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八幡物産 機能性食品の露出拡大、システム刷新し顧客分析等強化、新客開拓や離脱防止に力点

2018年 1月18日 10:22

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八幡物産は今期(2018年8月期)、12月に販売開始した機能性表示食品の露出を本格化するのに加え、食品の品ぞろえ強化にも着手するほか、システム刷新に伴うコールセンターや顧客分析の機能拡充にも取り組んで売上高の底上げを図る。

 機能性表示食品については、第1号として15年7月に投入したルテイン配合の「めばえ」が順調に推移している。他の商材より新規獲得効率が高く、2年目の売上高目標5億円を達成した。同社ではアイケアのニーズからルテインの認知が広がっていると判断し、さらに拡販を進めるためにルテイン含有量を増やすなど、処方を改良した「メラックスアイ」12月1日に同じく機能性表示食品として販売開始。3月から各種媒体で本格的に展開する。

 また、製品として臨床試験済み(グルコサミン)や試験中(ブルーベリー、ノコギリヤシ)の商材もあり、エビデンス作りも積極的に行い、販売補強を加速させる。

 同社では機能性表示食品ではない商材も健闘しており、とくに「やわたしじみの力」は現状、長尺(29分)のテレビインフォマーシャルだけだが、1月からは60秒や90秒、120秒といった短尺のスポット放映を開始し、リピーターの獲得などにつなげる。

 また、看板商品であるローヤルゼリーの新番組(同29分)も12月から放送を開始。新規顧客獲得はもちろん、既存客の活性化にもつなげて全体的な底上げを図る狙い。

 一方で、国内の健食市場はターゲット層にサプリが広く行きわたっており、「消費者は毎月決まった金額を支払う"定期疲れ"を起こし、ほかの商品にまで目が向かない」(八幡清志社長)とし、市場全体の成長性についても危惧している。

 こうした環境下、同社は健食以外の品ぞろえ強化にも乗り出す考えで、地元である鳥取や島根の食材を提案する「うまいもの通販」を2年前から既存顧客向けにDMで展開。カニなどの魚介類やフルーツなどを販売しているが、今後1~2年かけてラインアップを広げ売り上げ拡大を図る。

 同社の媒体戦略については、テレビのスポットとインフォマーシャル、新聞広告が中心で、足もとでは新聞折り込みチラシを減らし、ウェブ広告の比率を少しずつ高めている。17年8月期の売上高に占めるEC比率は2%程度と低いが、ECチャネルにもメスを入れる。ただ、CPOとMR(メディアレーション)を重視して徐々にリスティングやアフィリエイトの取り扱いを増やす考えで、今期末には月額広告費を従来の2倍程度にするという。

 また、中長期的な成長戦略に沿って、インフラ面の再整備を進めており、コールセンター業務の拡大に向けた交換機の能力を増強した。すぐにオペレーターを増員するわけではないが、2~3年後を見据えてアウトバウンド要員を増やしていく。現在、同社のオペレーターは約40人で、まずは現有の建物内で席数を増やし30人程度増やす。その後は移転して200~300席の体制を確保したい意向だ。

 加えて、顧客分析システムの強化にも着手。過去の顧客動向をもとにDMやアウトバウンドなどで離脱しそうな顧客へのアプローチを強化する。

 一方、販路の拡大にも取り組む考えで、これまでも一部のドラッグストアにサプリを置いていたが、健食やそれ以外の商材も含めて店販を模索するほか、中国では「Tモール」や代理店など上海の子会社を活用した販路拡大を図る。

 八幡物産は近年、既存顧客の離脱分を新規客で補い切れず、売り上げが目減りしていることから、「今期が正念場」(八幡社長)とし、赤字覚悟で新客開拓に取り組むことで再浮上を急ぐ。

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