楽天と日本郵政は3月12日、資本業務提携を締結すると発表した。物流やモバイル、デジタルトランスフォーメーション(DX)などの領域での連携を強化する。日本郵政は楽天が実施する第三者割り当てを引き受ける形で、約1500億円を出資し、楽天の株式8・32%を保有する。楽天と日本郵政子会社の日本郵便は昨年12月、物流での提携を発表していたが、今回の資本提携で金融やモバイル、ネット販売でも連携を進めていく(
写真左から楽天の三木谷浩史社長と日本郵政の増田寛也社長)。
物流では、日本郵便が抱える2万4000の郵便局・全国の配達網と、楽天が保有する会員数1億超のデータをかけ合わせることでデジタル化を進める。共同の物流拠点や配送システムを通じて物流のDXを推進することで、ユーザーにとっては「欲しいときに欲しい物を、欲しい場所で一度に受け取れる」サービスを、差出人や荷主にとっては「出荷キャパシティーの拡大、サービス向上による顧客育成と物流コスト削減」が実現できるサービスを目指す。
具体的には、共同の物流拠点の構築や共同の配送システム及び受け取りサービスの構築、日本郵便と楽天の両社が保有するデータの共有化、新会社設立を含む物流DXプラットフォームの共同事業化、楽天が運営する物流センター「楽天フルフィルメントセンター利用拡大と日本郵便の「ゆうパック」等の利用拡大に向けた、日本郵便・楽天両社の協力・取り組みを協議する。また、楽天グループから日本郵政グループに対するDXに精通する人材を派遣するなど、楽天グループによる日本郵政グループのDX推進への協力を行う。
モバイルに関しては郵便局内のイベントスペースに、楽天の携帯電話サービス「楽天モバイル」の申し込みカウンターを設置するほか、日本郵便の配達網を活用したマーケティング施策を実施する。
今後は金融分野やネット販売分野など、幅広い分野での提携を検討し、4月いっぱいをめどに合意した分野については改めて発表する。金融に関しては、キャッシュレスペイメント分野等での協業や、保険分野での協業を検討。物販においても、オンラインとオフラインの融合を進める。日本郵便でも地方創生を目的とした物販事業を手掛けていることから、地方創生をコンセプトとした協業を検討する。
楽天は日本郵政以外にも、ウォルマートや中国テンセントのグループ会社を引受先とした第三者割り当てを実施、合計で約2423億円を調達する予定で、楽天モバイルの投融資資金に充当する。
同日記者会見した日本郵政の増田寬也社長は「全国に展開する郵便局と強固な物流網を強みとする当社にとって、先進的なデジタル技術と豊富なノウハウを活かし、ネット関連サービスを提供している楽天は最高のパートナー。デジタルとリアルという双方の特徴・強みをかけ合わせることで、提携の効果を最大限引き出し、顧客に喜んでもらえる新たな価値を創出する」と出資の狙いを説明した。
また、楽天の三木谷浩史社長は「当社のようなベンチャー企業と、郵便事業という最も歴史ある事業を手がける日本郵政がパートナーになるのは、世界に類を見ない提携のパターンではないか。オンラインが中心の当社と、リアルで圧倒的なネットワークを持つ日本郵政・日本郵便がタッグを組むのは、日本のビジネス界・産業界・日本の社会にとって歴史的な1ページになる。昨年12月に発表した、物流における戦略提携にとどまることなく、金融、モバイルでも提携を深めていきたい。コロナ禍でDX化が加速し、ネットがなくてはやっていけない時代となっており、地方をいかにエンパワーメントしていくかが大切になっていく。一方でGAFAを中心に、IT企業の力が巨大になっている中で、リアルとバーチャルの大きな力が合わさって、新しい形を作っていけることにわくわくどきどきしている」と期待感を述べた。
日本郵政の増田社長によれば「1月に入ってから『業務提携を超えて、資本提携まで踏み込んだ方が良いのではないか』という提案が楽天側からあり、当社も『提携の実が上がる』と考えた」ことから、今回の出資に至ったという。一方、楽天では調達した1500億円について「当社は物流や人工知能(AI)、モバイル分野への投資を行っており、こうした事業を通じて日本郵政にも恩返しできるのではないか」(三木谷社長)とした。
