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2月末にオイシックスを親会社とする株式交換を行う。大地を守る会株式1株に対し、オイシックス株261株を割り当てる。オイシックスの持つ自己株式26万42株を充て、残りは新たに発行する普通株式で対応する。株式交換後はオイシックスの高島社長と新宮歩執行役員が、大地を守る会の取締役に就く。一方、大地を守る会の藤田社長はオイシックスの取締役に就任する。オイシックスは上場を維持する。
経営統合後は、既存のブランド「Oisix」と「大地を守る会」は存続する方針。オイシックスは中期成長戦略の中で「さまざま年代の幅広いニーズに対応し圧倒的ナンバーワンプレイヤーに成長する」としていた。40代以降の中心顧客層とする大地を守る会の顧客基盤を取り込み事業拡大を目指していく。
一方で、大地を守る会はウェブを中心に30~40代の新規客獲得を進めてきたが、顧客の定着率に課題を残す。オイシックスのノウハウを活用し、新規客の獲得を強化するもよう。
統合後の定期顧客数は「予想していない」(大地を守る会)としているが、昨年9月末時点の定期顧客数はオイシックスが約12万人で、大地を守る会が約10万人となるため単純に合算すると約22万人規模となる。ただ、業界関係者は「顧客の一部は重複しているとみられる。売り上げ規模に対して、顧客リスト数はそれほど大きくはならない」(食品通販A社)と予想する。
新規客獲得については、30~40代の獲得に課題を持つ大地を守る会にとって、オイシックスのマーケティングノウハウの活用に期待する。食品通販を行うB社は「オイシックスはゲームを取り入れて、商品特長を生かした独特の商品名で興味を喚起しており、初回注文の申し込みまでの導線作りが上手」(担当者)と評価するためだ。
ただ、ウェブで商品力を活かした新規客獲得を行う場合には、商品開発とマーケティングなどの関連する部門間の連携が不可欠。ウェブを強化している企業であっても、折込チラシやカタログを展開し成長してきた企業は、"紙"を重視する文化が根強く残っている場合が多い。ウェブを中心に部門間の連携を目指す中で、紙を重視しがちな企業文化が足かせになる可能性がある。このため、ウェブでの新規客獲得で一定の成果を得るまでに時間がかかる可能性がありそう。「まずはオイシックスのノウハウを活かして、通販サイトのページを見直しから着手していくのではないか。早期に購買率が飛躍的に上がる可能性がある」(同)とする声がある。
一方で、経営統合で物流センターの運営やサプライチェーンの構築、資材調達などの共通化をすすめ、運営コストの効率化を図っていく。