健康食品や化粧品通販の一部企業でみられる"定期縛り"の手法に対する監視強化が進んでいる。10月6日には適格消費者団体の埼玉消費者被害をなくす会がこの手法をとるモイストに広告表示の削除を申し入れ。今年入ってすでに3団体が通販企業に同様の申し入れを行っている。9月に始まった消費者契約法の見直し議論でも"定期縛り"の問題は取り沙汰されており、適格消費者団体による圧力が強まっている。
モイストに求めた2週間の回答期限を迎えているが、現段階で「回答は得られておらず、表示の改善は確認できていない」(なくす会、10月25日時点)。モイストは、「担当者から返答する」としたが本紙掲載までに回答は得られていない。
なくす会が問題視したのは、モイストがネット販売するサプリメント「丸ごと熟成生酵素」の広告表示。なくす会は定期コースに関する条件の表示について消費者被害を確認。情報提供を受けて景品表示法の有利誤認にあたるとして削除を求めた。
通販サイトでは、酵素サプリの広告について「今ならなんと30日分が実質無料!送料相当500円だけご負担ください」といった文言を強調して大きく表示。一方、4カ月間の契約継続を条件とすることは近くに表示していなかった。
サイトの下部においても「お申込みの前に必ずご確認ください」といった表示とともに定期コース「トクトクコース」について説明。1回目は「実質無料(送料相当の500円負担)」としつつ、2~4回目の購入は「送料無料」「特別価格13%オフ!3960円」と表示していた。ただ、「※トクトクコースは4カ月の継続が条件になります」といった条件の表示は小さく表示するだけだった。
なくす会は、「4回目まで各回3960円の負担を必ずしなければならない契約内容であるにもかかわらず、500円の負担のみで30日分の商品を購入できるとの誤認が生じる恐れが強い」と指摘。表示の削除を求めた。
注文フォームの改善も求めている。注文フォームの確認画面では売買代金が「500円」と表示される。ただ、4回以上の購入で支払う負担総額の記載はなく、「4カ月の契約を条件とする以上、消費者が必ず負担しなければならない金額の総額の表示をして契約内容を生活に理解できるようにするべき」と指摘した。
特定商取引法の観点からも「通信販売」の広告に義務づけられている「販売価格」の明示もなく、特商法違反であるとして、負担総額を消費者に分かりやすく表示することを求めた。
通販における"定期縛り"を巡っては今年2月にひょうご消費者ネットが健食通販を行うビケンコとクワンジャパン、化粧品通販を行うJBSコスメティックなど3社に、9月には全国消費生活相談員協会が健食通販のビーボに同様の表示改善を求める申し入れを行っている。
国民生活センターや、9月に消費者委員会で始まった消費者契約法の"積み残し課題"に関する議論でも、複数の委員がこうした手法を問題視。「広告」を「勧誘(行為)」とみなし、消契法上の契約の「取消権」を適用できるよう改正することを求めていこうとする動きがみられる。モイストの事例も消費者団体が問題視しているもの。同様の消費者被害事例の積み上げが、消契法の改正議論に影響を及ぼす可能性もある。
モイストに求めた2週間の回答期限を迎えているが、現段階で「回答は得られておらず、表示の改善は確認できていない」(なくす会、10月25日時点)。モイストは、「担当者から返答する」としたが本紙掲載までに回答は得られていない。
なくす会が問題視したのは、モイストがネット販売するサプリメント「丸ごと熟成生酵素」の広告表示。なくす会は定期コースに関する条件の表示について消費者被害を確認。情報提供を受けて景品表示法の有利誤認にあたるとして削除を求めた。
通販サイトでは、酵素サプリの広告について「今ならなんと30日分が実質無料!送料相当500円だけご負担ください」といった文言を強調して大きく表示。一方、4カ月間の契約継続を条件とすることは近くに表示していなかった。
サイトの下部においても「お申込みの前に必ずご確認ください」といった表示とともに定期コース「トクトクコース」について説明。1回目は「実質無料(送料相当の500円負担)」としつつ、2~4回目の購入は「送料無料」「特別価格13%オフ!3960円」と表示していた。ただ、「※トクトクコースは4カ月の継続が条件になります」といった条件の表示は小さく表示するだけだった。
なくす会は、「4回目まで各回3960円の負担を必ずしなければならない契約内容であるにもかかわらず、500円の負担のみで30日分の商品を購入できるとの誤認が生じる恐れが強い」と指摘。表示の削除を求めた。
注文フォームの改善も求めている。注文フォームの確認画面では売買代金が「500円」と表示される。ただ、4回以上の購入で支払う負担総額の記載はなく、「4カ月の契約を条件とする以上、消費者が必ず負担しなければならない金額の総額の表示をして契約内容を生活に理解できるようにするべき」と指摘した。
特定商取引法の観点からも「通信販売」の広告に義務づけられている「販売価格」の明示もなく、特商法違反であるとして、負担総額を消費者に分かりやすく表示することを求めた。
通販における"定期縛り"を巡っては今年2月にひょうご消費者ネットが健食通販を行うビケンコとクワンジャパン、化粧品通販を行うJBSコスメティックなど3社に、9月には全国消費生活相談員協会が健食通販のビーボに同様の表示改善を求める申し入れを行っている。
国民生活センターや、9月に消費者委員会で始まった消費者契約法の"積み残し課題"に関する議論でも、複数の委員がこうした手法を問題視。「広告」を「勧誘(行為)」とみなし、消契法上の契約の「取消権」を適用できるよう改正することを求めていこうとする動きがみられる。モイストの事例も消費者団体が問題視しているもの。同様の消費者被害事例の積み上げが、消契法の改正議論に影響を及ぼす可能性もある。