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同社ではこれまで、クラウドワーカーを活用したサービスとして、在宅で働く多言語話者をアプリで呼び出せる「クラウド通訳サービス」などを手掛けてきた。働き手が在宅でも自分の技術を活かし収入を得られる仕組みや、法人が安心かつ安価に必要な人材を確保できる仕組みを活用し、コールセンター事業に乗り出した。
コールセンターの運用体制に関しては、同社が手掛ける光回線サービス「eo光」コールセンターにおける運用実績があり、ノウハウを生かすことができる。
オペレーターは、すべてカメラ付きパソコンで勤務。画像情報をもとに、本人認証やのぞき見防止機能で、なりすましと盗撮を防ぐ。オペレーターの家族がパソコンの後ろを通った場合など、本人以外が映り込むとアラートがあがり、管理者が察知することができる。作業環境はクラウド上に限定し、ローカル環境からの情報漏えいを防止する。
オペレーターの募集は、クラウドソーシングサイトなどを中心に行う。「通販コールセンター業務経験者」など、スキル設定も可能なため、自社にあった人材が確保できるという。オペレーター向けのチャット機能も設けており、簡単な質問はチャットボットの活用を検討しているほか、難しい質問は管理者に引き継ぐなど、常時フォローできる体制を構築する。
出勤時間が不要なほか、海外在住者の応募も多いため、朝方にインフォマーシャルを放映する場合でも人員が確保しやすい。繁忙期・閑散期でブース数に変動をつけやすいため、効率よくコストが抑えられるほか、ブースを増やすのも容易なため、応答率を向上できる。コストは従来型のコールセンターに比べて、大幅に抑えられる可能性があるという。
オペレーターのシフトに関しては、急にブース数を増やす必要が生じた場合でも、2週間程度で調整するなどの柔軟な対応が可能だ。
逆に「電話はほとんどかかってこないが、ブースは構える必要がある」といった時間帯では、ブースを減らし、他の業務と兼務体制で運用することでコストが抑えられる。
同社では今年度を実証期間と位置づけており、数社の利用を見込んでいる。同社事業開発担当者の土肥拓氏は「ブース数を考慮して広告出稿を抑える必要もないので、応答率100%を目指すことができる。通販業界に新たな可能性を提示できるのではないか」と話す。