前号に引き続き、オアシスライフスタイルグループの関谷有三CEO(
顔写真)に「WWS(ダブリューダブリューエス)」の成長戦略などを聞いた。
――ボーダレスウェア市場を開拓する上での考え方は。
「『WWS』は”アルティメックス”という素材だけで服を作っている。アルティメックスは毎年バージョンアップしているが、今後も力を注いで改良を重ねる。商品としてはベーシックアイテムにこだわる。『WWS』は世界標準を目指しているので、服の種類は少なくてもカラーバリエーションとサイズ展開は豊富に用意する。また、今回のリブランディングで”ボーダレスウェア”を掲げていることもあってユニセックスの服を増やす」
――素材はアルティメックスから離れることはないのか。
「それはない。アルティメックスの品質向上とカラーバリエーションを追求していく。現状、一番コストをかけているのは生地開発(改良)と認知拡大に向けたマーケティング、DX化の部分だ」
――「WWS」の売上高は2021年2月期で10億円近くまできた。22年2月期は20億円を掲げるが、やるべきことは。
「主力販路のECはさらに強化する。ネット売り上げの大半は自社ECだ。ECで商品を売るための戦略のひとつにタッチポイントとしてのリアル店舗がある」
「アパレル企業は実店舗とECをつなぐのに苦労しているが、『WWS』は商品数が少なく、素材は1種類でサイズ感も商品による違いがないので、初回は実店舗で買ったユーザーも問題なくECでリピートできる。素材やサイズ感を知ってもらうためにはECだけでは不十分で、リアルのタッチポイントを増やしていく。実店舗はお客様の生の声を聞く場としても重要だ」
――ECチャネルは自社をメインで展開する。
「今後も自社ECを強化する。これまでは知名度を得るために幅広く展開していたが、今後は自社以外のEC展開は慎重に検討したい。『WWS』が目指すものは直営店でないと伝わりにくい。ライブ配信を含めたインスタ活用も強化する」
――今期20億円の内訳の想定は。
「ECチャネルが5割弱で、直営の実店舗と卸が約3割、法人向け販売が2割程度を見込んでいる」
――3年後までに15店舗体制を整える。
「『WWS』の常設店は15カ所と決めていて、それ以上は出店しない。『WWS』はユニクロではなく、アパレル業界のアップルを目指している」
――ショールーム機能を備えた公式ショップを計画している。
「5月に”DXラボ”のような位置づけの店舗を新宿に出す。ここでは商品を売るのではなく、『WWS』を着てさまざまな体験ができるショップを考えている。ECチャネルで扱うすべての商品、カラー、サイズを置き、いつでも試着できるようにする。既存の実店舗はバックヤードの広さが限られる関係で、売れ筋商品を中心に扱っている」
――25年2月期に売上高100億円を目指す上での課題は。
「まだまだ認知度が足りないし、もっと『WWS』を体験してもらいたい。そのためにも3年後の15店舗体制が大きなトリガーになるはずだ」
「”作業着スーツ”がある程度浸透するのに3年かかった。”ボーダレスウェア”というキーワードがどれくらい早く世の中に定着するかが勝負だ。大手企業を含めてボーダレスウェア市場に参入してくるのは間違いなく、どこよりも早くブランド認知を高めることが大事になる」
――ボーダレスウェアの方が幅広い企業が参入してきそうだ。
「さまざまな企業が参入してくると思うが、どこもその市場にフルスイングはできない。ボーダレスウェアを打ち出せば打ち出すほど、既存商品が売れなくなるので、全力では取り組めないと思う」
――今後、「WWS」としてアライアンスなどの可能性は。
「特定企業の色に染まることなく独自性を保ちたい。ただ、戦略的な提携はあり得る。現在、『WWS』の生産は中国だが、例えばメードインジャパンでの物作りに挑んだり、ゴルフウェアを作ろうと思ったりしたときに、その分野で強い企業と提携することはあり得る」
――生産面の課題はないのか。
