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キリンHD 「免疫維持」サプリ展開へ、グループ横断でブランド認知図る

2020年10月 1日 07:30

 キリンホールディングスは11月、「免疫機能の維持」を表示する機能性表示食品の販売を始める。免疫機能を訴求する機能性表示食品の展開は国内で初めて。グループ横断の取り組みでブランド認知を図る。長年に渡る研究成果の積み重ねを背景に届出を行っており、競合他社が追随するのは容易ではなさそうだ。

 





 独自素材「プラズマ乳酸菌」(機能性関与成分)を配合した「ⅰMUSE(イミューズ)」ブランドからサプリメント、飲料各3商品を展開する。

 サプリメント1商品(税抜2200円)は、11月上旬から調剤薬局や医療機関で展開。ほか2商品(7日分と15日分、価格は同905円~1833円)は、グループで通販を行う協和発酵バイオを通じて展開する。飲料3商品(税抜143円)は11月24日からキリンビバレッジが展開。全国のコンビニエンスストアやスーパー、ドラッグストア、自動販売機、通販で展開する。飲料でエントリー層を開拓しつつ、サプリメントでコアユーザーの獲得を図る。

 リニューアル前の「イミューズ」は、飲料を中心に前年比約2倍(8月累計)の伸びで推移する。医療機関向けサプリは、パイは小さいものの最も高い伸長率。新商品の売り上げ目標は、「事業への寄与は来年以降。中長期を踏まえ検討したい」(同社)として、現時点では非開示。

 キリンは、キャンペーンや啓発を積極的に行い、ブランド認知を図る。パートナー企業への素材供給や商品の共同開発も進める。

 昨年、資本業務提携したファンケルは、「プラズマ乳酸菌」を配合した子供向け飲料を展開する。同成分を配合した機能性表示食品の展開は、「現時点で未定」(ファンケル)としている。

 キリンは、長期経営構想の中で、従来の食領域、医領域に加え、培ってきた発酵・バイオ技術をベースにした「ヘルスサイエンス領域」の育成を進める。

 免疫分野は、35年に渡る研究成果を蓄積。「プラズマ乳酸菌」は、これまでヒト臨床試験10報を含む25報の学術論文を報告している。

 届出は、うち6報でシステマティックレビューを作成。今年6月に申請した。

 免疫機能の届出公表は初めて。「医」と「食」にまたがる領域であり、表示は困難とされてきた。こうした背景から今後のプロモーションも「届出の範囲にとどめ、これまで以上に表示や訴求は注意して行う」(キリン)としている。

 「プラズマ乳酸菌」は、体内でさまざまな役割を果たす複数の免疫細胞の司令塔の役割を果たす「pDC(プラズマサイトイド樹状細胞)」の働きを活性化する。pDCを活性化するのは、医薬品で国内承認されたものがある。キリンは今後、アンチエイジング分野でも研究を深める。
 
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