スクロール 23年度売上高1000億円へ、ソリューションとECけん引
スクロールは5月7日、2022年3月期を初年度とした3カ年の中期経営計画を発表した。最終年度となる24年3月期の連結売上高1000億円、営業利益59億円、経常利益60億円、当期純利益42億円を目指す。
21年3月期業績は売上高851億円、経常利益75億円だったが、コロナ禍での上ブレを除くと、売上高760億円、経常利益は35億円となる。最終年度の目標と比較すると、売上高は31・6%増、経常利益は同71・4%増。
生協事業を中心とした通販事業においては、グループの商品やノウハウを活用し、地域の生協(単協)ごとのニーズにマッチした商品やサービスの提供を行う「ソリューションベンダービジネス(SVB)」を推進することで、新たな価値提案の加速とビジネスモデル構築を目指す。現在の売上高は30億円だが、100億円まで拡大する。
また、ソリューション事業においては、関東・東海・関西と全国3拠点体制が完成。「通販全国3PL戦略」を進めることで物流代行の収益拡大を図るほか、グループを支える収益基盤構築に向けた各ソリューションメニューの強化・拡充を目指す。鶴見知久社長は「物流事業と違い、コールセンターやマーケティングサービスは短期間でスイッチ可能なので、こうした事業でクライアントとの接点を密にしながら、当社のワンストップサービスを展開していきたい」とする。
eコマース事業は、既存事業の収益力強化に加え、新規ビジネスによる成長を図る。具体的には、プライベートブランド商品の開発強化や、新たな仕入れ先開拓、リピート型ビジネスの構築をなどを進めるとともに、周辺サービスの事業化、周辺商材の拡大、M&A(企業の合併・買収)の推進により、新たなビジネスモデルを構築する。「仕入れ販売だけではアマゾンに勝てないのは明白なので、いかに差別化された商品やビジネスモデルを構築できるかに、事業の命脈がある」(鶴見社長)。
化粧品・健康食品の健粧品事業は、コロナ禍の影響を受け、前期は大幅減収となった。事業成長・収益化に向けた顧客基盤の確立を急ぐとともに、健食会社のM&Aによる新たなセグメントポートフォリオ構築と再編を図る。同様に不振だった旅行事業に関しても、「アフターコロナ」を見据えて、生協市場における旅行モデルの確率や、アジアインバウンド旅行の確立、既存事業(バス旅行)の収益モデル再構築を図る。
鶴見社長は「前期は通販事業が連結売上高の約5割、利益は大半を占めているが、最終年度における同事業の売上高シェアは40~45%を想定している。成長をけん引するのはソリューション事業とeコマース事業になるだろう」と説明。また、売上高1000億円に向けては「M&Aを積極的に行っていく。ただ、ここ数年展開してきたセグメントの塊を作るためのM&Aというよりも、既存セグメントに属する子会社の機能を強化するための買収になるだろう。例えばソリューション事業であれば、マーケティング支援や顧客開拓支援などを強化しており、こうしたサービスを扱う会社を加えていきたい」とした。
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生協事業を中心とした通販事業においては、グループの商品やノウハウを活用し、地域の生協(単協)ごとのニーズにマッチした商品やサービスの提供を行う「ソリューションベンダービジネス(SVB)」を推進することで、新たな価値提案の加速とビジネスモデル構築を目指す。現在の売上高は30億円だが、100億円まで拡大する。
また、ソリューション事業においては、関東・東海・関西と全国3拠点体制が完成。「通販全国3PL戦略」を進めることで物流代行の収益拡大を図るほか、グループを支える収益基盤構築に向けた各ソリューションメニューの強化・拡充を目指す。鶴見知久社長は「物流事業と違い、コールセンターやマーケティングサービスは短期間でスイッチ可能なので、こうした事業でクライアントとの接点を密にしながら、当社のワンストップサービスを展開していきたい」とする。
eコマース事業は、既存事業の収益力強化に加え、新規ビジネスによる成長を図る。具体的には、プライベートブランド商品の開発強化や、新たな仕入れ先開拓、リピート型ビジネスの構築をなどを進めるとともに、周辺サービスの事業化、周辺商材の拡大、M&A(企業の合併・買収)の推進により、新たなビジネスモデルを構築する。「仕入れ販売だけではアマゾンに勝てないのは明白なので、いかに差別化された商品やビジネスモデルを構築できるかに、事業の命脈がある」(鶴見社長)。
化粧品・健康食品の健粧品事業は、コロナ禍の影響を受け、前期は大幅減収となった。事業成長・収益化に向けた顧客基盤の確立を急ぐとともに、健食会社のM&Aによる新たなセグメントポートフォリオ構築と再編を図る。同様に不振だった旅行事業に関しても、「アフターコロナ」を見据えて、生協市場における旅行モデルの確率や、アジアインバウンド旅行の確立、既存事業(バス旅行)の収益モデル再構築を図る。
鶴見社長は「前期は通販事業が連結売上高の約5割、利益は大半を占めているが、最終年度における同事業の売上高シェアは40~45%を想定している。成長をけん引するのはソリューション事業とeコマース事業になるだろう」と説明。また、売上高1000億円に向けては「M&Aを積極的に行っていく。ただ、ここ数年展開してきたセグメントの塊を作るためのM&Aというよりも、既存セグメントに属する子会社の機能を強化するための買収になるだろう。例えばソリューション事業であれば、マーケティング支援や顧客開拓支援などを強化しており、こうしたサービスを扱う会社を加えていきたい」とした。