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ニュースの断層、JADMA、「健康生活」入会に水際で"待った"

2010年 7月11日 20:13

地道な調査が結実

日本通信販売協会(JADMA=事務局・東京都中央区、宮島和美会長)の地道な調査が悪質業者入会を水際で防いでいた。入会保留を受けたのは薬事法違反で摘発を受けた東京総合販売の関連会社「健康生活」。JADMAでは、2008年末頃から東京総合販売周辺を探っており、島田則康容疑者を実質的オーナーとする法人が20超に上ることを把握していた。

 健康生活(本社・熊本県甲佐町)は昨年9月に入会を申請。JADMAでは、倫理委員会における入会審査の前に事務局が予備審査を行うが、代表者である中川敏容疑者(東京都江東区)と会社所在地があまりに離れていることから「感覚的におかしなものを感じていた」(万場徹事務局長)という。最終的に誇大な広告表現を理由に入会を保留。今回の摘発に至った。

 同社は、神奈川県警の調べによって、島田容疑者が上場をめざし設立したことが判明している。信用力を得るために入会を希望し、そのため他の関連会社と離れた土地に法人を登記して別会社を装っていたとみられるが、その点を感覚的とはいえ捉えていたことは慧眼といえるだろう。

 そもそも東京総合販売を調べるきっかけになったのは08年末、一定期間に「商品の交換に応じてくれない」など同じパターンの相談が相次いだためだ。集約すると、社名は異なるものの(1)本社所在地が東京都豊島区周辺、(2)いずれも関連会社の一つ「ロジコム」という物流会社を使っていることが分かった。

 その後、周辺の物流会社への聞き込みやネットの書き込みを参考に調べる中で、島田容疑者の会社が過去に公正取引委員会の排除命令や、脱税の疑いで東京地検に告発されていたことを確認。昨年9月には、複数の関連会社が埼玉県に特定商取引法違反で業務停止命令も受けていた。

 JADMAは過去、サンヘルスやテレビショッピング研究所など正会員が薬事法違反で摘発されたこともある。今回、健康生活の入会を許せば、業界外に3例目となる汚点を晒すことになっていた。万場事務局長は、「経験や感覚的な部分に頼る面が多く、紙一重」としており、未然防止は困難な面もある。だが通販業界を代表する団体としての地位を確かなものとするため、今後もJADMAのファインプレーに期待したい。

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