2009年度のテレマーケティング事業者上位10社の合計売上高は、6社が増収で5299億9100万円となった。昨年行った調査での08年度の10社合計売上高は5151億4500万円で、それとの比較では2・9%の増収。ただ、拡大はしているが4社が減収だったほか2桁増も2社に留まるなど、不況の影響で成長が鈍化傾向にあるもよう。今期の重点課題としてはアウトバウンドなど効率的な販促系業務の強化を挙げる声が多く、今後のトレンドになる可能性が高そうだ。
上位6社は順位変動なしも、3社が減収に 今回調査では、上位6社までは前回調査と順位の変更はなかった。
首位は昨年に続きトランスコスモスが維持。ただ、売上高は前期比7・7%減と減収だった。コールセンターサービス事業やデジタルマーケティングサービス事業は比較的堅調に推移しほぼ横ばいだったものの、ビジネスプロセスアウトソーシング事業が景気低迷の影響を受け、BtoBコールセンター業務やエンジニア業務で新規獲得が不振。データエントリー事業でも、前期増収に貢献した、タバコ自動販売機専用カード「タスポ」関連のデータ入力業務が、「タスポ」の定着化に伴い減少したため減収となった。営業利益も、売上高の減少に伴い同18・1%減の49億4500万円と2桁の減少となった。
2位はベルシステム24。通販系クライアントの業務は堅調に推移したが、景気低迷の影響により、売上高は前期比2・2%減と微減だった。ただ、退職率が減少している効果で新人の採用費や研修費などの支出が減少。コスト削減が図れた結果、営業利益は前期比1・4%増の139億3900万円と微増ながら増益となった。
3位はもしもしホットライン。大型スポット業務の受託に加え、製造業を中心に、コールセンターの統合やアウトソーシング化などの構造改革プロジェクトが下期に部分的に再開。前期にグループ入りした店頭営業支援業務のエニーの売上高も貢献し、売上高は9・3%増となった。ただ、利益面では景気の低迷を受け、通信や金融を中心に既存クライアントの規模が縮小。通信向けプロモーション業務の採算悪化もあり、営業利益は同4・8%減の80億9800万円と減益となった。
4位はエヌ・ティ・ティ・ソルコで、売上高は前期比2・6%減と若干の減収。クライアントからのコスト削減要請に加え、グループ内の業務を受託する内販部門で電話系業務が減少したことなどが影響した。ただ、「Bフレッツ」や「ひかりメンバーズクラブ」などのIP系業務は伸長した。グループ外の業務を受託する外販部門は、官公庁系でスポット業務を獲得したほか、外資系食品メーカー業務を受託するなどし、好調だった。
5位はKDDIエボルバ。売上高は前期比41・6%と大幅な増収。営業利益も282・9%増の39億8200万円と大幅増益だった。
6位はテレマーケティングジャパンで、売上高は前期比1・9%増と増収。上期はリーマン・ショックの影響があったものの、下期にアウトバウンドのスポット業務や国税局の業務の受託を獲得。年度末に金融系スポット業務の受託も獲得し、微増ながら増収を達成した。利益面では、営業利益は全社的な経費削減や、効率的な要員配置など人件費の部分のコントロールが順調に進み、同44%増の11億1000万円と大幅増だった。この他の状況は、下期にメーカー系クライアントでブースが拡大。通販系では新規案件の獲得はなかったが、既存業務は拡大した。
今期はコールセンターに並ぶ新たな事業の柱として、バックオフィス(BO)系業務の拡大を推進する計画だ。
CSKサービスウェアが大幅増に 7位はCSKサービスウェア。売上高は前期比51・8%増と大幅な増収となった。同社は09年7月、親会社であるCSKホールディングスのグループ会社と合併。合併したグループ会社の売上高分が上積みされ、大幅増となった。また、金融系や通販系の既存クライアントの業務が拡大。利益面もコスト削減策の実施や売上高の増加に伴い増益となった。2010年度の見込みは非公開だが、今期は専門の営業部隊を編成するなど営業力を強化。新規クライアント獲得に注力する方針だ。
8位は富士通コミュニケーションサービス。リーマン・ショックの影響で、主力のテクニカルサポート業務で既存クライアントのサポートへの投資が減少するなど業務の規模縮小があり、売上高は前期比1・2%減とほぼ横ばいで推移した。ただ、ネット販売事業者やISP事業者をクライアントとするeビジネス系業務では新規を獲得するなど好調だった。利益面は公開していないが、売り上げと同様にほぼ横ばいだったという。
今期はクライアントからのニーズの高いセールスマーケティング業務に注力する。受注拡大やアウトバウンドによる販売促進など、「クライアントのビジネスが拡大するための仕事に比重をかける」(富士通コミュニケーションサービス)計画だ。通期売上高の見込みは前期比3%増の170億円をみている。
9位はプレステージ・インターナショナルで、売上高は前期比9・8%増と増収だった。主力の自動車関連部門が新規受託の獲得などで2桁の増収。CRM関連部門も海外の新規業務の獲得や既存業務が堅調で、大幅増となった。このほか、不動産関連部門、BPO事業なども好調に推移。ただ、金融サービス部門は海外で展開するクレジットカード業務の会員数は堅調だったが、国内の既存業務の縮小や円高の影響などにより減収となった。営業利益は前期比3・2%増の23億9000万円と増益を確保した。
