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ロコンド EC購入品の受取拠点整備へ

2019年 4月 4日 13:50

 靴とファッションのネット販売を手がけるロコンドは、通販サイト「ロコンド」で7月をメドに購入商品の受け取りや試着、返品を店頭で行えるサービスを始めるのに伴い、「ロコンド」出店ブランドの実店舗を受け取り拠点として活用するためにシステム整備を進める。競争が激しいファッションEC市場において競合モールとの違いを打ち出す。

 当初は、中小靴メーカーの店頭の一角や、セレクトショップの靴売り場を利用して「ロコンド」の取り扱い商品を販売したり、EC購入商品の受け取り拠点として活用するフランチャイズ店の計画を進めていた。ただ、取引先ブランドからはフランチャイズ店よりも自社店舗に来店してもらいたいという要請が強く、フランチャイズ店の開拓を進めるのと同時に、「ロコンド」出店ブランドの店舗でも購入商品を受け取れるようにする。

 ブランドにとっては「ロコンド」ユーザーが来店することで、買い回りの促進や店舗での顧客化も期待できる。ロコンドも出店ブランドの複数店舗を一気に受け取り拠点として広げることができるほか、試着室のあるアパレル店舗であれば靴だけでなく衣料品も対象にできる。また、同サービスを通じて出店ブランドの充実やファッション商材を含めた品ぞろえの強化につながる。

 加えて、消費者の声として「返品自体が面倒で購入を躊躇することがある」という意見が一定数あることから、試着・返品ができる対象店舗を一気に広げることで利便性を高めるとともに、購入を後押しする。

 現在、関連するシステム開発を進めており、フランチャイズ店を対象にした受け取りサービスの開始が7月、同社が運営受託するブランド自社ECに店舗受け取り機能を実装するのが8月、「ロコンド」出店ブランドでの店舗受け取り開始が9月頃を計画する。

 フランチャイズ店については、ロコンドがメーカーなどから月額10万円のフランチャイズ費用を受け取る一方、同社は自社開発の店舗運営システムを提供し、ロコンドコーナーの売り上げの25%を販売手数料として支払うほか、ロコンド顧客が店舗受け取り拠点として利用し、売れた場合は5%を支払う。

 「ロコンド」出店ブランドが自社店舗を受け取り拠点として登録する場合はロコンドがシステム使用料として月額5万円~10万円程度を徴収する方向で検討している。

 同社では、2020年中にフランチャイズ店100店、出店ブランドを対象にした受け取り可能店舗1000店を目指すことで、「ほとんどのユーザーが生活圏の中で同サービスを利用できるようにしたい」(田中裕輔社長)とする。

 運用面では、「ロコンド」ユーザーが実店舗受け取りサービスを利用するごとに商品をフランチャイズ店やブランド店頭に商品を送るとコスト負担が増すため、1週間に1~2回、まとめて配送する予定だ。また、ロコンドがブランドの店舗在庫も預かっているケースでは店舗向け配送に同梱しコストを抑えることで、利用者には送料がかからないようにする。

 一方、同サービスは事前のカード決済とすることで、利用者が来店しないリスクなどに対処する方針だ。

 また、ロコンドはPOSシステム(ロコポス)も提供しているが、店頭在庫をトラッキングすればリアルタイムにECチャネルでも販売することができるという。そのため、通常は店頭在庫をEC用に引き当て販売する場合には一度、EC倉庫に商品を送る必要があるが、ロコポス導入店舗であれば、「ロコンド」の店舗受け取りサービスに対応する際、リアルタイムで把握した店頭在庫をECで販売し、店舗から動かさずに購入者の来店を待つといった効率運営も可能なことから、将来的にはそうした取り組みを行う構想もあるようだ。

 なお、フランチャイズの第一弾としては、グループ会社のミスズアンドコーとのコラボ店舗としてキラリナ京王吉祥寺の7階に新店舗「バニティービューティー・ミーツ・ロコンド」を開設(画像)。7月をメドに同店で靴の受け取りサービスを開始するほか、第2弾はモード・エ・ジャコモと検討している。

 
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