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メンズコスメ市場規模1077億円<富士経済調べ> 09年、通販は114億円で246%増

2010年 7月 1日 19:25

 不況下でも通販チャネルを中心に市場規模拡大。富士経済(本社・東京都中央区、阿部界社長)は6月16日、メンズコスメティックス5品目についての国内市場調査結果を発表した。それによると、2009年の同市場規模は1077億円で前年比3・5%増、フェイスケアやメンズシャンプー・リンスの好調が市場の拡大をけん引した。そのうち通販チャネルは114億円で同246・5%の増加。「ヘアメディアカル薬用スカルプD」などの通販商品が人気を集めたほか、女性のスカルプケア需要の増加もあり前年比で大幅な伸びを示す結果となり、市場占有率も10・6%となった。

 調査は、メンズシャンプー・リンス、メンズスタイリング剤、スカルプケア、シェービング化粧料、メンズフェイスケアの5商品で実施。中でもスカルプケアとメンズスタイリング剤の占有率が大きく、それぞれ全体の30%以上を占めている。

 市場占有率34・6%のスカルプケアは、大半を占める男性用が低迷する中で女性の需要が増加。富士産業が女性をターゲットに展開する通販商品「リリィジュ」などが実績を伸ばした。

 一方、市場全体の33・7%を占めるメンズスタイリング剤は、主流のワックスに代わる新しい整髪料として、資生堂フィティットがスプレータイプのローション「ウーノ フォグバー」を発売。新奇性と広告訴求などにより話題を集めヒット商品となった。しかし、流行のヘアスタイルに大きな変化がないことや低価格志向などの影響で全体では同2・4%減と前年割れになった。

 メンズコスメ市場の中で通販がけん引する商品について、調査結果ではメンズシャンプー・リンスを挙げる。

 同市場は長らく低迷が続いていたが08年に通販をメーンとするアンファーの「ヘアメディアカル薬用スカルプD」が積極的な広告展開で大幅に実績を拡大。08年の同市場は前年比10%以上の成長となった。

 09年も「ヘアメディアカル薬用スカルプD」が、抜け毛予防の新成分配合などのリニューアルを行い、さらに実績を伸ばした。加えて、サンスターの「サンスタートニック」やツムラライフサイエンスの「モウガ」、マンダムの「ギャツビー」など各社が潜在需要の掘り起こしを行った結果、09年の同市場は同31・6%増の100億円に拡大した。

 通販で見ると「ヘアメディアカル薬用スカルプD」を筆頭に通販ブランドが実績を伸ばしたことで、同市場の40%以上を占有、ドラッグストアを抜いてトップに躍り出た。

 10年のメンズコスメ市場についてはスカルプケアやメンズシャンプー・リンスが男性だけでなく女性の頭皮ケア需要を獲得していることや、メンズフェイスケアで洗顔料やフェイシャルシートの使用が定着してきていることなどから、同0・9%増の1087億円を見込み、今後も年率1%前後の成長を予測している。通販チャネルも同42・8%増の163億円を見込んでいる。

 調査結果によると、10年のメンズシャンプー・リンス市場は引き続き「ヘアメディアカル薬用スカルプD」がけん引し、前年比15%増の115億円、通販チャネルの市場占有率も50%を越えると予測。育毛効果に対する潜在需要は多く体感効果が高ければ高価格帯商品でも継続使用につながることから、調査結果では「今後も通販チャネルを中心に市場の拡大が予測される」としている
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