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機能性表示食品公正競争規約 日健栄協が「意見書」、各団体賛同も、「時期尚早」と反発

2019年11月18日 13:40

 健康食品産業協議会、日本通信販売協会の2団体は10月10日、機能性表示食品の「公正競争規約」策定を発表した。業界関係者の期待が高まる中、日本健康・栄養食品協会(=日健栄協)が、これに反発している。同月30日、協会は、健康食品産業協議会(以下、協議会)の橋本正史会長宛てに意見書を提出。公表の経緯の説明を求めた。

 規約策定をめぐっては、販売各社から「積極的に参加したい」「違反の線引きが明確になれば制度活用しやすい」と賛同の声があがる。

 受け皿として2団体を望む声もある。機能性表示食品制度の制度設計から関わり、運用面でも届出迅速化、広告自主基準の策定、広告規制の問題で、積極的に政府や行政に意見してきたからだ。

 2団体は、規約策定に向けた検討を広く他団体にも呼び掛ける。日本抗加齢協会理事で、規制改革推進会議委員を務める森下竜一氏は、「2団体が受け皿となるのは望ましい。全面的にバックアップする」とコメント。日本チェーンドラッグストア協会も「産業界が率先し、まとまって声をあげるのは初めてで大賛成。制度の活性化につながると期待している」と足並みが揃いつつある。

 協議会は、健食関連の7団体を団体会員として包む。複数の団体が長く乱立してきた業界の意思決定の集約、団体統合を目的としたもの。日健栄協も一会員として傘下に収める。

 だが、意見書で日健栄協は、消費者庁が機能性表示食品の広告指針を示す前であることから、策定を「時期尚早」と批判。自らが今年6月、協会の理事会で特定保健用食品の公正競争規約策定を決めた際も「将来的に機能性表示食品の規約策定を目指すとしていた」とする。

 公表経緯にも疑問を呈している。2団体連携による策定は、業界団体の連絡会の席で「唐突に報告された」とし、「他団体との連携は重要案件。協議会の理事会で議論されるべきであった」として連携が誰の判断で、どのような過程で決められたか説明を求めている。

 一方、協議会側の認識は異なる。公表に先立ち、協議会では策定の意思を理事に通達。日健栄協関係者も理事として参加するが「その段階で反論はなかった」(橋本会長)とする。

 協会は、トクホの規約策定発表の会見時、対象を機能性表示食品に広げることには、「歴史が浅く流動的。必要があれば」と話すにとどめていた。消費者庁が連携を想定する第三者機関として名乗りを上げるかにも「考えていない」としていた。だが、「意見書」からは、自らが主導したいとの思いがにじむ。

 意見書を受け、協議会と日健栄協の間では意見交換の機会がもたれた。結果について橋本会長は、「唐突な印象を持たれているがそうではない。懸念はあると思うが日健栄協も連携して検討することを皆期待している。スピーディに進めたい」とする。ただ、「参加するかはこれから」としており、協会側は態度を留保しているようだ。

 機能性表示食品制度をめぐっては、「これまで日健栄協はほとんど協力してこなかった。産業界の要望も黙視していた」(規約検討の参加団体関係者)との声も聞かれる。業界内外から賛同の声があがる中、協会の反発で足並みが乱されようとしている。意見書の趣旨や参加の意思について協会に尋ねたが、本紙掲載までに回答は得られなかった。

 
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