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ズーティー スタイリングサービスを強化

2017年11月27日 11:31

2-2.jpg衣料品のネット販売などを手がけるズーティーは、カウンセリング型のスタイリングサービス「ズーティースタイリングラボ」を開設して約2年10カ月が経過し、同サービスのノウハウを生かしてズーティーのスタイリストなどが購入者に合ったコーディネートを選ぶ福袋の販売や、遠隔地でもコーデ提案が可能なバーチャルスタイリングサービスなどの取り組みを始めている。

 2015年1月に開設したラボは、通販サイト「イーザッカマニアストアーズ」を運営する同社スタイリストがファッションのコツやセオリーなどのテクニックを盛り込みながらカウンセリングとスタイリング提案を行い、消費者のファッションに関する悩みを解決する有料のサービスで、サイトの本店会員は税込1620円、非会員は同2160円で利用できる。

 東京・千駄ヶ谷に事務所を開設したのとほぼ同時にラボを立ち上げたが、ズーティーによるとファッションに関してネガティブなイメージを持つ消費者は案外多く、「服を販売する会社として、売るよりも前に"服を楽しく着る"という文化を広げることが使命だと感じていた」(浅野かおり取締役)という。

 ズーティーではラボ利用者が予約時に入力した年齢や身長、体型の特徴、普段着ている服や靴のサイズ、ファッションに関する悩みなどのアンケートをもとにカウンセリングを行い、スタイリストが利用者に合ったコーデ提案を行うだけでなく、スタイリングのコツや小物の使い方などもレクチャーし、最後にコーデ着用時の写真とスタイリングのポイントなどをまとめたカルテを用意。カルテには着用商品の品番も記載しており、利用者は自宅でゆっくり購入するかどうか決められる。

 
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商品の販売がゴールとなる店舗とは異なり、ラボでは"ファッション迷子"の女性にスタイリストがセラピストのように寄り添い、服選びの悩みや体型のコンプレックスなどを解消する着こなしのコツを教えることで、利用者に「ファッションって楽しい」と感じてもらうことを大事にしており、迷子から抜け出した利用者のくちコミで予約が増えているようだ。

 一方でラボは東京にしかなく、利用できるユーザーが限られていることや、来店するという行為に敷居の高さを感じる利用者もいることから、ラボのノウハウを活用した新しい取り組みにも着手している。

 同社では、楽天市場出店15周年に合わせてラボのサービスを福袋にして届ける「セレクト服袋」(税込1万6200円)を10月の初旬と中旬に個数限定で販売した。

 "服袋"はイーザッカマニアの店長(浅野取締役)とラボの石川所長に加え、イーザッカマニアの副店長やバイヤー、スタイリスト、メルマガ担当者、実店舗の店長といった7人が担当。購入者は服袋の中身は分からないが、商品を選ぶ人を指名できるもので、指名された担当者は購入者の年齢や体型、生活スタイルなどの情報を含め、何度かメールでカウンセリングを行い、ぴったりのコーデを選んで発送する。

 服袋の企画ページには、各担当者がどんな服やコーデが好きか、コーデの得意ジャンル、自分の趣味やPR、普段の着こなし画像などを掲載。担当者を選ぶ際の参考になるようにした。

 カウンセリングを含め、購入者一人ひとりに合わせた服袋を完成させるのには労力を要するため効率の悪い販売方法ではあるが、服袋は2回ともすぐに完売し、「○○さんに選んで欲しい」という指名買いニーズが実際にあることも分かったため、今後も定期的に実施したい考えのようだ。

 また、10月14~15日に都内で開催された雑誌「FUDGE(ファッジ)」のファッションイベントでは、楽天技術研究所と筑波大学の協力を得て、デジタルサイネージを使ったスタイリングルームを設置。その場にスタイリストがいなくても回線をつないで会話をしながらサイネージミラーを通じたスタイリング提案を行い、約200組が遠隔版のラボを体験したという。

 ズーティーでは同様の仕組みを活用した遠隔ラボや、出張ラボなど地方のユーザーもラボを体験できる機会を作りたい意向で、「(労力や事業採算などを考えると)大手企業には真似できないことを続けていきたい」(浅野取締役)としている。

※ラボでは、カジュアルスタイルが苦手なさやかさん(来店時が上)にロゴものトップスを提案。前開きのワンピースなど女子アイテムを合わせてカジュアル感を和らげる工夫も

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