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楽天 楽天市場全商品を自社配送、20年までに仕組み構築、三木谷氏「一気通貫に利点」

2018年 7月19日 09:47

7-1.jpg 楽天では、2020年までに「楽天市場」全店舗の商品を同社が配送する仕組みに変更する。今年1月、楽天市場出店者向けに同社独自の配送ネットワークを構築する「ワンデリバリー」構想を発表していた。

 7月17日に都内のホテルで開催された、「楽天EXPO2018」において明らかにされた。三木谷浩史社長(=顔写真)は、昨今の配送をめぐる問題について「個人から個人に物を送る宅配便という仕組みに、通販のようなBtoCビジネスを乗せたことで無理が出てしまった」と指摘。その上で、独自物流という多大な投資を伴うビジネスにチャレンジすることについては「やらなければ将来は開けない」と決意を語った。

 同社では出店者の物流業務を請け負う「楽天スーパーロジスティクス」を展開しており、千葉県市川市、神奈川県相模原市、兵庫県川西市に物流センターを設けている。まずは来年中にも千葉県流山市と大阪府枚方市に新たな物流センターを開業。最短で翌日配達が可能なサービス「あす楽」が全国90%カバーされるほか、土日祝日の出荷にも対応する。

 すでに、東京23区内では「楽天エクスプレス」として独自配送を開始。書籍通販の「楽天ブックス」や直販子会社の楽天ダイレクトが手がけるサービスで利用しており、今後は楽天スーパーロジスティクスを利用する店舗の荷物を運ぶ。配送エリアも年内には関西主要都市まで広げる計画。

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 同サービスでは9月1日から新料金(=画像参照)を導入する。在庫保管料は1個あたり月7・5円、出荷作業料は1個あたり50円(極小サイズ)、同80円(小サイズ)、同100円(中サイズ)、同200円(大サイズ)。配送費はポスト投函が1個あたり180円、60~100センチサイズが380円、120センチサイズが500円、140~160センチサイズが850円(価格はいずれも税別)。

 今後は、全店舗の荷物を同社が消費者に届ける仕組みとする。店舗は全在庫を同社物流センターに預けるタイプと、出荷する際に出店者の利用する倉庫から同社物流センターに横持ちで移動するタイプのどちらかを選ぶ。楽天市場店以外の通販サイト(競合仮想モールも含む)からの注文にも対応する予定だ。

 新しいサービスは、商品の注文から配送までの仕組み同社が手がけることを強みとする。自動化を進めた物流センターを運営し、楽天市場の購買データや人工知能技術の活用による受注予測、在庫情報の連携を通じて最適な在庫配置を行うことで、配送スピードの向上と倉庫作業コスト・配送コスト削減を図る。三木谷浩史社長は「今まではどんな商品も同じように配送していたが、当社なら例えば低価格商品は置き配で、高額商品は手渡しで、などユーザーの要望に応えた形の配送ができる。一気通貫型で手がけるメリットは非常に大きい」と自信を見せる。

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