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楽天、「楽天市場」の送料無料施策で不利益店舗に金銭支援へ

2020年 2月26日 14:43

 楽天が3月18日から、仮想モール「楽天市場」に導入を予定している、送料無料となる購入額を税込み3980円で全店舗統一する施策に関して、不利益を受ける店舗に対して金銭的な支援をする方針を固めた。同施策に関しては、公正取引委員会が独占禁止法違反(優越的地位の乱用)の疑いで調査を進めている。詳細については、3月上旬にサポートニュースで店舗に伝える予定。

 同社では2月13日、今回の施策が原因で退店する店舗に対し、出店料の払い戻しをする方針を公表していたが、出店を継続する店舗に対しても支援を行う。同社で同施策を担当しているCEO戦略・イノベーション室の川島辰吾氏は「店舗の売り上げ・利益は中長期的には伸びると考えているが、価格調整をしたり、販売方針を見直したりしないといけないことから、開始直後は損益がどのように推移するのか見通しにくい、という声が店舗から出ている。そのため、セーフティーネット的に一定期間支援をする必要があると考えた」と説明する。

 全店舗が対象で、店舗から申請を受け付ける。同社が保有するデータと当該企業から出されたデータをもとに審査する。金銭的な支援を決める基準については利益がベースとなるもようで、「これまで徴収していた送料がうまく調整できないのではないかという不安の声が多いので、粗利や新たな送料無料ラインを適用した分の差損など、分かりやすい指標を設けたい」(川島氏)という。施策の適用後、前年同期と比較して利益が減少した店舗に対して支援していくもようで、支援する期間については「半年、もしくは年内を想定している」(同)。

  1店舗あたりの支援額については、新施策がどの程度業績に影響したのか、厳密に切り分けるのが難しいことから、減額分を全額補償することはせず、金額もしくは割合で一定のラインは設ける方針だ。

  公取委が進めている調査の影響については「全くないとは言えないが、公取委対策で導入するわけではない。店舗からECコンサルタントが聞き取りをする中で『もう少しサポートが必要なのではないか』と従来から考えていた」(同)とする。
 
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