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「人生経験がない作家に、いい作品は描けない」。映画は、出版社の女性編集長にそう一蹴された障害を持つ女性の成長を描く。主人公は、37秒間の仮死状態で生まれたことが原因で脳性麻痺を患っている。過保護なシングルマザーのもと、親友の漫画家のゴーストライターをしながら社会にひっそりと存在する。「障害があろうがなかろうがあなた次第」。あるきっかけで出会った友人達に勇気づけられながら、直感を信じて自ら道を切り開いていく。
映画との縁は、主演で、自身も脳性麻痺を患った佳山明さんがハーバー研究所の商品の愛用者だったことから始まった。佳山さん自身も肌が弱く、映画にメークシーンがあったことから商品提供を同社に依頼。これを快諾し、撮影場所なども提供している。
ハーバー研究所自体も07年から会報誌に障害のあるアート作品を採用する(=画像)。障害のある人のアート作品を社会に発信するNPO法人、エイブルアート・カンパニーの展示会で、創業者の故・小柳昌之氏が、作品に魅了されたことがきっかけ。以降、09年からは障害や病気を患った人を対象にした専用のスキンケア・メーク講座を行い、社会参画をサポートする。
目や手が不自由な人、精神疾患の人は、スキンケアもつけ方などで工夫が必要になる。個々に応じた接し方やケアの方法の確立から始め、これまで700回以上、約1万人が参加している。
映画公開に合わせて、作品にインスパイアされて制作したアート作品を対象にしたポスターチャレンジを行うなど映画を盛り上げる。「ボーダーレスという価値観が広まる中、映画を通じて人それぞれ個性や社会参画をサポートするブランドのスタンスが少しでも伝わる機会になれば」(同社)と話す。