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ジーフット 取り寄せサービスが拡大、店頭での仕掛けを強化

2017年 7月27日 15:12

 4-1.jpgイオングループで靴専門店チェーンを展開するジーフットは、オムニチャネル化を成長戦略のひとつに掲げており、タブレット端末を活用した商品取り寄せサービスの全店展開とスマホアプリの導入でオムニ化をさらに加速する。

 同社は、自社通販サイトから気になる商品を最寄りの店舗に取り寄せ、購入前に試し履きできるようにしているほか、実店舗では販売員がタブレット端末を使って来店客が欲しい靴の在庫を確認したり、欠品時には商品をEC経由で店に取り寄せる客注システム「ぴたトリ」を展開。2013年春に本格始動して以降、客注サービスの利用件数は主力の靴専門店「アスビー」業態を中心に大きく伸びており、前期(17年2月期)は前年比約1・6倍となる6万7000件程度に拡大した。

 昨年6月には、店頭に設置した大型デジタルサイネージを通じて店やECの在庫状況が分かるサービスを5店舗にテスト導入したが、取り寄せの利用につながらなかったことから軌道修正。新店の開設が多い今第3四半期(9~11月)にiPadプロを店頭に設置し、来店客が気軽に商品を探せるサービスに切り替えることで、販売員による客注サービスに加え、スタッフが接客中でもiPadプロを使って自ら取り寄せできるようにしてオムニ化を加速する。

 また、下期(9~2月)をメドに、自社プライベートブランドの商品棚にQRコードなどを付け、来店客がスマホで読み込むと、ECの商品ページで詳細情報を確認でき、店頭購入はもちろん、当該店にぴったりサイズの靴を取り寄せたり、EC購入できるようにするなど、店頭での仕掛けを強化する計画だ。

 スマホアプリについては、昨年4月に東京と神奈川、千葉の店舗に対応する格好でスタートしたが、昨夏にはイオンの靴売り場である「グリーンボックス」業態以外の全国に拡大。今春からは同業態を含む全国全業態に対応したことで、6月末時点のダウンロード数は40万、18年2月までに100万ダウンロードを見込んでおり、まずは100万人との接点を作るとともに、アプリとECのID連携を進め、来期には店頭とECの購入履歴を把握した上で購買行動に即した販促を個別に行えるようにする。

 今後はアプリに歩数計機能を追加したり、店頭の足型測定器との連携を始めたい考え。歩数計機能は歩数に合わせてWAONポイントを付与することを検討している。購入の後押しとなっている足型計測器については、これまで店頭で足型を測ってもらっても顧客情報を取得しておらず、有効活用できていないことから、アプリと連携することでサイズ変化が速い子どもの来店・計測から数カ月後にクーポン付きで買い替え需要を促す施策などを打っていく。

 一方、業態ごとに分かれていた通販サイトを6月末に統合して「ジーフットシューズマルシェ」(=画像)を開設。当初計画から約半年遅れているものの、第4四半期(12月~2月)には基幹システムとのつなぎ込みが完了予定で本格始動する。同時に、ECのMD強化に向けて靴の新規カテゴリーや新たなブランドをとり込んで新客獲得を図る。同社は7月下旬にEC在庫を埼玉県幸手市のセンターに移し、規模拡大と効率運営が可能になることから、消化仕入れ方式で商品を預かったり、在庫連携も視野にECの品ぞろえを広げる。

 なお、ジーフットの17年2月期のEC売上高と「ぴたトリ」利用などを含めたオムニチャネル売上高は前年比約28%増の約17億円で、3年後の20年2月期に50億円を目指している。

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