ファーマフーズが急成長している。コロナ禍の外出自粛で在宅時間が増える中、テレビCMの大量投下で急速にブランド認知が拡大した。通期の通販売上高は、前年比約3倍の367億円を計画。けん引するのは、今期(20年7月期)約200億円の売り上げを見込む「ニューモ育毛剤」のヒットだ。通販事業部の加納新也次長に今後の成長戦略を聞いた。
――通販参入の経緯は。
「創業来、研究開発に軸足を置き、『ファーマギャバ』『ボーンペップ』『ⅰHA』など独自の機能性素材を開発してきた。ただ、原料販売は取引先の事業戦略に左右される。研究成果に自信を持っているならば直接お客様に伝えていこうと決意し、12年に参入した。当初は伸び悩んだが、通販経験者の採用など組織強化を進め、15年にテレビ通販で飛躍のきっかけをつかんだ」
――飛躍のきっかけは。
「当初は著名人を起用した広告を展開していたが、自社の強みを見つめ直した。研究者自身がCMを通じて研究成果、商品開発を伝えるクリエイティブに変えたことで広告効率が改善した」
――「ニューモ育毛剤」がヒットしている。
「独自成分『HGP』配合のサプリメントを展開していたが、広告表示への配慮から伝えられる情報が少なかった。育毛剤を開発し、研究成果をヒヨコの誕生に絡めたストーリーで伝えたところ分かりやすい表現で伝えられるようになった」
――コロナ禍において露出を高めた。
「関節ケア対応のサプリ『タマゴサミン』は説明が必要な商品で、120秒の短尺はマッチせず、29分番組の広告展開が必要だった。『ニューモ育毛剤』は説明が容易で29分だけでなく、短尺CMでも反響が得られた。そのタイミングで、コロナ禍があり、他社の広告出稿が減少した。広告枠を大量に購入でき、一気にアクセルを踏んだ」
――上期に広告先行戦略を取り、通期黒字モデルで展開している。上場もしており投資は難しい判断になる。
「いくつか経営判断に至る要件がある。一つは、事業展開のプロセスを内製化してコントロールできていること。自社開発した独自商品を展開し、研究員自ら商品の魅力を伝える効果的な広告を制作できている。広告効率の分析、自社コールセンターの定期誘導も自社で運用をコントロールしている」
「その上で代表の決断もあり、攻めの投資ができている。多くの会社は上期の赤字計上を避けたいと思うが、想定される継続率から許容できる広告効率を逆算しており、投資回収の適切な経営判断はできている。実績と自負を背景にリスクを取ってきたことが今の成長につながっている。副次的要因として昨年10月に金融機関と100億円のコミットメントライン契約を締結しており、必要に応じて機動的に広告の資金調達が可能になったこともある」
――育毛剤単体で今期に200億円の売り上げを見込んでいる。市場の成長性をどう見ている。
「すでに市場の天井を破っている状況で予測は難しいが、来期も今期ほどではないが伸ばせる」
――薬機法や景品表示法など広告リスクもある。「HGP」が有効成分に近い見せ方との指摘がある。
「配合成分の打ち出しは、有効成分との違いを明確にした。社内、外部の専門企業を通じて広告の法令順守は厳格に管理している。考査や外部の意見を受け、広告内容に反映させている」
――育毛剤の今後の成長戦略は。
「中心顧客は50~60代。女性層の獲得も意識した広告で女性比率も4割と市場開拓できている。広がれば来期以降の潜在力になりうる。また、時期は未定だが、中国や東南アジアなど海外市場の開拓を視野にチャネルの検討を進めている。『HGP』は、すでにアデランスに原料供給しているが、外部企業の協力も得つつ認知を高めていく」
――媒体戦略は。
「コロナ禍で広告を休止していた大手の出稿が再開している。大量投下した120秒のレスポンス広告枠の確保は難しくなっている。来期以降、戦略の転換は必要になる。15~30秒の短尺枠ではブランド広告の展開を検討していく余地もある」
――そのほかの商品の育成は。
「関節ケア関連は、『タマゴサミン』に加え、歩行機能の向上を表示する機能性表示食品、膝痛対応の第三類医薬品など商品ラインアップを厚くしてトータルケアを訴求する。化粧品通販を行う子会社のフューチャーラボとマーケティングノウハウを共有しており、展開が好調だ。コロナ禍で美容室に行けない女性の悩みに白髪染めがマッチし、定期顧客が10万人を超えた。子会社の今期売上高は前年比2倍超の70~80億ほどを見込んでいる」
――通期の黒字達成の見通しは。
「これまでも通期黒字モデルで達成してきており自信を持っている。上期に効率よく広告を打てることが条件になるが、第1四半期はよいスタートが切れており、上方修正を行った」
――中長期の目標は。