「中国の次にベトナムでも生産ラインを整えていて、100億円くらいまでの規模であれば問題ない」(おわり)
――ボーダレスウェア市場を開拓する上での考え方は。
「『WWS』は”アルティメックス”という素材だけで服を作っている。アルティメックスは毎年バージョンアップしているが、今後も力を注いで改良を重ねる。商品としてはベーシックアイテムにこだわる。『WWS』は世界標準を目指しているので、服の種類は少なくてもカラーバリエーションとサイズ展開は豊富に用意する。また、今回のリブランディングで”ボーダレスウェア”を掲げていることもあってユニセックスの服を増やす」
――素材はアルティメックスから離れることはないのか。
「それはない。アルティメックスの品質向上とカラーバリエーションを追求していく。現状、一番コストをかけているのは生地開発(改良)と認知拡大に向けたマーケティング、DX化の部分だ」
――「WWS」の売上高は2021年2月期で10億円近くまできた。22年2月期は20億円を掲げるが、やるべきことは。
「主力販路のECはさらに強化する。ネット売り上げの大半は自社ECだ。ECで商品を売るための戦略のひとつにタッチポイントとしてのリアル店舗がある」
「アパレル企業は実店舗とECをつなぐのに苦労しているが、『WWS』は商品数が少なく、素材は1種類でサイズ感も商品による違いがないので、初回は実店舗で買ったユーザーも問題なくECでリピートできる。素材やサイズ感を知ってもらうためにはECだけでは不十分で、リアルのタッチポイントを増やしていく。実店舗はお客様の生の声を聞く場としても重要だ」
――ECチャネルは自社をメインで展開する。
「今後も自社ECを強化する。これまでは知名度を得るために幅広く展開していたが、今後は自社以外のEC展開は慎重に検討したい。『WWS』が目指すものは直営店でないと伝わりにくい。ライブ配信を含めたインスタ活用も強化する」
――今期20億円の内訳の想定は。
「ECチャネルが5割弱で、直営の実店舗と卸が約3割、法人向け販売が2割程度を見込んでいる」
――3年後までに15店舗体制を整える。
「『WWS』の常設店は15カ所と決めていて、それ以上は出店しない。『WWS』はユニクロではなく、アパレル業界のアップルを目指している」
――ショールーム機能を備えた公式ショップを計画している。
「5月に”DXラボ”のような位置づけの店舗を新宿に出す。ここでは商品を売るのではなく、『WWS』を着てさまざまな体験ができるショップを考えている。ECチャネルで扱うすべての商品、カラー、サイズを置き、いつでも試着できるようにする。既存の実店舗はバックヤードの広さが限られる関係で、売れ筋商品を中心に扱っている」
――25年2月期に売上高100億円を目指す上での課題は。
「まだまだ認知度が足りないし、もっと『WWS』を体験してもらいたい。そのためにも3年後の15店舗体制が大きなトリガーになるはずだ」
「”作業着スーツ”がある程度浸透するのに3年かかった。”ボーダレスウェア”というキーワードがどれくらい早く世の中に定着するかが勝負だ。大手企業を含めてボーダレスウェア市場に参入してくるのは間違いなく、どこよりも早くブランド認知を高めることが大事になる」
――ボーダレスウェアの方が幅広い企業が参入してきそうだ。
「さまざまな企業が参入してくると思うが、どこもその市場にフルスイングはできない。ボーダレスウェアを打ち出せば打ち出すほど、既存商品が売れなくなるので、全力では取り組めないと思う」
――今後、「WWS」としてアライアンスなどの可能性は。
「特定企業の色に染まることなく独自性を保ちたい。ただ、戦略的な提携はあり得る。現在、『WWS』の生産は中国だが、例えばメードインジャパンでの物作りに挑んだり、ゴルフウェアを作ろうと思ったりしたときに、その分野で強い企業と提携することはあり得る」
――生産面の課題はないのか。
「中国の次にベトナムでも生産ラインを整えていて、100億円くらいまでの規模であれば問題ない」(おわり)