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LINEの「LINEショッピング」 会員数3000万人を突破、新規利用拡大へ施策を強化

2019年10月10日 13:30

 LINEが展開しているアフィリエイトモデルの送客サービス「LINEショッピング」が拡大している。9月にサービスの会員数が3000万人を突破した。商品取扱高も右肩上がりに推移。現在は獲得した会員を購買につなげる施策を強化しているようだ。

 LINEショッピングは約260の通販サイトや仮想モールが参加。3000万人を超える会員はほぼ「LINE」内からの流入が占めるという。

 LINEでも「ウォレット」タブと呼ばれる多くのユーザーが閲覧する画面にLINEショッピングの流入口を設けたり、「LINE」の検索結果にLINEショッピングの商品を表示するなどの機能を盛り込んだ結果、ユーザーにリーチする手段が増えて会員数の押し上げに寄与しているもよう。

 「LINE」の月間アクティブユーザーは約8100万人。LINEとしてはまだCMやリスティングなどの広告に頼らなくても「LINE」のユーザーからLINEショッピング会員を獲得できると見込んでいる。同社O2Oカンパニーショッピングサービスチームの大枝千鶴マネージャーは「会員は鈍化することなく一定のペースで増えている」と述べる。

 とはいえ、獲得した会員のうち、実際に同サービスを経由して通販サイトで商品を購入している割合はおよそ1割程度。LINEではこの割合を増やすことに注力している。

 「LINEショッピングを使うとポイントが貯まり、いろいろなサイトの商品を一括で探せて便利だということを知らない人が多い」(大枝氏)。

 そこで新規会員向けのキャンペーンを仕掛けて、動画でサービスの内容を紹介してから特典を付与するといった試みを実施。そのほかにも簡単なクイズでサービスの理解を促し、ポイントも付与するという施策などにより、1回目の購入につなげたい考え。

 LINEショッピングでは写真や画像から商品検索ができる機能「ショッピングレンズ」を昨年から導入しているが、レコメンドでもこの機能を活用。ショッピングレンズのAI技術を使いユーザーが閲覧した商品と類似しているアイテムを推奨。参加サイトを横断して類似商品を表示するためサイト側からすると「新規ユーザーが流入する可能性が高くなる」(同)という。

 LINEショッピングは会員を増やし好調に拡大しているが、リピートユーザーが同じサイトを利用するという点が問題だという。サイトをまたいで「どうクロスユースにつなげていくかが課題」(同)。そうした課題を解消する目的でレコメンドする商品画像にサイト名をあえて記載しないなどの工夫をしている。

商品データの更新を頻繁に

 LINEショッピングの今後の強化策として「LINE」を通じたユーザー向けのプッシュ配信も強化する。ユーザーがいつも見ている商品や気に入ったアイテムが値下げすれば自動的に通知するという個別の接客サービス来年前半にも開始する。

 これに関連して、現在は1日1回行っている商品データの更新頻度を高める。参加サイトから画像や商品情報を提供してもらい、数時間単位で最新のデータを読み込む。これにより「タイムセールやキャンペーン、限定商品などのプッシュ通知が可能になる」(同)とのことで、来年の6月をメドに開始する計画。

 また、実店舗向けの集客サービス「ショッピングゴー」との連携も進める。年内にもLINEショッピング内の商品ページに位置情報をもとに近くで購入できる実店舗の位置を表示。来年からは店舗の在庫も確認できるようにしていく方針だ。

 
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