的には北海道や沖縄への設置も視野に入れる。三木谷社長は「まとめて配送したり、宅配ロッカーを設置したり、週1回の配送を希望するユーザーへの対応、当日配送など、多岐に渡る配送手段をサポートしていきたい」とビジョンを語る。
楽天エコシステム(経済圏)は急拡大。楽天市場において、楽天ポイント利用額は発行額を超過しており、発行したポイントの約1・6倍が楽天市場で使われている。「エコシステムの中で一番のメリットを享受しているのが楽天市場ではないか」(同)。エコシステムを拡大していくことで、2030年の国内EC流通総額は10兆円規模を目標とする。
三木谷社長は「アマゾンのように、あくまでも自社におけるショッピングを中心に考えている会社もあるが、当社は『ウィン・ウィン・ウィン』、あくまでも店舗・社会・当社が三位一体となって進んでいくビジョンを掲げている。ところが、テクノロジーの川の流れはものすごく早い。5万店舗の何億という商品を一発で見つけ、買えて、安心できて、届ける。このようなプラットフォームを共存共栄し、コラボレーションしているからこそ、当社は世界に類を見ない発展を遂げている。単純に儲かるだけでなく、皆さんの笑顔を大切にしながら、一丸となって頑張っていきたい。また、楽天モバイルが発展していけば、皆さんがさらに潤っていくことも証明されている。当社のさまざまなサービスも応援してもらいたい」と講演を結んだ。