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アイケイの業績回復への取り組み "商品開発型"へ脱皮

2009年 7月28日 20:56

生協ルートを通じた通販代行事業などを手がけるアイケイは今期の重点課題として、自社開発商品の企画・流通を積極化する。雑貨類と食品類で粗利益率の高い自社商品の拡充を進めるほか、主力商材の「ローカロ生活」シリーズを充実させ、拡販体制を整える。販路別の戦略としては生協ルートや一般ルートでのカタログへの提案を強化するなどし、増収につなげたい考えだ。前期業績は2億9600万円の営業損失を計上するなど、2008年5月期に続き2年連続の赤字決算だったアイケイ。早急な立て直しが求められている格好で、飯田社長は「これまでの『BtoBtoC型』から『商品開発型』への蛻変(ぜいへん)を目指す」と表明。商品力の強化を積極化し、営業利益率7%を達成したい構えだ。

 

 同社の09年5月期の業績は、売上高が前期比18.3%減の798000万円と大幅な減収だった。

構成比で全売上高の75%を占める主力の生協ルートでは、各地域の生協でのカタログ企画統合で売り場が減少。百貨店や通販企業などへの販売を行う一般ルートも消費マインド低下により不振。消費者への直接販売を行うBtoCルートも新商品「ゾーンぞうすい」のテレビ通販が早期撤退により2桁減になるなど、苦戦が続いていた。

 ただ、「前期の第4四半期が底だったと思う」(飯田裕社長)とし、今期は業績回復の見通しを立てている。

そのための施策として、商品面では、まず粗利益率の高い自社開発商品の開発に注力する。靴などの雑貨商品を50点、食品40点を新たに開発し、115月期までに自社商品比率を現在の約倍の6割強まで高める構想を打ち出している。

また、中核ブランドの「ローカロ生活」については、「まだ(ローカロは)通販ブランドで、メジャーではない」(同)とみており、ドラッグストアなど店頭での売り上げを伸ばし、メジャーブランドになることが重要と判断。そのためには品質に加え、「価格が重要」(同)とみており、製造ラインの見直しなどを通して販売価格の引き下げに着手し、拡販に向けた体制を整えていく考えだ。

販路別の戦略では、生協ルートにおいて、現在、新たな売り場の獲得が順調に進んでいることや、地方の雑貨類カタログ企画が徐々に戻りつつあることなどで、8月以降、「完全な勝ち戦に転じる」(同)と予測。同ルートの売上高は、前期比15%増の692400万円と2桁増を見込んでいる。

 一般ルートでは、得意先カタログへの単品提案強化やテレビ通販企業への提案商品の拡大を計画。

また、BtoCルートでは靴の「足楽屋」や総合食品の「喰ing」などの自社サイトで、SEO対策を強化してサイトの認知度を向上させる。同時に、時期は未定だが、楽天やぐるなびなどの大手仮想モールへの出店を予定しており、集客力向上を図る。前期の同ルートの売上高に占める構成比は約3%で、今期中に4.7%まで高めたい考えだ。

 2期連続の赤字を計上するなど、苦戦が続くアイケイ。果たして目論見通り業績回復を実現できるのか、真価の問われる年になりそうだ。

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