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ロコンド シャディの全株を共同取得、ラオックスと投資会社運営、ITと販路拡充で経営改善へ

2018年 3月29日 09:59

 靴とファッションのネット販売を手がけるロコンドは、投資事業会社のLキャピタルトーキョー(LCT)を設立し、同社を通じてニッセンホールディングスからギフト販売大手シャディの全株式を20億円で取得することを決めた。併せて、LCTをロコンドの業務提携先であるラオックスとの合弁会社体制に移行し、ロコンドのITと物流インフラや、ラオックスと中国親会社によるインバウンド需要の取り込みや海外販売力を生かすことでシャディの企業価値向上に乗り出すことになった。

 株式取得に関する契約は3月26日に締結し、譲渡日は4月27日。ロコンドがLCTを通じてシャディの全株式を取得後、ラオックスがLCTの第三者割当増資を引き受け、LCTの持株比率はラオックス60%、ロコンド40%となる。ロコンドは業務のデジタル化やオムニ化を可能にする各種プラットフォームサービスの導入先拡充を図るとともに、シャディが生み出す利益を主力のEC事業に投下していく考え。

 シャディの2017年2月期連結業績(14カ月の変則決算)は売上高約706億に対し、営業損失が約8億円、当期純損失が約9億円と苦戦しており、今後、ロコンドとLCTの社長を務める田中裕輔氏がシャディの取締役会長兼経営改革プロジェクトリーダーに就任し、シャディの井原章善現社長とともに経営改革を迅速に実行する。

 シャディはロコンドのプラットフォームサービスや開発中の基幹システムを導入してシステム費用を削減し、業務の生産性向上を図るほか、2020年度までにシャディのEC売上高を50億円まで引き上げるという。

 シャディの経営改革プランの詳細は同社各拠点の実地調査も行って4~5月中に策定する。6月からは第1フェーズとして利益改善を徹底。システム内製化によるシステム費用の大幅抑制やオペレーション内製化による外部委託費用の抑制に取り組むことで月間1億円の固定費削減を図る。

 9月からは第2フェーズとして売り上げ拡大に着手。通販サイトの最適化やECチャネルの拡充、ファッションや電化製品など商品ラインアップの強化に加え、ラオックス店舗との連携も始めることでインバウンドおよびグローバル売り上げの拡大につなげる。

 ロコンドは昨年、日本事業を譲り受けたグローバルファッションブランド「マンゴ」で自社プラットフォームサービスをフル活用し、業務生産性の向上やECを軸とする売り上げ拡大策を展開。日本のEC売上高を前年比3・2倍にしたのに加え、黒字化にも成功したことから、今後はファッション領域に限定せずデジタル化やオムニ化で企業価値向上を実現できるM&Aを実施していくことを明らかにしていた。

 今回はその第1弾で、中国市場に強いラオックスの店舗網も加わることで、「シャディの経営を時代の最先端に引き上げたい」(田中裕輔社長)としている。

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