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――新型コロナウイルス感染拡大の影響は。
「店舗販売事業については、緊急事態宣言が出ていた4~5月は前年同月比大幅マイナスで、6月は着物のさが美を除くと微増、7月は同約20%のマイナスだった。飲食とホテルも厳しい状況だ。一方で、総合通販事業はネット販売を中心に好調で、”巣ごもり需要”を取り込んでいる。専門通販事業は看護師向け、食品、ワイン、日本酒を中心に好調。全体としては増収減益基調だ。店舗関連で大きな赤字を作っているがカバーできている」
――前期を振り返って。
「売り上げは増えたが利益面ではマイナスとなった。ただ、40歳前後のエースクラスと呼べるプロパーの人材が育ってきており、そこが今後当社の強みとなるのではないか」
――前期の総合通販事業に関して、売上高はほぼ予算通りだったが、営業利益は予算を下回った。
「運賃値上げと印刷用紙代の値上げが直撃し、この数年間で経費が合計約40億円増えた。そこをリカバリーしながら事業を運営しているわけで、値上げ要素がなければ絶好調だったのではないか。カタログやチラシの部数に関しては、採算性の悪いものを中心に約10%減らしている。ただ、ディスカウントも含めて、在庫処分を余儀なくされたことで、原価率の改善が想定を下回り、営業利益が予算に届かなかった」
――運賃や用紙代は今後も上がると見ているか。
「落ち着くのではないかと思っている。宅配便も以前に比べると各社による競争が進むようになった。当社としても各社の動向を踏まえて新規の事業者を利用するなど、工夫をしている」
――今期4~6月の総合通販事業は新規顧客がかなり増えた。
「コロナ禍もあり、レスポンスは好調だ。今後どうなるかはわからないが、商品力が基本なのでそれを磨きながら、どのように媒体を使うかが重要になってくる」
――「新しい生活様式」への対応が叫ばれる中、商品開発(MD)もそれに沿ったものが必要になってくるのでは。
「外出着が売れていないので、巣ごもり需要に対応していく。売れ筋の変化を見極めながら対応していく形で、コロナ禍だから特別に何かをするというわけではない。市場の定点観測やベンダーからの情報活用など、コロナであろうがなかろうが同じことをしている。時流に乗ることが大事なので、他社の事例を見ながら、売れる確率が高い商品を開発していく」
――巣ごもり需要を取り込んで売れた商品は。
「もともと看護師向け通販で販売していたということもあるが、マスクは非常に売れている」(つづく)