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障害者郵便不正利用問題、厚労省が再発防止へ検討会

2010年 7月22日 16:38

 障害者団体に適用される郵便料金の割引制度を悪用し、通販会社や大手家電量販店などがDMを低価格で違法に発送していた問題を受け、厚労省は7月15日、再発防止に向けた対策検討会議を開催した。厚生労働省発行の虚偽の障害者団体証明書が使用されていたことから、省内での証明書作成や公印管理の在り方について、大学教授など学識経験者5人で構成される外部有識者団体と意見交換を行った。

 会議の冒頭、細川律夫厚生労働副大臣は「2度とこのような事件が起きないように再発防止に取り組む。証明書に使用された『公印』については管理を徹底し、横断的な見直しを図る」と宣言した。

 検討会議では、事前に作成した再発防止策案として、(1)公印と文書の管理強化に加え、内部監査を実施して無断押印ができない環境を整備する、(2)障害者団体の活動事実確認が困難なものや、必要性が低いと判断されるものに関しては、証明書発行業務の廃止も検討する、(3)不正事案の早期発見、法令順守の徹底に向けて省内・省外の通報制度の周知を図る、ことなどを柱として挙げた。

 会議に出席した外部有識者からは対策の実効性について質問が集中し、日本福祉大学教授の渡辺顕一郎氏は、「厚労省職員に対し、外からのプレッシャーがあって起きた問題ではないのか。議員との力関係もあるので(対策案どおり)できるのか」と指摘。また、日本弁護士連合会高齢者・障害者の権利に関する委員会委員の赤沼康弘氏からは「証明書申請・発行の履歴をチェックする体制づくりが必要。それにより外部から働きかけがあって問題が起きた時、担当職員を守ることにもつながるのでは」という意見が出された。

 厚労省では、今会議で出た意見を踏まえて対策案を修正し、今後、最終的なとりまとめを行うとした。

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