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マルコ、インフォマーシャルが好調――RIZAPグループの通販ノウハウ活用

2017年 7月18日 21:23

 補正下着のマルコがインフォマーシャルを開始した。商品や愛用者の声を紹介する29分間の番組で、ネットや電話から店舗への来店予約を獲得するのが目的。CPOは好調に推移しているという。同社は近年業績が低迷しており、昨年7月にRIZAPグループ傘下となっている。RIZAPグループがこれまで培ってきた、通販に関するノウハウを投入することで業績立て直しを図る。

 マルコでは今年4月、岩本眞二氏が社長に就任した。同じRIZAPグループ子会社であるエンジェリーベの社長も兼務する同氏は、昨夏マルコに入社し、経営再建を進めている。同社が販売する補正下着は、フルセットで10万円という高価格帯。これまで広告宣伝はイメージCM程度しか実施しておらず、くちコミを頼りに顧客を広げていた。

 岩本社長は「商品力には自信があり、実際に顧客からの評判も良いのだが、『良いものを作れば何もしなくても売れる』とあぐらをかいていた部分があるのではないか」と業績低迷の理由を分析。販売戦略を見直すとともに、コスト管理を徹底することで立て直しに努めた。不採算店の統廃合なども進めたことで原価率と販管費率が大幅に改善し、前期は3期ぶりに営業黒字となっている。

 販売戦略見直しの一環として始めたのがインフォマーシャルだ。「友人紹介だけでは限界が来ているのは事実なので、何とかテレビを活用できないかと考えた。インフォマーシャルなら29分間商品について語れるので、説明が重要な補正下着には向いている」(岩本社長)。インフォマーシャルから直接販売につなげるのではなく、店に来てもらうことが目的だが、RIZAPグループ子会社の健康コーポレーションが展開してきた、健康食品や化粧品のインフォマーシャルに関するノウハウを投入したことで、CPOも想定以上の値で推移しているという。

 インフォマーシャルの放送は、九州の放送局からスタートし、現在は関東地方など各地の地方局で午前中や昼間に放映している。すでに考査にも通っていることから、今後はキー局や準キー局でも流す予定だ。

 同社の商品は20~30代女性がターゲットだが「テレビを見てマルコの下着を思い出したという40~50代の主婦からの電話も多い」(岩本社長)という。また、今下期には15秒のテレビCMの投入も計画している。

 ネット販売も強化する。現在、同社の通販サイトは会員だけが利用できる仕組み。前期のネット販売売上高は、前期比38%増の6億3600万円だった。「もともとは引っ越しなどで店が遠くなり、商品が買えなくなった顧客向けに始めたサービス」(同)だったが、取扱商品の増加もあり、売り上げは急増。今期も売り上げは伸びており、月商1億円を超える月もあるという。

 岩本社長は「高額商品が多く、ネットでは簡単には売れないという先入観がこれまではあったようだが、店に行かなくても買いやすい1万円のストッキングなどは非常に好調だ」と話す。

 今下期にはシステムを入れ替えて、会員以外でも利用できるようにする予定。18年3月期のネット販売売上高は12億円を見込んでいる。また、楽天の「楽天市場」など仮想モールへの出店も考慮する。

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