通販企業を含む小売り事業者にとって永遠の課題の1つが「商品作り」だ。顧客の心を掴む優れた商品を開発、または仕入れることができるか否かが小売り事業者にとって生命線となる。商品作りの手法は各社によって異なるが、あの手この手で「売れる商品」を生み出そうと模索を続けている。通販企業各社の注目すべき「売れる商品の作り方」を見ていく。
人気ユーチューバーとのコラボ包丁が売れ行き好調
買えるAbemaTV社
大手ネット広告代理店、サイバーエージェントの通販子会社でネットテレビ局「Abema(アベマ)TV」で通販番組「買えるバトルクラブ」などを配信する買えるAbemaTV社では動画共有サイトで独自に制作した動画を継続的に公開する、いわゆる「ユーチューバー」と組んで開発したオリジナル商品の売れ行きが好調に伸びている。
第一弾として昨年12月20日に販売を開始した「きまぐれクックオリジナル包丁」(税込8940円)は調理動画などを配信する人気ユーチューバーの「きまぐれクック」とコラボレーションした包丁だ。
187万人のフォロワーを持ち、料理好きの女性のほか、動画で見せる見事な包丁さばきなどから子供のフォロワーも多いなど幅広いファンを持つ「きまぐれクック」の発信力や信用力をネット販売に活用できないかと買えるAbemaTV社側がオリジナル商品の制作を打診。
様々な調理器具の候補から、「きまぐれクック」が切れ味のよさなどからすでに愛用していた刃物の名産地、岐阜・関市の熟練の職人が手作業で製造する包丁のメーカーと組んで商品化したもので、同メーカーの包丁の特徴である刃部にモリブデンバナジウムステンレス刃物銅を採用し、抜群の切れ味と手入れが簡単という特徴はそのままに、柄部分に「きまぐれクック」のオリジナルロゴを入れるなどした「きまぐれクックモデル」の包丁となる。
昨年12月20日に「きまぐれクック」のユーチューブページに公開した16分38秒の動画「市場で好きな魚だけ買ってしゃぶしゃぶをした動画が話題。」の中で紹介。
当該動画では魚をさばく際に「きまぐれクックオリジナル包丁」を使用しつつも調理中は特にオリジナル包丁のことには触れず、大半は通常の動画通り調理する様子を撮影した内容だが、後半の約3分で包丁のPRを行い、愛用の包丁のメーカーとコラボ包丁を作ることになったいきさつや最先端のコンピューター技術と職人技を駆使して作られたこと、特殊なコーティング加工で汚れやサビに強いなどの特徴を説明した上で、「せっかくなのでかるく試し切りをしていきましょう」とトマトや大根がスパッと切れる様子やアボカドを種ごと輪切りにして「とてつもない切れ味でしたね!」と感想を述べつつ、「こちらの包丁は形も大きすぎず小さすぎずで、いろんな料理に使えると思いますので、今から料理始めるよとか、どういう包丁が良いかわからないなど料理初心者の方にもおすすめです」と紹介。動画下には購入導線として、買えるAbemaTV社の通販サイト内の「きまぐれクックオリジナル包丁」の販売ページへのリンクを掲載した。
販売開始直後から受注が伸び、すぐに準備していた在庫分が完売。好評につき、現在、再販を開始したが「予想通りの売れ行き」(同社)をみせているようだ。
好調な売れ行きの要因について同社では、まず商品自体が「きまぐれクック」がもともと使用し、切れ味などを評価していた包丁のメーカーと一緒に作ったという”やらせ”ではない優れた商品であることに加えて、紹介する動画ではトマトの薄切りやアボカドの輪切りなど”絵映え”する訴求ができたこと。
さらに商品紹介を前面に出さず、あくまで「いつもの調理動画」のおまけとして紹介するにとどめたことなどで、「きまぐれクック」を支持する多くのフォロワーはいつも通り、動画を見ながら当該包丁を良さを認識して購入に至るという流れを自然に作ることができたのでは、と分析しているようだ。
同社では「きまぐれクック」との商品開発を第一弾として、3月21日からは自ら調理した料理をビールなどのお酒と一緒に大食いする「大食いユーチューバー」として人気の「谷やん」とコラボした缶ビールなどを冷やすことができるボトルクーラー「谷やんプロデュースオリジナルボトルクーラー」(税込4320円)を発売するなど今後も人気ユーチューバーとのコラボ商品の展開を進めていきたい考え。
ユーチューバー側も動画配信による広告収入以外の収入源の1つとして、物販に興味を持つことも多く、フォロワーの多さを生かして実際に複数のユーチューバーがオリジナルグッズを作成し、ネット販売を行っているが、商品化されるものはロゴ入りTシャツなどファングッズの域を出ない場合が多いよう。それは今回の包丁などの専門性のある商品を扱うには目利き力はもちろん、開発ノウハウやデザイン力などが物販の専門知識が必要となるためだ。
買えるAbemaTV社では「きまぐれクック」のような特定のジャンルで一定のファンを持つユーチューバーにアプローチし、オリジナル商品の開発を支援することで、ユーチューバーの収益源確保に貢献しつつ、販売時にはユーチューバーの強い発信力を活用して、多くのファン、フォロワーにリーチできる自らのチャンネルで配信する動画で広く商品を告知してもらうことで、効率的な販促や新規顧客の獲得につなげていきたい考えのようだ。
