ハーバー研究所の今中間(4~9月)の売上高は、通販、店舗、流通の各チャネルで前年を割り込んだ。コロナ禍におけるインバウンドの減少や店舗休業の影響を受けた。下期に組織再編やプロモーション戦略の見直しなど改革を進める。今後の成長戦略について、宮崎一成常務に聞いた。
――中間決算は各販路前年を下回った。
「直営店の比率が少ないこともあり、店舗顧客を通販へ誘導しきれず課題を残した。店舗も臨時休業の影響を受け、とくに店舗売上高はインバウンド需要の多い百貨店が打撃を受けた」
――再成長に向けた課題は。
「業績の悪化は、コロナ禍を受けたものだが、販路別の施策の見直しや組織再編など、経営資源の再分配をはじめとする改革を行っていく必要があると感じている」
――背景は。
「創業者(故・小柳昌之会長、19年2月24日に逝去)が経営の舵取りを行っていた当時は、その哲学に従い、トップダウン経営の中で従業員がこれを形にする経営スタイルをとっていたが、今後は創業者が示した暗黙知を従業員自ら実践し、お客様が求めるニーズを考え、提案していく事でブランド価値を高めていきたいと思う。そいう意味では、コロナ禍は改革を進めるよい機会でもあると感じている」
――広告戦略は、チャネルミックスを背景に相乗効果を生み出してきた。コロナ禍の店舗休業等で効率化が難しくなっている。
「例えば販路も、通販、店舗、流通と拡大してくる中で、組織運営が縦割り構造になり、セクショナリズムが目につき始めていた。店舗は商品の良さを実感してもらう場であり、通販には利便性がある。商品の良さを知ってもらう手段として販路拡大があり、購入場所はお客様に選んでいただきたい。けれど、販路の競合を念頭にPR施策に消極的になることもあった。通販が軸であることは変わらないが、始めから予防線を張るのではなく、企業全体のPR、商品のPRを見直す必要がある」
「また、商品の研究開発も商品開発に直結しにくい基礎研究において一部見直しを行ったが、さらに外部の知見を活用しつつ、スピード感を持って顧客ニーズに合致する商品開発を進める判断も必要かもしれない。マーケティングも休眠顧客の分析が弱い部分があった。接客や商品構成に満足が得られず休眠した顧客であれば、改善の余地はあるかもしれない。高品位『スクワラン』は全国的に認知のあるナショナルブランドになってきているが、やれることはほかにもある。経営層で共通の認識を持ちつつ、経営資源の再分配を進めたい」
――コロナ禍で主力スキンケアの業績も落ち込んだ。テコ入れ策は。
「『スクワラン』は、肌の皮脂に存在する『スクワレン』を安定化させた潤い成分で、また、これを配合した各種商品は防腐剤パラベンなどを使用しない無添加でもあり、どんな肌質の方にも使えるのが強みだ。化粧品としてだけではなく、トラブルのない肌の健康を保つ目的でも利用できる身近なものとして定着させていきたいと考えている。例えば、今は女性の利用が中心だが、男性や子供など家族単位で利用していただくことで、すそ野を広げていくことも可能な商品だと考えている」
――これまで男性に対する打ち出しは行っていない。
「顔だけでなく髪やボディケアなど使い方の提案は広げている。ブランドイメージを守りながら男性向けの打ち出しを行うのは難しさもあるが、チャレンジしたい」
――長くイメージキャラクターに起用する萬田久子さんに加え、一昨年、新たに吹石一恵さんを新CMに起用した。
「SNSを通じた新規獲得も強化しており、当社のイメージを保ちつつ、より若い世代にブランド認知を図る目的があった。SNSで定期的に接点を持ちつつ、肌悩み相談や新商品の案内など情報提供を積極的に行い、関係を強化していきたい」
――3月には、化粧品・健康食品の製造開発を行う子会社、HプラスBライフサイエンスを吸収合併する。
「ヘルスケア領域の事業も強化する。健康食品は、これまで老人ホームや医療機関、調剤薬局に販路を限定していた。今後は、化粧品の販路を活かし、内外美容の提案を強化する。今夏には新商品も予定しているが、新しい顧客向けのプロモーションも計画している。定期購入など継続利用が前提となる健康食品を利用してもらいつつ、顧客接点を増やす」
――今下期、来期の見通しは。
「早期に100%の回復を目指しているが、影響の長期化もあり、今下期の先行きは不透明なところがある。コロナ禍における生活者の新たな生活様式の定着もみられるため、通販を軸に売り上げを強化したい。来期の見通しは、コロナ禍の状況によるが下期には業績回復するのではとは思う」
