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表示対策課が所管する表示関連法の執行関連経費は、総額約1億8000万円を要求した。景表法の執行、普及啓発に関する「景表法違反事件調査費」は、約6300万円、健康増進法や食品表示法等の執行、普及啓発に関する「消費者表示適正化推進等経費」は約1億1700万円で、いずれも前年度とほぼ同額だった。
新たな予算要求では、高齢化の進展や成年年齢引下げなど取引のデジタル化・国際化に伴うぜい弱な消費者の増加を受けた消費者被害防止の取り組みを強化する。主だったものは、「AIによるインターネット上の不当表示監視事業」(800万円)、「大学・高校との連携によるインターネット上の不当表示監視事業」(約169万円)、「ターゲティング注意喚起事業」(8000万円)の3つ。
AIを活用した不当表示監視事業では、民間委託で、不当表示の端緒情報を得る取り組みになる。
これまでも健康食品広告のインターネット監視事業を行ってきた。ただ、端緒情報は、対策課側で「検索キーワード」を設定した範囲に限られるなど課題があった。AIを活用することで、イラスト等の画像分析を含めた不当表示、不当な二重価格表示の発見など、監視領域の拡大について検証する。実証事業の成果を実際の法執行につなげる可能性もある。
大学や高校と連携した不当表示監視事業は、すでに埼玉県など一部の自治体で実施されているもの。埼玉県のケースでは、実際の法執行につなげた例があり、消費者庁も検証を行う。消費者啓発につなげる狙いもある。
ターゲティング注意喚起事業は、ウェブ検索など消費者の行動履歴に応じて、注意喚起を行うターゲティング広告を行う。これにより、例えば「コロナ 効く」といったワードで検索した消費者に、空間除菌商品に関する注意表示を行うなど、注意喚起の実効性向上を図る。
機構定員要求は、デジタルフォレンジック調査の実施やインターネット広告規制など計29人の増員を求めた。