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同社は昨年10月に物流システムなどを手がけるダイフクと業務提携し、最新のマテハン機器を活用して入荷、検品、搬送、保管、入出庫までの工程での作業自動化を図っていた。しかしながら、出荷前のピッキング作業については、アパレル製品特有の柔らかい形状や、商品種類も豊富なことなどがハードルとなって、自動化ができていなかった。
今回は、MUJINとモーションプランニングAIを用いたピッキングロボットを新たに開発。シーズンごとに商品が頻繁に変化するため多品種に対応できる3Dビジョンを導入したほか、柔らかくて変形しやすい商品でもつかむことができる柔軟なロボットハンドを採用。さらに、無地で似ている商品が多いことから、間違いを防ぐためにピッキング途中での検品機能も取り入れた。
また、Exotec Solutionsのピッキングロボットも導入。同ロボットは高度なアルゴリズムにより自律的に指定された場所に移動可能となるもので、ラック上のあらゆるロケーションにも上昇することが可能。秒速4メートルで移動し、最大搭載量は30キログラムとなっている。
これまで、ダイフクとはEC専用の有明倉庫をはじめとする国内2拠点、海外2拠点の計4拠点、MUJINとは海外1拠点、Exotec Solutionsとも海外1拠点の倉庫自動化に着手しており、今後、対応拠点を拡大していく。
加えて、過剰在庫、欠品の削減については、企画・生産面からもてこ入れを実施する。商品構成、春夏、秋冬の数量計画などの人為的な意思決定に対して、AIやアルゴリズムを用いて精緻化を進め、シーズン中での増減産や売価調整の推奨値を導き出すようにするという。
なお、現状、同社ではロットや商品によって異なるものの、消費者が欲しいものを手元に届けるまでおおむね1カ月から2カ月程度かかっている。今後、サプライチェーン改革が進むことで2週間から1カ月の間で届ける体制を目指していく。
同日に都内で開催した記者発表会(画像)では柳井会長兼社長が今後のサプライチェーン強化の見通しについて説明。国内外を含めた倉庫の自動化については今後3年~5年程度で実現できると想定しており、実現後は90%近い割合で、顧客が要望する商品を提供できる体制になるとした。