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セレクトスクエアの木村社長に聞く 高島屋との一体化戦略とは?㊦ AIで商品提案を最適化、店頭在庫表示もテストへ

2017年12月14日 10:19

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 前号に引き続き、セレクトスクエア木村優社長(=写真)に高島屋との一体化戦略を聞いた。

 ――9月のサイト刷新ではサイトデザインも変更した。

 「『タカシマヤファッションスクエア』では、セレクトショップで買い物をするキャリア女性よりも、百貨店を利用する30~40代女性をペルソナに設定してデザイン設計を行った。従来は文字情報で伝えてきた部分が多かったが、画像サイズを大きくするなどビジュアルでの表現力を強め、ウインドーショッピングを楽しむ感覚で買い物ができるようにした。また、パソコンファーストを見直してスマホやタブレットでも閲覧しやすく、使いやすくした」

 ――機能面では。

 「当社は30~40代女性の利用者が中心で、サイズや商品のディテールを気にするといった声が多いため、お気に入りページ内で登録アイテムのサイズや色、素材などの比較ができるようにした。また、お気に入りショップの商品をワンクリックで検索できるようにもしている」

 ――レコメンドにAIを実装した。

 「AIレコメンドの特徴はリアルタイム性だ。通常のレコメンドは売れ筋や人気商品などを表示することが多いが、商品を閲覧するたびにレコメンド内容が変わっていく設計にした。深層学習機能を活用し、商品提案の精度を高めていく」

 ――足もとの課題は。

 「『セレクトスクエア』から『タカシマヤファッションスクエア』に屋号が変わったこともあるが、サイトの認知度がまだまだ低い。高島屋と一体となり、広告宣伝も含めて認知度を上げ、消費者がファッション商材を買うときに選択肢のひとつに入るようにしたい」

 ――店頭と連動した品ぞろえや販促施策が次のフェーズになりそうだ。

 「品ぞろえの面では例えば、オリジナルの別注品を店頭と一緒に手がけることもあり得る。販促面では、9月のサイト刷新時に高島屋のコーポレートサイトや『高島屋オンラインストア』で当社サイトの告知をしてもらったり、従来はできていなかった百貨店顧客向けの紙媒体や新聞折り込み、新聞広告の中でも紹介してもらうなど少しずつ露出が増えている。10月末までのトライアルになるが、新宿店や横浜店、大阪店のレシートにサイトリニューアルの告知を掲載してもらった」

 ――オムニチャネル化の取り組みは。

 「タカシマヤカード利用時のポイント付与率について実店舗との差がなくなったことで、相互送客が進むことを期待している。オムニチャネル施策では『タカシマヤファッションスクエア』の取り扱い商品が高島屋のどの店舗に在庫があるかを確認できる機能を下期中にテストする計画だ」

 ――数値目標などは。

 「現状、当社売り上げの10%程度がタカシマヤカードでの支払いだ。高島屋のクロスメディア事業部はタカシマヤカードの支払いが約30%と高いことから、当社もまずは20%に高めることを目標とする。それくらいの水準まで高まればカード会員向けの販促施策も実施しやすくなる」

 ――売り上げの拡大については。

 「EC売上高の拡大には品ぞろえだけでなく、アクティブ会員数を伸ばす必要があり、そのためにはショッピングセンターを含めた高島屋グループとの連携が不可欠だ。屋号を『タカシマヤファッションスクエア』に変えたらタカシマヤ友の会カードを利用できるのかという問い合わせが増えており、決済の共通化も検討課題だ」(おわり)

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