オアシスライフスタイルグループは、グループ会社のオアシススタイルウェアで展開する、スーツに見える作業着「ワークウェアスーツ(WWS)」がコロナ禍で好調を維持している。9月8日には東京・八重洲地下街に初の常設店(
写真㊦)をオープン。今後3年間で全国の主要都市に15店舗を構える計画だ。主力販路のECでは年内にバーチャル旗艦店を構築するという。グループを束ねる関谷有三CEO(
顔写真)に、「WWS」の好調要因や成長戦略について聞いた。
――コロナの影響はどうか。
「追い風になっている。ひとつは、『WWS』の特徴でもある、毎日洗える点が感染対策につながるということで支持されている。また、リモートワークの時間が増えたことで着心地がよく、自宅でも羽織れるジャケットという部分が歓迎された」
――アパレル業界は苦戦している。
「コロナで服に対する消費行動がガラリと変わろうとしていて、必要以上に着飾らなくなったのだと思う。昨年までであれば、シーズンごとのトレンドアイテムや季節の新商品を買ってファッションを楽しむことが潮流だったが、外出する機会が少なくなり、洋服よりも生活のもっと身近なところにお金を使うようになっている。今までのような洋服は売りづらくなっているが、『WWS』はシンプルで多機能。あらゆるシーンに使えるためコストパフォーマンスが良く、今の服選びの潮流に合う」
――「WWS」は注目度が高い。
「メインの販売チャネルであるECは昨年に比べて非常に伸びている。リアルの売り場も、コロナ禍でスーツは売れない商品の代表格だが、『WWS』は集客につながるということで、商業施設やセレクトショップから多くお声がけ頂いている。今のアパレル業界におけるシンボリックな商品になっている」
――作業着やスーツ、普段着として着用でき、ターゲットが広い。
「『WWS』の一番の特徴は『アルティメックス』という生地にある。作業着としての耐久性や防水・速乾、ストレッチ性、形態安定、多収納といった機能性に着心地を兼ね備えた生地を2年かけて独自開発した。その1種類の生地に特化し、ものすごい量を生産することで他社が真似できない価格で販売できる。コスト面だけでなく、水道工事会社が作ったというストーリーの意外性もある」
――「WWS」に似たコンセプトの商品が市場に増えてきた。
「他のアパレルや紳士服店が『WWS』のような服を作ったとしても、売れれば売れるほど、既存商品とのカニバリがあると思う。当社のように異業種から参入し、1種類の生地を使って『WWS』だけを手がけるという割り切り方は難しいのではないか」
――むやみに品番を増やさない。
「当社は米アップルのような戦略を考えていて、例えばアップルウォッチのSKUは2型しかない。時計メーカーはさまざまな種類の時計を扱っていて、スマートウォッチだけに振り切ることはしない。アップルは時計メーカーではなかったからこそ1種類のスマートウォッチで世界を席巻することができた。米国で劇的に伸びているD2Cブランドの特徴も、ミレニアル世代と異業種からの参入という点が大きいとされている。モノの作り方、売り方の振り切り方が既存の事業者とは大きく異なる」
――アパレル業界は課題が多い。
「私自身も服は好きだが、ずっと疑問に思っていたのが、春夏秋冬で大量に服が作られていて、売れ残った在庫はセールやアウトレットに回り、それでも売れない商品は廃棄される。服はそこまでたくさん手元になくてもいいのに、毎年、大量生産、大量消費されていることに疑問を感じている」
――服は供給量の半分以上が売れ残るとも言われている。
「ここ数年のアパレルのキーワードとしてサステナブルがあるが、アパレル企業は素材こそサステナブルにするものの、大量に作って売れ残ったものを廃棄していたら本末転倒だ。毎年同じものを売り続ければモデルチェンジもなく、廃棄量も少なくてすむ。そういう物作りを当社は行っている。アップルウォッチは1種類しかないのに世界で一番売れている時計であるのと同じで、『WWS』も顧客層の縦幅と横幅が大きいのが強みだ」
