楽天とビックカメラは、物流網の相互活用を進める。「楽天市場」に出店する店舗の商品をビックの物流網で配送したり、ビックが扱う小型商品を楽天の物流網で配送したりできるようにする。楽天では現在、楽天市場出店者向けに、同社独自の配送ネットワークを構築しており、ビックとの協業で展開を加速したい考えだ。
楽天では自社配送サービス「楽天エクスプレス」を展開しており、直販子会社の楽天ダイレクトの荷物や、楽天の書籍通販「楽天ブックス」の商品、さらには仮想モール「楽天市場」出店者の物流業務を請け負う「楽天スーパーロジスティクス」の一部荷物を対象に、首都圏を中心にサービスを提供している。一方、ビックでも楽天と共同運営する家電の通販サイト「楽天ビック」で自社配送を手掛けている。今年後半にも、配送キャリアの相互乗り入れを始めたい考え。楽天の矢澤俊介執行役員マーケットプレイス事業ヴァイスプレジデント(=
写真(上))は「将来的には、楽天市場の店舗が販売する大型家具などを、ビックの配送網で扱えるようにしていきたい」と説明する。
両社では昨年4月に楽天ビックを開始した。楽天市場における家電・PCジャンルの2018年流通額は、前年比14・6%増と成長しており、中でも楽天ビックは同約70%増(17年における「ビックカメラ楽天市場店」流通額との比較)と好調で、同ジャンルをけん引した。首都圏での注文当日配送やビック実店舗での在庫取り置きサービス、設置工事を伴う大型家電の注文フロー改修など、「大きく機能改善できた楽天ビックの貢献が大きい」(楽天の矢澤執行役員)という。
また、楽天ビックから店頭への送客を図るポイントバックキャンペーンを実施し、高額商品の実物確認や日用品のついで買いといったニーズが顕在化した。さらに、ビック店舗で楽天の共通ポイントサービス「楽天ポイントカード」も使えるようにした。ビックは30~40代を中心とした男性ユーザーの比率が高いが、楽天ポイントカードを提示するユーザーは女性比率が半数を超えており、ビックの秋保徹取締役常務執行役員EC本部長(=
写真(下))は「いかに女性を取り込んでいくかが当社の大きな課題だが、期待通りに送客できた。ビックの中心顧客よりも若い20代以下の女性も目立っており、驚くべき成果だ」と手応えを口にする。自社通販サイトとのユーザーの重複については「あまり重なっていないと思っており、当初の思惑通り新しい顧客を取り込むことに成功している」とする。
今後は、利用規約に同意したユーザーを対象に、ビック店舗の購買情報と楽天ビックの購買情報を共有することでアフターサービスを強化する。具体的には、楽天ビックの購入履歴にビック店舗で買った商品が表示されるようになり、ネット上から商品修理や相談を申し込めるようになる。また、実店舗において、情報共有に同意したユーザーや楽天会員限定のポイントアップキャンペーンを実施し、オンラインとオフラインのさらなる連携を図る。
さらに、楽天市場のビッグデータやトレンド情報を活用した、楽天ビックのオリジナル商品も開発する。具体的には、IoT家電やプログラミング教育に特化した子供用パソコンなどを計画している。
ビックでは楽天市場において、子会社のコジマやソフマップも出店している。今後については「ソフマップは中古や情報家電に強く、コジマは白物家電に強みがあり、楽天ビックが一人勝ちしているわけではない。それぞれの店舗に顧客がついているので、現時点ではこのまま運営していきたいと考えている」(ビックの秋保取締役)という。
楽天では現在、ネットから実店舗への送客支援に関して、ビックのほかにはアルペンとも同様の取り組みを行うことを公表している。今後、同様の取り組みを他社と実施するかに関しては「まだ何も決まっていない」(楽天の矢澤執行役員)とする。
楽天では自社配送サービス「楽天エクスプレス」を展開しており、直販子会社の楽天ダイレクトの荷物や、楽天の書籍通販「楽天ブックス」の商品、さらには仮想モール「楽天市場」出店者の物流業務を請け負う「楽天スーパーロジスティクス」の一部荷物を対象に、首都圏を中心にサービスを提供している。一方、ビックでも楽天と共同運営する家電の通販サイト「楽天ビック」で自社配送を手掛けている。今年後半にも、配送キャリアの相互乗り入れを始めたい考え。楽天の矢澤俊介執行役員マーケットプレイス事業ヴァイスプレジデント(=写真(上))は「将来的には、楽天市場の店舗が販売する大型家具などを、ビックの配送網で扱えるようにしていきたい」と説明する。
両社では昨年4月に楽天ビックを開始した。楽天市場における家電・PCジャンルの2018年流通額は、前年比14・6%増と成長しており、中でも楽天ビックは同約70%増(17年における「ビックカメラ楽天市場店」流通額との比較)と好調で、同ジャンルをけん引した。首都圏での注文当日配送やビック実店舗での在庫取り置きサービス、設置工事を伴う大型家電の注文フロー改修など、「大きく機能改善できた楽天ビックの貢献が大きい」(楽天の矢澤執行役員)という。
また、楽天ビックから店頭への送客を図るポイントバックキャンペーンを実施し、高額商品の実物確認や日用品のついで買いといったニーズが顕在化した。さらに、ビック店舗で楽天の共通ポイントサービス「楽天ポイントカード」も使えるようにした。ビックは30~40代を中心とした男性ユーザーの比率が高いが、楽天ポイントカードを提示するユーザーは女性比率が半数を超えており、ビックの秋保徹取締役常務執行役員EC本部長(=写真(下))は「いかに女性を取り込んでいくかが当社の大きな課題だが、期待通りに送客できた。ビックの中心顧客よりも若い20代以下の女性も目立っており、驚くべき成果だ」と手応えを口にする。自社通販サイトとのユーザーの重複については「あまり重なっていないと思っており、当初の思惑通り新しい顧客を取り込むことに成功している」とする。
今後は、利用規約に同意したユーザーを対象に、ビック店舗の購買情報と楽天ビックの購買情報を共有することでアフターサービスを強化する。具体的には、楽天ビックの購入履歴にビック店舗で買った商品が表示されるようになり、ネット上から商品修理や相談を申し込めるようになる。また、実店舗において、情報共有に同意したユーザーや楽天会員限定のポイントアップキャンペーンを実施し、オンラインとオフラインのさらなる連携を図る。
さらに、楽天市場のビッグデータやトレンド情報を活用した、楽天ビックのオリジナル商品も開発する。具体的には、IoT家電やプログラミング教育に特化した子供用パソコンなどを計画している。
ビックでは楽天市場において、子会社のコジマやソフマップも出店している。今後については「ソフマップは中古や情報家電に強く、コジマは白物家電に強みがあり、楽天ビックが一人勝ちしているわけではない。それぞれの店舗に顧客がついているので、現時点ではこのまま運営していきたいと考えている」(ビックの秋保取締役)という。
楽天では現在、ネットから実店舗への送客支援に関して、ビックのほかにはアルペンとも同様の取り組みを行うことを公表している。今後、同様の取り組みを他社と実施するかに関しては「まだ何も決まっていない」(楽天の矢澤執行役員)とする。