人気ユーチューバーとのコラボ包丁が売れ行き好調
買えるAbemaTV社
大手ネット広告代理店、サイバーエージェントの通販子会社でネットテレビ局「Abema(アベマ)TV」で通販番組「買えるバトルクラブ」などを配信する買えるAbemaTV社では動画共有サイトで独自に制作した動画を継続的に公開する、いわゆる「ユーチューバー」と組んで開発したオリジナル商品の売れ行きが好調に伸びている。
第一弾として昨年12月20日に販売を開始した「きまぐれクックオリジナル包丁」(税込8940円)は調理動画などを配信する人気ユーチューバーの「きまぐれクック」とコラボレーションした包丁だ。
187万人のフォロワーを持ち、料理好きの女性のほか、動画で見せる見事な包丁さばきなどから子供のフォロワーも多いなど幅広いファンを持つ「きまぐれクック」の発信力や信用力をネット販売に活用できないかと買えるAbemaTV社側がオリジナル商品の制作を打診。
様々な調理器具の候補から、「きまぐれクック」が切れ味のよさなどからすでに愛用していた刃物の名産地、岐阜・関市の熟練の職人が手作業で製造する包丁のメーカーと組んで商品化したもので、同メーカーの包丁の特徴である刃部にモリブデンバナジウムステンレス刃物銅を採用し、抜群の切れ味と手入れが簡単という特徴はそのままに、柄部分に「きまぐれクック」のオリジナルロゴを入れるなどした「きまぐれクックモデル」の包丁となる。
昨年12月20日に「きまぐれクック」のユーチューブページに公開した16分38秒の動画「市場で好きな魚だけ買ってしゃぶしゃぶをした動画が話題。」の中で紹介。
当該動画では魚をさばく際に「きまぐれクックオリジナル包丁」を使用しつつも調理中は特にオリジナル包丁のことには触れず、大半は通常の動画通り調理する様子を撮影した内容だが、後半の約3分で包丁のPRを行い、愛用の包丁のメーカーとコラボ包丁を作ることになったいきさつや最先端のコンピューター技術と職人技を駆使して作られたこと、特殊なコーティング加工で汚れやサビに強いなどの特徴を説明した上で、「せっかくなのでかるく試し切りをしていきましょう」とトマトや大根がスパッと切れる様子やアボカドを種ごと輪切りにして「とてつもない切れ味でしたね!」と感想を述べつつ、「こちらの包丁は形も大きすぎず小さすぎずで、いろんな料理に使えると思いますので、今から料理始めるよとか、どういう包丁が良いかわからないなど料理初心者の方にもおすすめです」と紹介。動画下には購入導線として、買えるAbemaTV社の通販サイト内の「きまぐれクックオリジナル包丁」の販売ページへのリンクを掲載した。
販売開始直後から受注が伸び、すぐに準備していた在庫分が完売。好評につき、現在、再販を開始したが「予想通りの売れ行き」(同社)をみせているようだ。
好調な売れ行きの要因について同社では、まず商品自体が「きまぐれクック」がもともと使用し、切れ味などを評価していた包丁のメーカーと一緒に作ったという”やらせ”ではない優れた商品であることに加えて、紹介する動画ではトマトの薄切りやアボカドの輪切りなど”絵映え”する訴求ができたこと。
さらに商品紹介を前面に出さず、あくまで「いつもの調理動画」のおまけとして紹介するにとどめたことなどで、「きまぐれクック」を支持する多くのフォロワーはいつも通り、動画を見ながら当該包丁を良さを認識して購入に至るという流れを自然に作ることができたのでは、と分析しているようだ。
同社では「きまぐれクック」との商品開発を第一弾として、3月21日からは自ら調理した料理をビールなどのお酒と一緒に大食いする「大食いユーチューバー」として人気の「谷やん」とコラボした缶ビールなどを冷やすことができるボトルクーラー「谷やんプロデュースオリジナルボトルクーラー」(税込4320円)を発売するなど今後も人気ユーチューバーとのコラボ商品の展開を進めていきたい考え。
ユーチューバー側も動画配信による広告収入以外の収入源の1つとして、物販に興味を持つことも多く、フォロワーの多さを生かして実際に複数のユーチューバーがオリジナルグッズを作成し、ネット販売を行っているが、商品化されるものはロゴ入りTシャツなどファングッズの域を出ない場合が多いよう。それは今回の包丁などの専門性のある商品を扱うには目利き力はもちろん、開発ノウハウやデザイン力などが物販の専門知識が必要となるためだ。
買えるAbemaTV社では「きまぐれクック」のような特定のジャンルで一定のファンを持つユーチューバーにアプローチし、オリジナル商品の開発を支援することで、ユーチューバーの収益源確保に貢献しつつ、販売時にはユーチューバーの強い発信力を活用して、多くのファン、フォロワーにリーチできる自らのチャンネルで配信する動画で広く商品を告知してもらうことで、効率的な販促や新規顧客の獲得につなげていきたい考えのようだ。