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同日、「送料設定に関するガイドライン」を店舗に通知した。同社では8月に横浜市で開催されたイベント「楽天オプティミズム2019」内の「楽天市場戦略共有会」において、送料無料となる全店舗統一となる購入額を公表していた。同社では発表以降、送料無料ライン設定意図の説明や、店舗の懸念解消などを目的として、全国各地でタウンミーティングを開催していたが、「遠方への配送に関する要望や意見が多かった。沖縄や離島への配送料金が本州への配送料金より高いのは事実なので、社内で再度検討した結果、変更することにした」(EC広報課)とする。
沖縄に配送する場合は2000~3000円の中継料を徴収するのが普通のため、本紙の取材でも多くの店舗から懸念の声が挙がっていた。施策発表当初は「ネット販売をメインストリームにするには必要な対応」(同)などと説明していたが、方針を転換することになった。今後のさらなる方針転換については「必要がある場合は検討するが、ユーザーに対して送料を分かりやすくすることが最大の目的なので、説明を重ねて店舗に理解してもらえるようにしたい」(同)という。
また、施策が適用されなかったり負担が軽くなったりする「抜け道」もふさぐ。遠方からの注文の場合、運賃を加味した価格設定にするなど、注文地域によって価格を変えることを禁止する。また、冷蔵・冷凍商品は対象外となるが、これまで常温で届けていた商品を冷蔵で届ける、といった行為も禁止する。ただ、違反した場合でも、ルール違反を犯した際に点数を付与し、累積点数によって罰則を課す「違反点数制度」の対象にはならないことから、店舗へのガイドライン周知を徹底する。将来の制度適用については「決まっていない」(同)としている。
新施策の導入時期に関しては、当初は来年2~3月としていたが、3月中旬となる見込み。毎年、3月上旬には大型セール「楽天スーパーセール」が開催されることから、セール終了後に「送料無料ライン統一」が全店舗に導入されるもよう。
また、29日から、楽天市場の店舗管理システム「RMS」において、「都道府県×配送方法別 月次受注件数データ」のダウンロードを可能にしている。商品価格や送料の見直しを行う際に「自店の配送実績を簡単に見られるようにしてほしい」という要望が複数の店舗からあったことから対応した。