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伊藤忠商事 中国TV通販に参入、韓国企業と業界3位に出資

2010年 8月26日 18:13

021.jpg 伊藤忠商事は、中国のテレビ通販市場に参入する。韓国・ロッテグループと共同で中国テレビ通販大手のラッキーパイ(同・上海市、レイモンド・チャン社長)に出資した。伊藤忠が抱えるブランドだけでなく、日本の衣料品や化粧品、食品などの生活消費財をラッキーパイのテレビ通販を通じて販売する計画で、早ければ年明けにも商品投入を開始する。消費拡大が続く中国では、楽天やヤフーといった仮想モール大手も現地企業と組んで「売場」の確保に乗り出しており、日本企業の商品を中国で販売する通販インフラの整備が進みそうだ。

 伊藤忠は、ロッテグループとSPC(特別目的会社)を設立して8月初旬にラッキーパイの発行済み株式の63・2%を取得。両社は今後4年間で100%の取得を目指す。出資比率は非公開だが、ロッテグループが過半を取得。伊藤忠からも役員を派遣する。

 ロッテグループは、傘下に韓国テレビ通販大手のロッテホームショッピングを持っており、彼らのノウハウと、伊藤忠の中国における商品調達力や物流などのネットワークを生かす。

 伊藤忠では、今回の出資を通じてラッキーパイを新たな販売チャネルとして活用。09年に持分法適用子会社化した中国の杉杉集団がライセンスを持つアパレルブランドや、伊藤忠自身が契約するブランド、日本企業の独自商品などを伊藤忠が仲介して中国市場に投入する。

 出資先のラッキーパイは中国第4位のテレビ通販会社で、上海市や重慶市、山東省、河南省、雲南省、黒龍江省の6つの地域でテレビ通販事業を展開。一部では24時間放送や生放送も手がける。09年12月期の売上高は約68億円で、家電製品や携帯電話などが主力。中国では、女性のテレビ通販利用者が増えており、衣料品や化粧品分野の拡充が事業拡大には不可欠な情勢だ。

 伊藤忠によると、2009年の中国テレビ通販市場は約3000億円。10年は前年比30%増の3950億円程度が見込まれており、今後も高い伸びが期待できる成長市場という。ラッキーパイも、4年後には200億円規模の売上高を目標としている。

 なお、中国のテレビ通販では、売上高約50億円(09年12月期)のANV社に繊維商社のNI帝人商事や日本のキッチン用品大手などが昨年8月以降、それぞれ数%を出資。ANVのテレビ通販番組に商品を供給しはじめており、売り上げ面でも一定の成果を上げているようだ。
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