楽天では近年、「ワンデリバリー」構想として自社配送網の構築を進めている。三木谷社長は「物流のデジタルプラットフォームを共同で開発することで、かなりの効率化ができるし、日本郵便の物流へはAI導入などの貢献ができるのではないか。自社配送サービス『楽天エクスプレス』の国内人口カバー率は60%を超えているが、今後一緒に取り組んでいきたい」(三木谷社長)という。
物流では、日本郵便が抱える2万4000の郵便局・全国の配達網と、楽天が保有する会員数1億超のデータをかけ合わせることでデジタル化を進める。共同の物流拠点や配送システムを通じて物流のDXを推進することで、ユーザーにとっては「欲しいときに欲しい物を、欲しい場所で一度に受け取れる」サービスを、差出人や荷主にとっては「出荷キャパシティーの拡大、サービス向上による顧客育成と物流コスト削減」が実現できるサービスを目指す。
具体的には、共同の物流拠点の構築や共同の配送システム及び受け取りサービスの構築、日本郵便と楽天の両社が保有するデータの共有化、新会社設立を含む物流DXプラットフォームの共同事業化、楽天が運営する物流センター「楽天フルフィルメントセンター利用拡大と日本郵便の「ゆうパック」等の利用拡大に向けた、日本郵便・楽天両社の協力・取り組みを協議する。また、楽天グループから日本郵政グループに対するDXに精通する人材を派遣するなど、楽天グループによる日本郵政グループのDX推進への協力を行う。
モバイルに関しては郵便局内のイベントスペースに、楽天の携帯電話サービス「楽天モバイル」の申し込みカウンターを設置するほか、日本郵便の配達網を活用したマーケティング施策を実施する。
今後は金融分野やネット販売分野など、幅広い分野での提携を検討し、4月いっぱいをめどに合意した分野については改めて発表する。金融に関しては、キャッシュレスペイメント分野等での協業や、保険分野での協業を検討。物販においても、オンラインとオフラインの融合を進める。日本郵便でも地方創生を目的とした物販事業を手掛けていることから、地方創生をコンセプトとした協業を検討する。
楽天は日本郵政以外にも、ウォルマートや中国テンセントのグループ会社を引受先とした第三者割り当てを実施、合計で約2423億円を調達する予定で、楽天モバイルの投融資資金に充当する。
同日記者会見した日本郵政の増田寬也社長は「全国に展開する郵便局と強固な物流網を強みとする当社にとって、先進的なデジタル技術と豊富なノウハウを活かし、ネット関連サービスを提供している楽天は最高のパートナー。デジタルとリアルという双方の特徴・強みをかけ合わせることで、提携の効果を最大限引き出し、顧客に喜んでもらえる新たな価値を創出する」と出資の狙いを説明した。
また、楽天の三木谷浩史社長は「当社のようなベンチャー企業と、郵便事業という最も歴史ある事業を手がける日本郵政がパートナーになるのは、世界に類を見ない提携のパターンではないか。オンラインが中心の当社と、リアルで圧倒的なネットワークを持つ日本郵政・日本郵便がタッグを組むのは、日本のビジネス界・産業界・日本の社会にとって歴史的な1ページになる。昨年12月に発表した、物流における戦略提携にとどまることなく、金融、モバイルでも提携を深めていきたい。コロナ禍でDX化が加速し、ネットがなくてはやっていけない時代となっており、地方をいかにエンパワーメントしていくかが大切になっていく。一方でGAFAを中心に、IT企業の力が巨大になっている中で、リアルとバーチャルの大きな力が合わさって、新しい形を作っていけることにわくわくどきどきしている」と期待感を述べた。
日本郵政の増田社長によれば「1月に入ってから『業務提携を超えて、資本提携まで踏み込んだ方が良いのではないか』という提案が楽天側からあり、当社も『提携の実が上がる』と考えた」ことから、今回の出資に至ったという。一方、楽天では調達した1500億円について「当社は物流や人工知能(AI)、モバイル分野への投資を行っており、こうした事業を通じて日本郵政にも恩返しできるのではないか」(三木谷社長)とした。
楽天では近年、「ワンデリバリー」構想として自社配送網の構築を進めている。三木谷社長は「物流のデジタルプラットフォームを共同で開発することで、かなりの効率化ができるし、日本郵便の物流へはAI導入などの貢献ができるのではないか。自社配送サービス『楽天エクスプレス』の国内人口カバー率は60%を超えているが、今後一緒に取り組んでいきたい」(三木谷社長)という。