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同社によると、日本のファッション市場におけるEC比率は19年の約15%に対し、30年は現在の米国並みの30%前後まで拡大すると予想。19年のファッション市場(衣料品、靴、バッグ)は11兆8000億円で、10年後の市場規模についても大きな増減がないことを前提としたファッションEC市場は3兆5000億円を想定し、「ロコンドとして当該市場の3%シェアを獲得することは十分可能」(田中裕輔社長)とする。
ロコンドは、前期(21年2月期)までの5年間で商品取扱高を年率約27%伸ばしてきたが、目標の達成に向けて今後の10年間は平均17%成長を目指す必要があるという。
成長戦略の軸は自社通販サイト「ロコンド」を中心としたECモール事業と、ブランドの自社EC支援などを行うBtoBのプラットフォーム事業、D2Cブランドなどを展開するブランド事業の3本柱に設定。主軸のECモール事業は”試着できる通販=ロコンド”の認知拡大や、国内最大級の婦人靴の品ぞろえに優位性があるとする。
プラットフォーム事業についても、ブランドに対して物流を核とするオムニ戦略基盤の提供や、ECと実店舗、卸の川上から川下のすべてをデジタル管理するITインフラに競争力を持つとする。
また、ブランド事業は旧ミスズの買収によって靴の生産背景を獲得しスピード感のある商品開発が可能なほか、ユーチューブを軸とする企画力で競合との差別化が図れるという。
一方の利益面については、ロコンドの収益構造は損益分岐点を超えると売り上げ拡大に合わせて利益率が上がる事業モデルとし、10年後の営業利益は前期の14億円に対して100億円を計画する。
今期は、主力のECモール事業が引き続きD2Cブランドの拡充を中心に強化することなどで、商品取扱高は250億円を計画。出だしとなる3月単月の取扱高は速報値でECモール事業が通期計画の22・2%増に対して35・5%増、ブランド自社EC支援は通期の30%増に対して43・5%増と手応えを得ている。ECモール事業は買収したファッションウォーカー効果を除いたオーガニック成長率でも17・1%と好調を維持している。
ロコンドでは前期、計画以上の追加投資を実施して営業利益を当初計画から6000万円落としたものの、取扱高は計画値に対して5億6000万円分上乗せしており、今期についても「追加投資で営業利益を1億円分落としても取扱高を10億円上積みできる機会があれば積極的にチャレンジしていく」(田中社長)とし、ウェブ広告やユーチューブなどへの広告投資は積極化する考え。