10位の安心ダイヤルは、主力のロードアシスタントサービス事業で、既存クライアントの業務が拡大。住宅関連のサービスでも新規クライアントの獲得が進み、売上高は前期比6・8%増と増収で推移した。利益面は非公表。今期は重点課題として、引き続き既存クライアントの業務の強化に努める考えだ。
上位6社は順位変動なしも、3社が減収に
今回調査では、上位6社までは前回調査と順位の変更はなかった。
首位は昨年に続きトランスコスモスが維持。ただ、売上高は前期比7・7%減と減収だった。コールセンターサービス事業やデジタルマーケティングサービス事業は比較的堅調に推移しほぼ横ばいだったものの、ビジネスプロセスアウトソーシング事業が景気低迷の影響を受け、BtoBコールセンター業務やエンジニア業務で新規獲得が不振。データエントリー事業でも、前期増収に貢献した、タバコ自動販売機専用カード「タスポ」関連のデータ入力業務が、「タスポ」の定着化に伴い減少したため減収となった。営業利益も、売上高の減少に伴い同18・1%減の49億4500万円と2桁の減少となった。
2位はベルシステム24。通販系クライアントの業務は堅調に推移したが、景気低迷の影響により、売上高は前期比2・2%減と微減だった。ただ、退職率が減少している効果で新人の採用費や研修費などの支出が減少。コスト削減が図れた結果、営業利益は前期比1・4%増の139億3900万円と微増ながら増益となった。
3位はもしもしホットライン。大型スポット業務の受託に加え、製造業を中心に、コールセンターの統合やアウトソーシング化などの構造改革プロジェクトが下期に部分的に再開。前期にグループ入りした店頭営業支援業務のエニーの売上高も貢献し、売上高は9・3%増となった。ただ、利益面では景気の低迷を受け、通信や金融を中心に既存クライアントの規模が縮小。通信向けプロモーション業務の採算悪化もあり、営業利益は同4・8%減の80億9800万円と減益となった。
4位はエヌ・ティ・ティ・ソルコで、売上高は前期比2・6%減と若干の減収。クライアントからのコスト削減要請に加え、グループ内の業務を受託する内販部門で電話系業務が減少したことなどが影響した。ただ、「Bフレッツ」や「ひかりメンバーズクラブ」などのIP系業務は伸長した。グループ外の業務を受託する外販部門は、官公庁系でスポット業務を獲得したほか、外資系食品メーカー業務を受託するなどし、好調だった。
5位はKDDIエボルバ。売上高は前期比41・6%と大幅な増収。営業利益も282・9%増の39億8200万円と大幅増益だった。
6位はテレマーケティングジャパンで、売上高は前期比1・9%増と増収。上期はリーマン・ショックの影響があったものの、下期にアウトバウンドのスポット業務や国税局の業務の受託を獲得。年度末に金融系スポット業務の受託も獲得し、微増ながら増収を達成した。利益面では、営業利益は全社的な経費削減や、効率的な要員配置など人件費の部分のコントロールが順調に進み、同44%増の11億1000万円と大幅増だった。この他の状況は、下期にメーカー系クライアントでブースが拡大。通販系では新規案件の獲得はなかったが、既存業務は拡大した。
今期はコールセンターに並ぶ新たな事業の柱として、バックオフィス(BO)系業務の拡大を推進する計画だ。
CSKサービスウェアが大幅増に
7位はCSKサービスウェア。売上高は前期比51・8%増と大幅な増収となった。同社は09年7月、親会社であるCSKホールディングスのグループ会社と合併。合併したグループ会社の売上高分が上積みされ、大幅増となった。また、金融系や通販系の既存クライアントの業務が拡大。利益面もコスト削減策の実施や売上高の増加に伴い増益となった。2010年度の見込みは非公開だが、今期は専門の営業部隊を編成するなど営業力を強化。新規クライアント獲得に注力する方針だ。
8位は富士通コミュニケーションサービス。リーマン・ショックの影響で、主力のテクニカルサポート業務で既存クライアントのサポートへの投資が減少するなど業務の規模縮小があり、売上高は前期比1・2%減とほぼ横ばいで推移した。ただ、ネット販売事業者やISP事業者をクライアントとするeビジネス系業務では新規を獲得するなど好調だった。利益面は公開していないが、売り上げと同様にほぼ横ばいだったという。
今期はクライアントからのニーズの高いセールスマーケティング業務に注力する。受注拡大やアウトバウンドによる販売促進など、「クライアントのビジネスが拡大するための仕事に比重をかける」(富士通コミュニケーションサービス)計画だ。通期売上高の見込みは前期比3%増の170億円をみている。
9位はプレステージ・インターナショナルで、売上高は前期比9・8%増と増収だった。主力の自動車関連部門が新規受託の獲得などで2桁の増収。CRM関連部門も海外の新規業務の獲得や既存業務が堅調で、大幅増となった。このほか、不動産関連部門、BPO事業なども好調に推移。ただ、金融サービス部門は海外で展開するクレジットカード業務の会員数は堅調だったが、国内の既存業務の縮小や円高の影響などにより減収となった。営業利益は前期比3・2%増の23億9000万円と増益を確保した。
10位の安心ダイヤルは、主力のロードアシスタントサービス事業で、既存クライアントの業務が拡大。住宅関連のサービスでも新規クライアントの獲得が進み、売上高は前期比6・8%増と増収で推移した。利益面は非公表。今期は重点課題として、引き続き既存クライアントの業務の強化に努める考えだ。