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経産省の調査20年のEC市場 BtoCは前年比0.4%減の19億円、物販拡大も旅行販売低迷

2021年 8月 5日 13:00

 経済産業省は7月30日、電子商取引に関する2020年の市場調査の結果を発表した。それによると、日本国内のBtoCのEC市場規模は前年比0・4%減の19兆2779億円で、EC化率は前年の6・76%から1・32ポイント増加の8・08%となった。コロナ禍の影響で物販系やデジタル系は伸長したものの、サービス系が減少した。

 BtoBでの市場規模を見ると、同5・1%減の334兆9000億円となり、EC化率では同1・8ポイント増の33・5%となり、BtoCと同様に増加傾向にあり、商取引の電子化が引き続き進展した。

 また、BtoCのEC市場規模を分野別に見ると「物販系」が同21・7%増の12兆2333億円、「サービス系」が同36・1%減の4兆5832億円、「デジタル系」が同14・9%増の2兆4614億円となった。コロナ感染の対策として外出自粛の呼びかけやECの利用が推奨された結果、物販系は大きく増加。一方で、主として旅行サービスの縮小に伴ってサービス系分野の市場規模が大幅に減少し、増加分と減少分の相殺により、BtoCのEC市場全体では1998年の同調査開始から23回目にして初めてのマイナス成長を記録している。

 「物販系」をさらに商品ジャンルごとに見ると、最も伸び率が高かったのが「生活家電、AV機器、PC・周辺機器など」で同28・8%増の2兆3489億円(EC化率は37・5%)、次いで「書籍、映像・音楽ソフト」が同24・8%増の1兆6238億円(同43・0%)、「生活雑貨、家具、インテリア」が同22・4%増の2兆1322億円(同26・0%)、「食品、飲料、酒類」が同21・1%増の2兆2086億円(同3・3%)、「化粧品、衣料品」が同17・8%増の7787億円(同6・7%)、「その他」が同17・0%増の6423億円(同1・9%)、「衣服・服装雑貨など」が同16・3%増の2兆2203億円(同19・4%)、「自動車、自動二輪、パーツなど」が同16・2%増の2784億円(同3・2%)となった。

オンラインゲームは好調

 「サービス系」の商品ジャンルで最も構成比が高かったのが「旅行サービス」で、同60・2%減の1兆5494億円。また、「デジタル系」の商品ジャンルで最も構成比が高かったのが「オンラインゲーム」で同7・5%増の1兆4957億円だった。

 さらに、国内CtoCの市場規模の推計については、同12・5%増の1兆9586億円。BtoC市場と同様にコロナ禍に伴い、利用者が増加したことなどが背景にあると見られている。

 そのほか、日本、米国、中国の3カ国における越境ECの市場規模についても調査。日本の越境EC購入額は同7・6%増の3416億円。米国の越境EC購入額は同9・9%増の1兆7108億円、中国の越境EC購入額は同16・3%増の4兆2617億円となり、3カ国すべてで増加したものの、伸び率では日本が最も低かった。

 なお、中国消費者による日本事業者からの越境EC購入額は同17・8%増の1兆9499億円で、米国事業者からの越境EC購入額は同15・1%増の2兆3119億円となるなど、昨年に引き続き増加傾向にある。
 
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