ネット販売事業などを手がけているジェネレーションパスは、前期業績(2020年10月期)において売上高、利益ともに過去最高業績を記録した。当期は新型コロナウイルスの感染拡大による在宅需要の拡大で、主力の家具商品をはじめ家電などが幅広く伸長したという。前期の成果や今期の見通しについて、岡本洋明社長に話を聞いた。
――昨年は通販業界全体でコロナの影響を大きく受けた年となった。
「巣ごもり需要が間違いなくあった。一番大きかったのはニューカマーと呼ばれる顧客が増えたこと。(ECに保守的だった)年齢層の高い人達はかなり増えたと思う。ECはそもそも若年層のものと言われていたが、今回のことで幅広く増えた。やはりECは便利なのでリピーターにもなりやすく、業界全体でパイが広がった。
当社の場合、マスクなどの日用品雑貨はそこまで扱っていなかったのでその部分に大きな影響はなかったが、(主力商材である)家具・寝具・家電は新規が購入しだした印象。(1回目の緊急事態宣言下では)量販店や百貨店が休業していたので、最初にマスクの販売がEC全体で伸び、その後にそれ以外の商品の需要にも広がったイメージ」
――新たな顧客層が増えたことで戦略面の変化は。
「EC自体に関しては変える必要ないが、我々はECサポート事業なので、ECリテラシーを上げるために自社ECを始める企業が増えため、そこに対応することが必要になった。子会社のカンナートではEC構築やマーケティング支援の依頼がかなり増えている。特にここというジャンルはなく、『ECをやらなくては』と気づいた企業からの話が多い」
――テレワーク需要も増えた。
「自宅にいるのでECでの購入時間は増えた。今までは夜の受注が多かったが、昼間の時間帯が多くなった。そうした環境もあってか、家具メディアサイトの『イエコレクション』が伸びている。アフィリエイト事業で、今は100万PVを超えたのである程度広告も出せるような規模になっており、利益体質はできてきている。今後は他のメディアも展開していく」
――シンプル家電などEC初の自社ブランドを展開しているが、最近のD2Cの潮流について。
「非常に感じる。今までの量販店向けの商品だけではなくて、ECをターゲットにしたブランド・売り方をする企業が増えてきた。それこそ100円ショップでもそうした動きが見られている。
コロナによってリアルでの売り方も変わっている。そこにトライしないと落ち込むだけになってしまう。ビジネス上で様々な制約ができた時は、今までのやり方を変えなくてはいけない。ただ耐えるだけではだめで、どんな状況でも考えていくことが大事」
――海外越境ECについては。
「越境ECはかなりしぼんでいる。インバウンドが無くなっていることも大きいが、こちらから商品を海外に送ってトラブルになった時、相手と話をできる人間が現地にいない。現地化しているならまだしも、リモートだけでは中々コミュニケーションを取るのが難しい。中国ではチャットワークですぐ問い合わせが来るので、そこに対応できなければいけない。今は、中国、アメリカで展開しているが、コロナが始まってからはほとんど止まってしまった」
――越境EC市場にも変化が起きているということか。
「『日本製品が良い』というのは、ある意味幻の面もある。中国でも良い商品がかなり出てきているので、わざわざ他国で買う必要があるのかということは現地の消費者も気づき始めている。物産のように日本独特の商品は良いかもしれない。例えば中国でブームになっている日本酒などだが、それも一部の人気銘柄。ただ、日本の何倍もの値段で売られているのでそこまで実需があるものだとは思っていない。
中国消費者との感覚の違いというのは日本にいると感じることが難しい。逆に中国ブランドを日本でトライしたこともあったが、日本とは消費者のし好や考え方が違うのでかなり難しかった」(つづく)
――昨年は通販業界全体でコロナの影響を大きく受けた年となった。
「巣ごもり需要が間違いなくあった。一番大きかったのはニューカマーと呼ばれる顧客が増えたこと。(ECに保守的だった)年齢層の高い人達はかなり増えたと思う。ECはそもそも若年層のものと言われていたが、今回のことで幅広く増えた。やはりECは便利なのでリピーターにもなりやすく、業界全体でパイが広がった。
当社の場合、マスクなどの日用品雑貨はそこまで扱っていなかったのでその部分に大きな影響はなかったが、(主力商材である)家具・寝具・家電は新規が購入しだした印象。(1回目の緊急事態宣言下では)量販店や百貨店が休業していたので、最初にマスクの販売がEC全体で伸び、その後にそれ以外の商品の需要にも広がったイメージ」
――新たな顧客層が増えたことで戦略面の変化は。
「EC自体に関しては変える必要ないが、我々はECサポート事業なので、ECリテラシーを上げるために自社ECを始める企業が増えため、そこに対応することが必要になった。子会社のカンナートではEC構築やマーケティング支援の依頼がかなり増えている。特にここというジャンルはなく、『ECをやらなくては』と気づいた企業からの話が多い」
――テレワーク需要も増えた。
「自宅にいるのでECでの購入時間は増えた。今までは夜の受注が多かったが、昼間の時間帯が多くなった。そうした環境もあってか、家具メディアサイトの『イエコレクション』が伸びている。アフィリエイト事業で、今は100万PVを超えたのである程度広告も出せるような規模になっており、利益体質はできてきている。今後は他のメディアも展開していく」
――シンプル家電などEC初の自社ブランドを展開しているが、最近のD2Cの潮流について。
「非常に感じる。今までの量販店向けの商品だけではなくて、ECをターゲットにしたブランド・売り方をする企業が増えてきた。それこそ100円ショップでもそうした動きが見られている。
コロナによってリアルでの売り方も変わっている。そこにトライしないと落ち込むだけになってしまう。ビジネス上で様々な制約ができた時は、今までのやり方を変えなくてはいけない。ただ耐えるだけではだめで、どんな状況でも考えていくことが大事」
――海外越境ECについては。
「越境ECはかなりしぼんでいる。インバウンドが無くなっていることも大きいが、こちらから商品を海外に送ってトラブルになった時、相手と話をできる人間が現地にいない。現地化しているならまだしも、リモートだけでは中々コミュニケーションを取るのが難しい。中国ではチャットワークですぐ問い合わせが来るので、そこに対応できなければいけない。今は、中国、アメリカで展開しているが、コロナが始まってからはほとんど止まってしまった」
――越境EC市場にも変化が起きているということか。
「『日本製品が良い』というのは、ある意味幻の面もある。中国でも良い商品がかなり出てきているので、わざわざ他国で買う必要があるのかということは現地の消費者も気づき始めている。物産のように日本独特の商品は良いかもしれない。例えば中国でブームになっている日本酒などだが、それも一部の人気銘柄。ただ、日本の何倍もの値段で売られているのでそこまで実需があるものだとは思っていない。
中国消費者との感覚の違いというのは日本にいると感じることが難しい。逆に中国ブランドを日本でトライしたこともあったが、日本とは消費者のし好や考え方が違うのでかなり難しかった」(つづく)