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同社では、オンライン上でも百貨店らしい1to1のおもてなしや商品レコメンドを実施し、顧客一人ひとりに寄り添った接客を行う方針で、新アプリを通じて従来は百貨店店頭でしか購入できなかった商品も買える環境を整える。
「三越伊勢丹リモートショッピング」アプリでは、これまでのようにLINEからZoom接客を案内することなく、アプリ内でチャットによる会話から動画接客までを行うことができる(画像はイメージ)。
また、一般的にECでは販売前に手間のかかるささげ業務とEC商品登録が不可欠だが、新アプリでは新たに開発した「個品登録機能」で簡易的に商品登録が行える。
具体的には、オンライン接客中に顧客が欲しいと思った商品があった場合、販売員がスマートフォンやタブレットを通じて商品の撮影と商品コードを入力するだけで顧客のカートに当該商品を登録することができ、顧客は商品を確認してそのままアプリ内で購入可能という。
当初は伊勢丹新宿店の婦人、紳士、特選、化粧品の4カテゴリー14ショップを対象に新アプリをスタート。取り扱い商品は約300ブランド、1万5000型程度だ。
現状では伊勢丹新宿店の営業時間内で、店頭に立つ同社社員50人が兼務でオンライン接客も担当。ショップによって店頭からオンライン接客を行ったり、別室で対応するなど対応は分かれるようだ。
アプリの利用には三越伊勢丹ウェブ会員の登録が必要なため、顧客の購買履歴を把握し、それぞれの好みにあった提案につなげたい意向だ。
今後、アプリの利用状況などを検証し、対象となる売り場の拡大や三越伊勢丹に入るブランドスタッフのアプリ活用なども視野にあるが、タイミングは未定とする。また、将来的にはチャット接客の文字データを蓄積してAIに学習させ、簡単な問い合わせにはAIで対応できるようにしていく考え。
なお、同社は運営する主力通販サイト「三越伊勢丹オンラインストア」でも品ぞろえを拡充しており、2020年3月期には10万型だったオンライン掲載型数を今期中に15万型まで増やす計画で順調に拡充している。