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同社では「BASE」のほか、ウェブサービスや通販サイトにクレジットカード決済を導入できるオンライン決済サービス「PAY.JP」を手掛けている。主力事業の「BASE」は、出店料無料で簡単に通販サイトが構築できるサービスで、買い物カゴ機能と決済機能を一気通貫で提供しているのが特徴となる。初期費用や月額課金は発生しないため、決済手数料が収益源となっている。
同社の今年4~6月における流通総額(『BASE』と『PAY.JP』の合計金額)は、前年同期比83%増の167億円と急成長している。「BASE」の利用店舗数は、今年8月末時点で8万店を超えた。1ショップあたりの月間流通総額も伸びており、今年6月時点では2015年6月比でほぼ倍増となった。
今中間期(1~6月)の連結業績は、売上高が16億8700万円、営業損失は1億3500万円、経常損失は1億3500万円、当期損失は1億3600万円だった。このうち、BASE事業の売上高は13億9600万円、セグメント利益は3500万円。PAY事業の売上高は2億9000万円、セグメント損失は7400万円となった。
同日、記者会見した同社の鶴岡裕太CEO(=写真)は、初値が公開価格を下回ったことに関して「当社に対する市場からの評価として厳粛に受け止めており、今後のIR活動などを通じて、企業価値向上に取り組んでいきたい」とコメント。また、売り出しが公募増資を大幅に上回ったことに関しては「オーバーハング(いずれ大株主による売り出しが行われるという推測から、株価の上値が抑えられること)の懸念を減らすため、全てのベンチャーキャピタルに一律で70%の売り出しを依頼したから」とした。
調達する資金は、サービスの広告宣伝費、販促費などのマーケティング費用、事業拡大や新機能開発に伴う人件費、採用費などに充てる。鶴岡CEOは「ウェブマーケティング費用はコントロールできているので継続していく。一方、マスマーケティングは認知度向上を目的にテレビCMを行っているが、今後は減らす方向だ」と説明。今後の黒字化への見通しについては「今期は営業赤字だが、2020年12月期は今期と同程度のプロモーション費用であれば利益がトントンになる水準。しっかりと利益を出せるようになるのは21年12月期以降になるだろう」(原田健取締役CFO)とした。