ユニクロは6月19日、銀座の商業施設「マロニエゲート銀座2」内に国内最大のグローバル旗艦店の新店舗「UNIQLO TOKYO(ユニクロ トウキョウ)」を開設した。6月5日にオープンした「ユニクロ原宿店」と同様に、ECとも連携したコーナーを設けるなどリアルとデジタルの融合を図った店舗となっている。
地上1~4階までの売り場は総面積が約5000平方メートルで、メンズ、ウィメンズ、キッズ、ベビーのアイテムを展開。アイテム数については標準店の300~400種類を上回る500~600種類を取り扱う。
ECと連携した売り場としては、原宿店と同様に昨年10月から提供している着こなし発見アプリ「StyleHint(スタイルヒント)」を導入したディスプレイ端末を店内に設置。端末上では同アプリに投稿された様々な着こなし画像を閲覧できるほか、気に入った投稿画像の同アイテムや類似アイテムについて、店内での実際の陳列場所を案内。商品詳細から「オンラインストアのURLをスマホに送る」の項目をクリックすることでQRコードが表示され、顧客自身のスマートフォンで読み込むことで当該商品の通販サイトの購入ページに進み、そのまま購入することができる。店内で購入して持ち買える際の手間や負担を省きたいというニーズに対応した。
先行する原宿店では同サービスの利用待ちの列もできるほど来店者からの人気も高く、「(店で)一回試して自分の手元のスマホアプリでも同じことができると分かると、その後もずっとカスタマーでいてもらえる」(同社)とし、アプリ自体の認知拡大の機会にもなると説明。同アプリは投稿画像から商品購入ページに飛ぶ仕組みもあるためEC利用のさらなる拡大も期待できるようだ。
また、3階のメンズフロアではECで着丈・袖丈を選んで購入できる「オーダーメイド感覚で選ぶ、感動ジャケット」の売り場を設けており、試着用のサンプルを展示している。サンプルの展示は同店だけとなっており、そのまま購入することも可能。ECの画面上でのサイズ確認だけでは購入に不安がある場合など、実際に着て確かめることができるようになっているため、店内で着心地を実感してからその場でスマホからECで購入するケースなども見込んでいる。
同商品については税別5990円とジャケットとしては低単価であることから、シワなどを気にせず手軽に使いこなせる用途としてビジネスシーンだけでなく、カジュアル用途としての需要が伸びているという。
そのほか、同店舗とECだけの限定商品販売も実施。まずはグループブランド「Theory(セオリー)」とのコラボレーションシリーズ「UNIQLO×Theory」のワンピース4型をECと同店限定で取り扱う。限定や先行発売の形をとることで顧客の反応を確かめ、その後のレギュラー販売に向けた計画立案にもつなげていく。
なお、同社では今年4月に「UNIQLOPARK横浜ベイサイド店」、6月に「ユニクロ 原宿店」と今春夏だけで3つの大型店舗を立て続けに開設している。今年の大規模店舗の開設は今回で一区切りとなるようで、来年以降の開設店舗については、リアルとデジタルの融合をより加速した形となることが見込まれている。
ECとの関係が重要に、「在宅」でカジュアルに追い風
<記者会見での発言から>
同店のオープンに先駆けて6月18日に開催した記者発表会では柳井会長兼社長や木下孝浩グループ上席執行役員、グラフィックデザイナーの佐藤可士和氏が登壇。同社が進めているリアルとデジタルの融合や、新型コロナウイルスの感染対策に伴う消費動向の変化などについても言及した。(
右から木下グループ上席執行役員、柳井会長兼社長、佐藤氏)
元雑誌編集者でもある木下執行役員は店舗づくりを振り返り、「雑誌とデジタルの関係のように、ECと店をどうつなげるか今後はそこがとても重要なものになる」と説明。購入チャネルの選択肢が広がる中でリアルに来店してもらうための動機づくりが欠かせないとした上で「確実に言えるのは魅力的な実店舗こそがECを成功させるのではないか」とした。
同店に加え、今春夏に開設した旗艦店の横浜店、原宿店でもクリエイティブディレクターを務めた佐藤氏は、店舗づくりから見たECとの関わりについて「コロナもあってオンラインでの需要は当然高くなっていくがリアルが無くなるわけではない。オンラインとリアルとバーチャルをどう融合させていくかが、これからの店づくりでの重要な取り組みになる」とした。
また、コロナで在宅勤務が増加し、カジュアルウェアの需要が高まっている状況について、柳井会長兼社長は「追い風は来ているとは思うが、予想していたことではなしに我々みたいな考え方が世界の中心になる。究極の普段着を売っていこうと思っている」とし、製造、物流だけでなく、マーケティングや顧客とのコミュニケーションなどもダイレクトにできる新たな業態の確立を目指しているとした。