「売上高は年平均30%増、営業利益率は5%がハードルレートだと考えている。今期は大幅に超えているが、今後も戦略商品の展開を予定している。今がピークではなく、この変化は始まりに過ぎない」
――通販参入の経緯は。
「創業来、研究開発に軸足を置き、『ファーマギャバ』『ボーンペップ』『ⅰHA』など独自の機能性素材を開発してきた。ただ、原料販売は取引先の事業戦略に左右される。研究成果に自信を持っているならば直接お客様に伝えていこうと決意し、12年に参入した。当初は伸び悩んだが、通販経験者の採用など組織強化を進め、15年にテレビ通販で飛躍のきっかけをつかんだ」
――飛躍のきっかけは。
「当初は著名人を起用した広告を展開していたが、自社の強みを見つめ直した。研究者自身がCMを通じて研究成果、商品開発を伝えるクリエイティブに変えたことで広告効率が改善した」
――「ニューモ育毛剤」がヒットしている。
「独自成分『HGP』配合のサプリメントを展開していたが、広告表示への配慮から伝えられる情報が少なかった。育毛剤を開発し、研究成果をヒヨコの誕生に絡めたストーリーで伝えたところ分かりやすい表現で伝えられるようになった」
――コロナ禍において露出を高めた。
「関節ケア対応のサプリ『タマゴサミン』は説明が必要な商品で、120秒の短尺はマッチせず、29分番組の広告展開が必要だった。『ニューモ育毛剤』は説明が容易で29分だけでなく、短尺CMでも反響が得られた。そのタイミングで、コロナ禍があり、他社の広告出稿が減少した。広告枠を大量に購入でき、一気にアクセルを踏んだ」
――上期に広告先行戦略を取り、通期黒字モデルで展開している。上場もしており投資は難しい判断になる。
「いくつか経営判断に至る要件がある。一つは、事業展開のプロセスを内製化してコントロールできていること。自社開発した独自商品を展開し、研究員自ら商品の魅力を伝える効果的な広告を制作できている。広告効率の分析、自社コールセンターの定期誘導も自社で運用をコントロールしている」
「その上で代表の決断もあり、攻めの投資ができている。多くの会社は上期の赤字計上を避けたいと思うが、想定される継続率から許容できる広告効率を逆算しており、投資回収の適切な経営判断はできている。実績と自負を背景にリスクを取ってきたことが今の成長につながっている。副次的要因として昨年10月に金融機関と100億円のコミットメントライン契約を締結しており、必要に応じて機動的に広告の資金調達が可能になったこともある」
――育毛剤単体で今期に200億円の売り上げを見込んでいる。市場の成長性をどう見ている。
「すでに市場の天井を破っている状況で予測は難しいが、来期も今期ほどではないが伸ばせる」
――薬機法や景品表示法など広告リスクもある。「HGP」が有効成分に近い見せ方との指摘がある。
「配合成分の打ち出しは、有効成分との違いを明確にした。社内、外部の専門企業を通じて広告の法令順守は厳格に管理している。考査や外部の意見を受け、広告内容に反映させている」
――育毛剤の今後の成長戦略は。
「中心顧客は50~60代。女性層の獲得も意識した広告で女性比率も4割と市場開拓できている。広がれば来期以降の潜在力になりうる。また、時期は未定だが、中国や東南アジアなど海外市場の開拓を視野にチャネルの検討を進めている。『HGP』は、すでにアデランスに原料供給しているが、外部企業の協力も得つつ認知を高めていく」
――媒体戦略は。
「コロナ禍で広告を休止していた大手の出稿が再開している。大量投下した120秒のレスポンス広告枠の確保は難しくなっている。来期以降、戦略の転換は必要になる。15~30秒の短尺枠ではブランド広告の展開を検討していく余地もある」
――そのほかの商品の育成は。
「関節ケア関連は、『タマゴサミン』に加え、歩行機能の向上を表示する機能性表示食品、膝痛対応の第三類医薬品など商品ラインアップを厚くしてトータルケアを訴求する。化粧品通販を行う子会社のフューチャーラボとマーケティングノウハウを共有しており、展開が好調だ。コロナ禍で美容室に行けない女性の悩みに白髪染めがマッチし、定期顧客が10万人を超えた。子会社の今期売上高は前年比2倍超の70~80億ほどを見込んでいる」
――通期の黒字達成の見通しは。
「これまでも通期黒字モデルで達成してきており自信を持っている。上期に効率よく広告を打てることが条件になるが、第1四半期はよいスタートが切れており、上方修正を行った」
――中長期の目標は。
「売上高は年平均30%増、営業利益率は5%がハードルレートだと考えている。今期は大幅に超えているが、今後も戦略商品の展開を予定している。今がピークではなく、この変化は始まりに過ぎない」