楽天は5月16日と17日の2日間、都内で地方自治体向けの勉強会を開催した。全国の自治体から担当者が出席し、2日間で169名が参加した。
2日目には「結果を出す自治体経営~ヒトもマチも「気」が大事!~」と題し、宮崎県都城市の池田宜永市長(=
写真)が講演。人材育成や組織活性化、政策推進といった3つの要素から、自治体経営に関する池田市長の理念を紹介。その上で具体的な施策の一例として、ふるさと納税に関する取り組みを説明した。
2015年度と16年度に寄付額が全国1位となった同市だが、08年度~13年度の年間平均寄付額はわずか500万円。それが14年度は5億円、15年度は42億円と急成長し、18年度は95億円の寄付を集めるまでとなっている。
池田市長が就任した当初の同市のふるさと納税制度は「寄付してくれた人の中から抽選で5名に都城市の特産品をプレゼント」といったもので、寄付者は少なかった。しかし、同市の知名度不足に悩んでいた池田市長は「対外的に都城市をPRしたい」という考えから、制度を全面的に見直し。返礼品を地元の名産品である「肉と焼酎」の2つに特化することで、寄付額が急増した。
池田市長は「寄付金を集めようと思って制度を変えたわけではない。(返礼品という形で)都城市の肉や焼酎を全国に届けることで、普段買い物をする際にも都城市や宮崎県の食品を買うようになってほしいという思いで始めた」と明かす。寄付額が日本一になってからは、マスメディアで取り上げられる機会が増え、都城市のPRという目的が達成できただけでなく、地場産業の活性化や収入の増加、職員の意識改革につながったという。
◇
池田市長は講演終了後、報道陣の取材に応じ、今年2月に締結した楽天との包括連携協定の成果などについて説明した。同市では、楽天の仮想モール「楽天市場」内に都城市の公式オンラインショップ「極上!みやこのじょう!」を3月にグランドオープンしている。運営は、同モールの人気ショップ「タマチャンショップ」を手掛ける九南サービスに委託している。
――なぜこういった形でショップを開設したのか。
「市の通販サイトはあったものの、開店休業状態だった。タマチャンショップは都城市の会社が運営しているだけではなく、楽天市場でも上位店舗。やはり専門家に任せて、一から作り直してもらいたいと考えた」
――収益の分配は。
「都城市は看板を貸す形であり、基本的には運営会社側で完結している。ただ、ショップが軌道に乗るための広告関連費用などは市が支援している。ショップが盛り上がると市に実入りがあるということではなく、ショップを通じて市や特産品を知ってもらい、地域が活性化すればいい」
――成果は。
「今までとは全く違うレベルのサイトになっており、見やすさや、情報の入手しやすさは大きく改善された。ただ、当初想定していたほどの売り上げは達成できていないので、改善を進めている。スタートするにあたり、そこまで広く業者を募ったわけではないので、品揃えがまだまだ足りていない。今後改善されていくと思う」
――ふるさと納税寄付者へのアピールは。
「寄付者にオンラインショップで買い物してもらうための取り組みを試験的に行っており、寄付者へのメールマガジンを発行し、ショップで使えるクーポンを配るなどの取り組みを実施し、効果を検証している。ふるさと納税に比べるとハードルが少し高いのは事実だが、都城市に関心がある人たちなので、きっかけづくりが重要だと思っている」
――昨年度の寄付件数は約65万件とのことだが、今後どういったアプローチをかける。
「これまでと路線を変えることなく、都城市の肉と焼酎を知ってもらうための取り組みを続ける。オンラインショップで買い物をしてもらうことはもちろん、観光や移住などにどれだけつなげられるかを考えたい」
――今年6月からふるさと納税の制度が変わる。
「今のままでは収拾がつかなくなる可能性もあったので、制度変更自体は良いことだと思う。皆が同じ土俵の上で切磋琢磨し、制度が安定的に動くことが重要」
2日目には「結果を出す自治体経営~ヒトもマチも「気」が大事!~」と題し、宮崎県都城市の池田宜永市長(=写真)が講演。人材育成や組織活性化、政策推進といった3つの要素から、自治体経営に関する池田市長の理念を紹介。その上で具体的な施策の一例として、ふるさと納税に関する取り組みを説明した。
2015年度と16年度に寄付額が全国1位となった同市だが、08年度~13年度の年間平均寄付額はわずか500万円。それが14年度は5億円、15年度は42億円と急成長し、18年度は95億円の寄付を集めるまでとなっている。
池田市長が就任した当初の同市のふるさと納税制度は「寄付してくれた人の中から抽選で5名に都城市の特産品をプレゼント」といったもので、寄付者は少なかった。しかし、同市の知名度不足に悩んでいた池田市長は「対外的に都城市をPRしたい」という考えから、制度を全面的に見直し。返礼品を地元の名産品である「肉と焼酎」の2つに特化することで、寄付額が急増した。
池田市長は「寄付金を集めようと思って制度を変えたわけではない。(返礼品という形で)都城市の肉や焼酎を全国に届けることで、普段買い物をする際にも都城市や宮崎県の食品を買うようになってほしいという思いで始めた」と明かす。寄付額が日本一になってからは、マスメディアで取り上げられる機会が増え、都城市のPRという目的が達成できただけでなく、地場産業の活性化や収入の増加、職員の意識改革につながったという。
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池田市長は講演終了後、報道陣の取材に応じ、今年2月に締結した楽天との包括連携協定の成果などについて説明した。同市では、楽天の仮想モール「楽天市場」内に都城市の公式オンラインショップ「極上!みやこのじょう!」を3月にグランドオープンしている。運営は、同モールの人気ショップ「タマチャンショップ」を手掛ける九南サービスに委託している。
――なぜこういった形でショップを開設したのか。
「市の通販サイトはあったものの、開店休業状態だった。タマチャンショップは都城市の会社が運営しているだけではなく、楽天市場でも上位店舗。やはり専門家に任せて、一から作り直してもらいたいと考えた」
――収益の分配は。
「都城市は看板を貸す形であり、基本的には運営会社側で完結している。ただ、ショップが軌道に乗るための広告関連費用などは市が支援している。ショップが盛り上がると市に実入りがあるということではなく、ショップを通じて市や特産品を知ってもらい、地域が活性化すればいい」
――成果は。
「今までとは全く違うレベルのサイトになっており、見やすさや、情報の入手しやすさは大きく改善された。ただ、当初想定していたほどの売り上げは達成できていないので、改善を進めている。スタートするにあたり、そこまで広く業者を募ったわけではないので、品揃えがまだまだ足りていない。今後改善されていくと思う」
――ふるさと納税寄付者へのアピールは。
「寄付者にオンラインショップで買い物してもらうための取り組みを試験的に行っており、寄付者へのメールマガジンを発行し、ショップで使えるクーポンを配るなどの取り組みを実施し、効果を検証している。ふるさと納税に比べるとハードルが少し高いのは事実だが、都城市に関心がある人たちなので、きっかけづくりが重要だと思っている」
――昨年度の寄付件数は約65万件とのことだが、今後どういったアプローチをかける。
「これまでと路線を変えることなく、都城市の肉と焼酎を知ってもらうための取り組みを続ける。オンラインショップで買い物をしてもらうことはもちろん、観光や移住などにどれだけつなげられるかを考えたい」
――今年6月からふるさと納税の制度が変わる。
「今のままでは収拾がつかなくなる可能性もあったので、制度変更自体は良いことだと思う。皆が同じ土俵の上で切磋琢磨し、制度が安定的に動くことが重要」