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しまむらは仕入れがメインで、かつ多品種小ロットの品ぞろえもあってEC参入には消極的だったが、この数年は成長にブレーキがかかっていることもあり、ECチャネルの活用を模索。自社運営のEC展開に先立ち、18年7月にファッション通販サイト「ゾゾタウン」に出店したほか、昨年1月には「しまコレ」アプリをローンチし、消費者が同アプリを通じて新作などをチェックし在庫を確保した上で実店舗に来店できるようにした。
昨年6月にはゾゾタウン店を早々に閉店。当初は2年契約だったが、人的リソースを「しまコレ」に集中する目的に加え、ECの在庫管理を含めたノウハウを吸収できたとして1年早く契約を終えた。
「しまコレ」については、2020年2月期末時点のダウンロード数が82万件で、目標の100万件には届かなかったものの、年間注文金額は9億5000万円となり、計画値を58%上回った。
前期上期の「しまコレ」対象アイテム数は約2000点だったが、下期に約3000点を追加。累計5000点を扱ったことで利用者が増え、注文金額も上期の1億2000万円に対し、下期は8億3000万円と大きく伸ばした。
同社によると、インフルエンサー企画商品(婦人服、靴、服飾雑貨)が好評だったほか、大きいサイズや小さいサイズといった「しまコレ」限定で扱った商品の取り寄せニーズが高まるなど、当該サービスと親和性の高いアイテムが見えてきたという。
一方、本丸の自社ECについては、秋をメドに通販サイトを開設するほか、チラシの閲覧や店舗情報の検索などができる「しまむら」アプリのシステムを刷新し、EC機能を追加してスタートする。
店舗取り寄せ専用の「しまコレ」の決済は店頭払いのみ、商品の受け取りも店頭だけだが、「しまむら」新アプリではウェブ決済機能を追加するほか、自宅などへの個配にも対応する。
自社ECと新アプリで「しまコレ」のサービスを補えることから、「しまコレ」は今秋で役割を終えるが、それまでに200万ダウンロードを目指すとしている。
EC機能は下期からスタートするため、初年度(21年2月期)のEC売上高は10億円を計画。秋まで展開する「しまコレ」の注文金額と合わせると今期は25億円~30億円規模を見込んでいる。
なお、同社はECの事業化に当たり、基幹物流拠点のひとつである東松山商品センター(埼玉県)内にECの専用倉庫を建設している。