――中間決算は各販路前年を下回った。
「直営店の比率が少ないこともあり、店舗顧客を通販へ誘導しきれず課題を残した。店舗も臨時休業の影響を受け、とくに店舗売上高はインバウンド需要の多い百貨店が打撃を受けた」
――再成長に向けた課題は。
「業績の悪化は、コロナ禍を受けたものだが、販路別の施策の見直しや組織再編など、経営資源の再分配をはじめとする改革を行っていく必要があると感じている」
――背景は。
「創業者(故・小柳昌之会長、19年2月24日に逝去)が経営の舵取りを行っていた当時は、その哲学に従い、トップダウン経営の中で従業員がこれを形にする経営スタイルをとっていたが、今後は創業者が示した暗黙知を従業員自ら実践し、お客様が求めるニーズを考え、提案していく事でブランド価値を高めていきたいと思う。そいう意味では、コロナ禍は改革を進めるよい機会でもあると感じている」
――広告戦略は、チャネルミックスを背景に相乗効果を生み出してきた。コロナ禍の店舗休業等で効率化が難しくなっている。
「例えば販路も、通販、店舗、流通と拡大してくる中で、組織運営が縦割り構造になり、セクショナリズムが目につき始めていた。店舗は商品の良さを実感してもらう場であり、通販には利便性がある。商品の良さを知ってもらう手段として販路拡大があり、購入場所はお客様に選んでいただきたい。けれど、販路の競合を念頭にPR施策に消極的になることもあった。通販が軸であることは変わらないが、始めから予防線を張るのではなく、企業全体のPR、商品のPRを見直す必要がある」
「また、商品の研究開発も商品開発に直結しにくい基礎研究において一部見直しを行ったが、さらに外部の知見を活用しつつ、スピード感を持って顧客ニーズに合致する商品開発を進める判断も必要かもしれない。マーケティングも休眠顧客の分析が弱い部分があった。接客や商品構成に満足が得られず休眠した顧客であれば、改善の余地はあるかもしれない。高品位『スクワラン』は全国的に認知のあるナショナルブランドになってきているが、やれることはほかにもある。経営層で共通の認識を持ちつつ、経営資源の再分配を進めたい」
――コロナ禍で主力スキンケアの業績も落ち込んだ。テコ入れ策は。
「『スクワラン』は、肌の皮脂に存在する『スクワレン』を安定化させた潤い成分で、また、これを配合した各種商品は防腐剤パラベンなどを使用しない無添加でもあり、どんな肌質の方にも使えるのが強みだ。化粧品としてだけではなく、トラブルのない肌の健康を保つ目的でも利用できる身近なものとして定着させていきたいと考えている。例えば、今は女性の利用が中心だが、男性や子供など家族単位で利用していただくことで、すそ野を広げていくことも可能な商品だと考えている」
――これまで男性に対する打ち出しは行っていない。
「顔だけでなく髪やボディケアなど使い方の提案は広げている。ブランドイメージを守りながら男性向けの打ち出しを行うのは難しさもあるが、チャレンジしたい」
――長くイメージキャラクターに起用する萬田久子さんに加え、一昨年、新たに吹石一恵さんを新CMに起用した。
「SNSを通じた新規獲得も強化しており、当社のイメージを保ちつつ、より若い世代にブランド認知を図る目的があった。SNSで定期的に接点を持ちつつ、肌悩み相談や新商品の案内など情報提供を積極的に行い、関係を強化していきたい」
――3月には、化粧品・健康食品の製造開発を行う子会社、HプラスBライフサイエンスを吸収合併する。
「ヘルスケア領域の事業も強化する。健康食品は、これまで老人ホームや医療機関、調剤薬局に販路を限定していた。今後は、化粧品の販路を活かし、内外美容の提案を強化する。今夏には新商品も予定しているが、新しい顧客向けのプロモーションも計画している。定期購入など継続利用が前提となる健康食品を利用してもらいつつ、顧客接点を増やす」
――今下期、来期の見通しは。
「早期に100%の回復を目指しているが、影響の長期化もあり、今下期の先行きは不透明なところがある。コロナ禍における生活者の新たな生活様式の定着もみられるため、通販を軸に売り上げを強化したい。来期の見通しは、コロナ禍の状況によるが下期には業績回復するのではとは思う」