【揺れる景表法① 表現の自由との相克】 「三権」で問題指摘の異常事態、「恣意的運用」と各所で火の手
2019年 4月 4日 14:10
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「表現の自由」侵害を主張
「集会、結社及び、言論、出版その他一切の表現の自由は、これを保証する」。日本国憲法第21条が規定する表現の自由だ。実はこれに先立つ大日本帝国憲法にも同様の規定があった。しかし「法律の範囲内において」という留保があり、制約を受けていた。それが治安維持法などの暴走につながり、表現や言論は封殺、統制され、軍部独裁へ。この反省から日本国憲法の表現の自由は、例外を設けない建てつけとなっている。それだけ重要な基本的権利なのだ。
「表現の自由」に反する。昨年8月、サプリメントの表示について、景表法の「優良誤認」で措置命令を受けた、だいにち堂は処分の取り消しを求め消費者庁を提訴した。だいにち堂は法廷で、現在の景表法運用は消費者庁による日本国憲法の「侵害」であり、企業の正当な表現行為を著しく制約するものと主張する。
措置命令に不服を申し立てるケースはまれで、現在、本紙で確認できた係争中の案件は、だいにち堂のほかアマゾンジャパンのみ。不服申し立てや訴訟に伴うコストや労力負担、さらなる処分への不安で泣き寝入りするケースもある。中小企業であるほどその傾向は強くなる。
そのため、景表法の運用の是非については、処分件数に比して、司法判断の判例が極端に少ないのが実態だ。その意味で真っ向から「表現の自由」を掲げた、だいにち堂の行政訴訟の行方は注目だ。
「だいにち堂の措置命令書を読んだが『ボンヤリ・にごった感じの症状を改善する効果』など、意味不明な事実認定があり、消費者庁には苦しい部分もある」。ある関係者はこう話す。
「運用が恣意的」規制改革委で指摘
司法の場に加え、行政機関でも問題が指摘されている。昨年11月には政府の規制改革推進会議で、景表法の運用が俎上にあがった。機能性表示食品に対する景表法による処分をめぐり、委員を務める森下竜一大阪大学大学院教授が「予見可能性が低く恣意的」と強く批判。広告指針を示すことを求めた。
ヒアリングでも日本通信販売協会が「処分が広告全体から総合的に判断され、個別案件で判断が異なる」「処分に際し根拠資料の内容が公表されないため予見可能性が低い」と指摘。健康食品産業協議会も「取締りの境界線が不明確で予見できず、事業者の萎縮を招く」と訴えた。
実は業界団体が、景表法に異を唱えるのも異例中の異例だ。取締り権限を持つ消費者庁に注文をつけることで、行政の恨みと敵意を買い、傘下の会員が狙い打ちされる可能性があるからだ。今回、そうしたリスクを負ってまで、公の場で物申したことは「表現の自由」への危機感の表れでもあろう。
課徴金命令取消し妥当
実際、行き過ぎた事例が現出している。17年1月、消費者庁から車の燃費に関する表示の優良誤認で措置命令と課徴金命令を受けた日産自動車は、これを不服として審査請求。昨年12月、総務省に設置された行政不服審査会は、答申で課徴金命令だけなく、措置命令に対しても「取り消しが妥当」と結論づけた。直後に行われた長官会見で、消費者庁の岡村和美長官は、都合5回に渡り「もともと法的評価は分かれ得るもの」との説明を繰り返した。今後の法運用は「今まで通り慎重に判断したい」としたが、日産に対する謝罪はなかった。
「自由な広告表現の萎縮招く」
立法府でも疑問の声があがる。今年3月に、立憲民主党の岡島一正議員が政府に対し、景表法の運用に対する「質問主意書」を提出。その中で、最近の法運用に「自由な経済活動、広告表現の萎縮を招く」と懸念を表明した。
とくに問題視したのは、景表法における広告の「全体印象」からの判断。「処分を受ける危険がある事業者の行為規範となる目安を提示しておらず、こうした抽象的判断は恣意性の排除も困難」と指摘している。
見逃せないのは、リベラル色が強く、消費者寄りとされる立憲民主党議員からさえ、その運用に対して疑問が呈されたことだ。
消費者庁はこれに「不実証広告規制の運用指針も明らかにしており、『広告表現を全面禁止されるに等しい萎縮効果が生じる』との指摘は当たらない」と回答。岡島事務所は「恣意的運用との疑念がつきまとうもの。答弁の内容を精査し、今後の対応を検討したい」(事務所関係者)とさらなる追求の構えを見せている。
◇
言うまでもないが、消費者を欺き、経済的な被害を生み出す虚偽誇大広告を取り締まる必要はある。その意味で景表法の運用は、消費者を守るために必要なものであり、消費者庁の重要な任務だ。
ただし、それが行き過ぎれば、憲法に保証され、社会を支える基盤である「表現の自由」を危うくしかねない。そこにこの問題の本質がある。(つづく)