「例えば、沖縄の70代のタクシー運転手と、原宿にいるファッション感度の高い10代の若者が同じ服を買っている。販売チャネルもそうで、消費者向けも企業向けのユニフォームも同じ商品を売っている。つまり、普段着として『WWS』を買っている人もいれば、作業着として買っている人もいるし、ビジネススーツとして購入している人もいる。ありとあらゆる世代とニーズに対し、品質を担保して提供できている」(つづく)
――コロナの影響はどうか。
「追い風になっている。ひとつは、『WWS』の特徴でもある、毎日洗える点が感染対策につながるということで支持されている。また、リモートワークの時間が増えたことで着心地がよく、自宅でも羽織れるジャケットという部分が歓迎された」
――アパレル業界は苦戦している。
「コロナで服に対する消費行動がガラリと変わろうとしていて、必要以上に着飾らなくなったのだと思う。昨年までであれば、シーズンごとのトレンドアイテムや季節の新商品を買ってファッションを楽しむことが潮流だったが、外出する機会が少なくなり、洋服よりも生活のもっと身近なところにお金を使うようになっている。今までのような洋服は売りづらくなっているが、『WWS』はシンプルで多機能。あらゆるシーンに使えるためコストパフォーマンスが良く、今の服選びの潮流に合う」
――「WWS」は注目度が高い。
「メインの販売チャネルであるECは昨年に比べて非常に伸びている。リアルの売り場も、コロナ禍でスーツは売れない商品の代表格だが、『WWS』は集客につながるということで、商業施設やセレクトショップから多くお声がけ頂いている。今のアパレル業界におけるシンボリックな商品になっている」
――作業着やスーツ、普段着として着用でき、ターゲットが広い。
「『WWS』の一番の特徴は『アルティメックス』という生地にある。作業着としての耐久性や防水・速乾、ストレッチ性、形態安定、多収納といった機能性に着心地を兼ね備えた生地を2年かけて独自開発した。その1種類の生地に特化し、ものすごい量を生産することで他社が真似できない価格で販売できる。コスト面だけでなく、水道工事会社が作ったというストーリーの意外性もある」
――「WWS」に似たコンセプトの商品が市場に増えてきた。
「他のアパレルや紳士服店が『WWS』のような服を作ったとしても、売れれば売れるほど、既存商品とのカニバリがあると思う。当社のように異業種から参入し、1種類の生地を使って『WWS』だけを手がけるという割り切り方は難しいのではないか」
――むやみに品番を増やさない。
「当社は米アップルのような戦略を考えていて、例えばアップルウォッチのSKUは2型しかない。時計メーカーはさまざまな種類の時計を扱っていて、スマートウォッチだけに振り切ることはしない。アップルは時計メーカーではなかったからこそ1種類のスマートウォッチで世界を席巻することができた。米国で劇的に伸びているD2Cブランドの特徴も、ミレニアル世代と異業種からの参入という点が大きいとされている。モノの作り方、売り方の振り切り方が既存の事業者とは大きく異なる」
――アパレル業界は課題が多い。
「私自身も服は好きだが、ずっと疑問に思っていたのが、春夏秋冬で大量に服が作られていて、売れ残った在庫はセールやアウトレットに回り、それでも売れない商品は廃棄される。服はそこまでたくさん手元になくてもいいのに、毎年、大量生産、大量消費されていることに疑問を感じている」
――服は供給量の半分以上が売れ残るとも言われている。
「ここ数年のアパレルのキーワードとしてサステナブルがあるが、アパレル企業は素材こそサステナブルにするものの、大量に作って売れ残ったものを廃棄していたら本末転倒だ。毎年同じものを売り続ければモデルチェンジもなく、廃棄量も少なくてすむ。そういう物作りを当社は行っている。アップルウォッチは1種類しかないのに世界で一番売れている時計であるのと同じで、『WWS』も顧客層の縦幅と横幅が大きいのが強みだ」
「例えば、沖縄の70代のタクシー運転手と、原宿にいるファッション感度の高い10代の若者が同じ服を買っている。販売チャネルもそうで、消費者向けも企業向けのユニフォームも同じ商品を売っている。つまり、普段着として『WWS』を買っている人もいれば、作業着として買っている人もいるし、ビジネススーツとして購入している人もいる。ありとあらゆる世代とニーズに対し、品質を担保して提供できている」(つづく)