新経済連盟は12月9日、三木谷代表理事(=
写真(右))と平井卓也デジタル改革担当大臣の対談を行い、オンラインで配信した。
コロナ禍を契機に日本でも様々な分野でデジタルトランスフォーメーション(DX)が進んでいるが、同団体ではこのほど「新経連DXサロン」を立ち上げ、継続的にデジタル社会の実現に向けた議論を展開する。プロジェクトのオープニング企画として、三木谷代表理事と平井デジタル相が、日本社会全体のデジタル化に向けたビジョンと課題を議論した。
平井デジタル相は、設立を予定しているデジタル庁について「全省庁のマインドセットを変える、規制改革のシンボルであり、成長戦力の柱になるものだ」と述べた。三木谷代表理事は「これまでと未来には大きな違いがあり、そこに国というシステムがうまくついてこないと、効率的な社会はできないので、プラットフォームを国に作ってもらわなければいけない。例えば本人確認用に、半官半民の『KYCセンター』を作って、手続きを簡略化するべきではないか」と国の政策への期待感を示した。
平井デジタル相は日本のDXの現状について「周回遅れ」と指摘した上で、「国民の期待もそれほど大きくなかったし、行政の手続きも煩雑なのは皆が当たり前だと思っていた。民間でも、経営者に話を聞くと、テクノロジーに興味が無さすぎる人が多い。経営者本人が理解して、決断しないとDX化は進まないだろう」とした。三木谷代表理事は「昔から日本人は何事も変えたくないという傾向が強い。ただ、コロナ禍で世界中でDXが一気に加速した。明治維新や第二次世界大戦の敗戦くらいのインパクトがあるインシデントだ。国のリーダーと産業界がDX化に向けて声を上げないと、日本の未来は極めて暗いだろう」と語った。
また、DX化を進めるための人材登用については「国家公務員に外国人は採用できないが、プロジェクトベースなら国籍を問わない。その場合、エンジニアが魅力的に感じるオーダーをしなければいけない」(平井デジタル相)、「楽天モバイルのエンジニアは8割以上が外国人。日本は所得税が高いので、高度な技術を持つ人材に対する減税は考えなければいけない。また、日本の大学で情報工学を専攻した卒業生は年間約1万6000人だが、アメリカや中国、インドは桁違いに多い。海外の人材をいかに安く使うかが大きなポイントになる」(三木谷代表理事)。
視聴者からは「日本はアメリカや中国のIT成長に追いつけるのか」という質問が出た。平井デジタル相は「中国のIT成長にはアメリカも追いつけないだろう。ただ、中国は自由なインターネットとは違う監視社会だ。日本は言論の自由があり監視社会ではないので、クリエイティブに向いている。また『データは石油に変わる資源』などと言われているが、石油はないがデータはある日本にはチャンス。データを活用する民間企業が出てくるのを後押ししたい」とした。三木谷代表理事は「日本はハードウエアの世界からソフトウエアの世界への変化に対応できなかった。日本はR&D(研究開発)は進んでいるのに、アプリケーションとサービス構築力、マーケティングが下手すぎる。世界に打って出るというチャレンジ精神を持った実業家が必要。世界は日本がデジタルの世界でもう一度リードすることを望んでいるはず。そういう気概で楽天を経営しているし、新経連のリーダーも務めている」と述べた。
コロナ禍を契機に日本でも様々な分野でデジタルトランスフォーメーション(DX)が進んでいるが、同団体ではこのほど「新経連DXサロン」を立ち上げ、継続的にデジタル社会の実現に向けた議論を展開する。プロジェクトのオープニング企画として、三木谷代表理事と平井デジタル相が、日本社会全体のデジタル化に向けたビジョンと課題を議論した。
平井デジタル相は、設立を予定しているデジタル庁について「全省庁のマインドセットを変える、規制改革のシンボルであり、成長戦力の柱になるものだ」と述べた。三木谷代表理事は「これまでと未来には大きな違いがあり、そこに国というシステムがうまくついてこないと、効率的な社会はできないので、プラットフォームを国に作ってもらわなければいけない。例えば本人確認用に、半官半民の『KYCセンター』を作って、手続きを簡略化するべきではないか」と国の政策への期待感を示した。
平井デジタル相は日本のDXの現状について「周回遅れ」と指摘した上で、「国民の期待もそれほど大きくなかったし、行政の手続きも煩雑なのは皆が当たり前だと思っていた。民間でも、経営者に話を聞くと、テクノロジーに興味が無さすぎる人が多い。経営者本人が理解して、決断しないとDX化は進まないだろう」とした。三木谷代表理事は「昔から日本人は何事も変えたくないという傾向が強い。ただ、コロナ禍で世界中でDXが一気に加速した。明治維新や第二次世界大戦の敗戦くらいのインパクトがあるインシデントだ。国のリーダーと産業界がDX化に向けて声を上げないと、日本の未来は極めて暗いだろう」と語った。
また、DX化を進めるための人材登用については「国家公務員に外国人は採用できないが、プロジェクトベースなら国籍を問わない。その場合、エンジニアが魅力的に感じるオーダーをしなければいけない」(平井デジタル相)、「楽天モバイルのエンジニアは8割以上が外国人。日本は所得税が高いので、高度な技術を持つ人材に対する減税は考えなければいけない。また、日本の大学で情報工学を専攻した卒業生は年間約1万6000人だが、アメリカや中国、インドは桁違いに多い。海外の人材をいかに安く使うかが大きなポイントになる」(三木谷代表理事)。
視聴者からは「日本はアメリカや中国のIT成長に追いつけるのか」という質問が出た。平井デジタル相は「中国のIT成長にはアメリカも追いつけないだろう。ただ、中国は自由なインターネットとは違う監視社会だ。日本は言論の自由があり監視社会ではないので、クリエイティブに向いている。また『データは石油に変わる資源』などと言われているが、石油はないがデータはある日本にはチャンス。データを活用する民間企業が出てくるのを後押ししたい」とした。三木谷代表理事は「日本はハードウエアの世界からソフトウエアの世界への変化に対応できなかった。日本はR&D(研究開発)は進んでいるのに、アプリケーションとサービス構築力、マーケティングが下手すぎる。世界に打って出るというチャレンジ精神を持った実業家が必要。世界は日本がデジタルの世界でもう一度リードすることを望んでいるはず。そういう気概で楽天を経営しているし、新経連のリーダーも務めている」と述べた。