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集英社 実店舗ビジネスを強化へ、システム投資や専任チームも

2018年 9月20日 13:21

 集英社は、ファッション通販サイト「フラッグショップ」の実店舗展開を強化する。年内をメドに自社ECと店頭顧客の一元管理に向けたシステム投資を行う。また、実店舗の運営強化を図るために専任のチームを立ち上げ、オペレーションや接客などの充実につなげる。出版社が展開するリアル店舗のあり方を追求することで集客や収益化の多角化にも取り組んで常設店開設の布石とし、「3年後には通販部門の売り上げの10%を実店舗で獲得したい」(同社)としている。

 同社の店舗展開については、昨年は「フラッグショップ」の開設10周年を機に東名阪の商業施設でそれぞれ2週間~1カ月の期間限定店をオープンしたほか、今年は2月23日~8月2日までの半年弱にわたって東京のルミネ新宿ルミネ2に実店舗を出店した。

 同店では集英社のオリジナルファッションブランドだけでなく、「フラッグショップ」で扱う取引先アパレルのアイテムも充実させたほか、店内に4~5のコーナーを設け、各コーナーのテーマに沿ったMDを展開。3~4週間ごとにテーマと商品を入れ替えた。また、スタイリストや人気モデルを招いたイベントに加え、化粧品メーカーを誘致した短期間のインショップ展開を行うことで顧客の来店頻度を高め、継続的に売り上げを確保することを目指した。

 半年弱のルミネ新宿出店では、MDや物流などオペレーションの部分にはメドをつけたが、店舗とEC顧客の一元管理体制が不十分で、サービスのシームレス化には課題が残った。また、同商業施設に入る他店舗と比べて坪当たりの売り上げは悪くなかったようだが、「満足度はない」(同社)とする。一方、「店舗があることで選択肢も増え、さまざまな提案ができる」(同)とし、実店舗の伸びしろも同時に感じた半年だったという。

 そのため、店舗展開強化に向けて今年中をメドにシステム投資を行い、顧客の一元管理体制を整える。また、ルミネ新宿店では多くのスタッフが通常業務と兼務していたため、店舗専任チームを設ける考えで、リアル店舗に関して知見のある人材の採用にも着手する。ルミネ新宿店では店頭接客を販売代行業者に任せきりだったことも反省材料で、専任チームが販売代行との連携を深め、課題を共有することで接客精度の向上につなげる。

横浜に新規出店

 同社は9月21日、そごう横浜店3階シーガルコート(売り場面積約40平方メートル)に「フラッグショップ」の店舗を出店する。雑誌「LEE」などの読者が多いエリアであることや、通販顧客も東京と横浜が多いことから出店を決めた。まずは半年間の計画だが、長期出店も念頭に置いている。

 懸案のシステム面と組織面は新店を運営しながら整備を進める方針で、早期に課題解決できるかがポイントとなりそう。

 そごう横浜店では、人気雑誌「LEE」や「マリソル」「エクラ」のコーナーを設けるほか、デザイナーズブランドを扱う通販サイト「ミラベラ」のコーナーもリアル店舗では初めて本格展開し、知名度を高める。

 また、リアルの売り場においても"情報発信型ショップ"として定期的にスタイリストや人気モデル、エディターなどファッションのプロをゲストに呼んでイベントを開催。イベントの第1弾として、9月22日には通販誌「フラッグショップマガジン」最新号の表紙モデルを務める高垣麗子さんのトークイベントを行う。また、12月には、集英社の編集者で女子ひとり旅(ひとりっぷ)の指南本も出版する、ひとりっPさんのイベントや販売コーナーも展開する予定だ。

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