地上1~4階までの売り場は総面積が約5000平方メートルで、メンズ、ウィメンズ、キッズ、ベビーのアイテムを展開。アイテム数については標準店の300~400種類を上回る500~600種類を取り扱う。
ECと連携した売り場としては、原宿店と同様に昨年10月から提供している着こなし発見アプリ「StyleHint(スタイルヒント)」を導入したディスプレイ端末を店内に設置。端末上では同アプリに投稿された様々な着こなし画像を閲覧できるほか、気に入った投稿画像の同アイテムや類似アイテムについて、店内での実際の陳列場所を案内。商品詳細から「オンラインストアのURLをスマホに送る」の項目をクリックすることでQRコードが表示され、顧客自身のスマートフォンで読み込むことで当該商品の通販サイトの購入ページに進み、そのまま購入することができる。店内で購入して持ち買える際の手間や負担を省きたいというニーズに対応した。
先行する原宿店では同サービスの利用待ちの列もできるほど来店者からの人気も高く、「(店で)一回試して自分の手元のスマホアプリでも同じことができると分かると、その後もずっとカスタマーでいてもらえる」(同社)とし、アプリ自体の認知拡大の機会にもなると説明。同アプリは投稿画像から商品購入ページに飛ぶ仕組みもあるためEC利用のさらなる拡大も期待できるようだ。
また、3階のメンズフロアではECで着丈・袖丈を選んで購入できる「オーダーメイド感覚で選ぶ、感動ジャケット」の売り場を設けており、試着用のサンプルを展示している。サンプルの展示は同店だけとなっており、そのまま購入することも可能。ECの画面上でのサイズ確認だけでは購入に不安がある場合など、実際に着て確かめることができるようになっているため、店内で着心地を実感してからその場でスマホからECで購入するケースなども見込んでいる。
同商品については税別5990円とジャケットとしては低単価であることから、シワなどを気にせず手軽に使いこなせる用途としてビジネスシーンだけでなく、カジュアル用途としての需要が伸びているという。
そのほか、同店舗とECだけの限定商品販売も実施。まずはグループブランド「Theory(セオリー)」とのコラボレーションシリーズ「UNIQLO×Theory」のワンピース4型をECと同店限定で取り扱う。限定や先行発売の形をとることで顧客の反応を確かめ、その後のレギュラー販売に向けた計画立案にもつなげていく。
なお、同社では今年4月に「UNIQLOPARK横浜ベイサイド店」、6月に「ユニクロ 原宿店」と今春夏だけで3つの大型店舗を立て続けに開設している。今年の大規模店舗の開設は今回で一区切りとなるようで、来年以降の開設店舗については、リアルとデジタルの融合をより加速した形となることが見込まれている。
ECとの関係が重要に、「在宅」でカジュアルに追い風
<記者会見での発言から>
同店のオープンに先駆けて6月18日に開催した記者発表会では柳井会長兼社長や木下孝浩グループ上席執行役員、グラフィックデザイナーの佐藤可士和氏が登壇。同社が進めているリアルとデジタルの融合や、新型コロナウイルスの感染対策に伴う消費動向の変化などについても言及した。(右から木下グループ上席執行役員、柳井会長兼社長、佐藤氏)
元雑誌編集者でもある木下執行役員は店舗づくりを振り返り、「雑誌とデジタルの関係のように、ECと店をどうつなげるか今後はそこがとても重要なものになる」と説明。購入チャネルの選択肢が広がる中でリアルに来店してもらうための動機づくりが欠かせないとした上で「確実に言えるのは魅力的な実店舗こそがECを成功させるのではないか」とした。
同店に加え、今春夏に開設した旗艦店の横浜店、原宿店でもクリエイティブディレクターを務めた佐藤氏は、店舗づくりから見たECとの関わりについて「コロナもあってオンラインでの需要は当然高くなっていくがリアルが無くなるわけではない。オンラインとリアルとバーチャルをどう融合させていくかが、これからの店づくりでの重要な取り組みになる」とした。
また、コロナで在宅勤務が増加し、カジュアルウェアの需要が高まっている状況について、柳井会長兼社長は「追い風は来ているとは思うが、予想していたことではなしに我々みたいな考え方が世界の中心になる。究極の普段着を売っていこうと思っている」とし、製造、物流だけでなく、マーケティングや顧客とのコミュニケーションなどもダイレクトにできる新たな業態の確立を目指しているとした。