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資生堂、通販専用ブランド立ち上げ

2016年 9月29日 18:05

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資生堂が通販専用ブランドを立ち上げる。花王やコーセーなど制度品大手が専用ブランドで通販市場に参入する中、資生堂は2012年春の参入からこれまでかたくなに流通で展開する既存商品にこだわってきた。新ブランドの展開は9月21日から開始。通販サイト「ワタシプラス」を中心に展開するほか、グループの旗艦店、一部の外部サイトでもあつかう。

 新ブランドは「PLAYLIST(プレイリスト)」(画像)。口紅やマスカラ、アイライナー、チークカラーなどメーク品を中心にしつつ、スキンケアもあつかう。9月に14品目31品種(ノープリントプライスによる展開として市場想定価格は税込2500~5500円、化粧用具を除く)を発売。11月1日から冬に向けたカラーメーキャップなど7品目12品種を追加投入する。ブランドミューズには、世界的に活躍するファッションモデルのユミ・ランバードさんを起用する。

 顧客コミュニケーションは主にウェブで行い、販路もブランドサイトや通販サイト「ワタシプラス」、一部外部ECサイトへの卸に絞る。外部ECは当面、アスクルが展開する「LOHACO(ロハコ)」のみで展開(5面に関連記事)。1年ほどの検証を経て、ほかの外部EC活用も検討する。

 一方で店舗販売は、資生堂の旗艦店「SHISEIDO THE GINZA(シセイドウ ザ・ギンザ)」(東京都中央区)のみで行う。

 ターゲットとするのは、仕事や育児で忙しい20~30代の若年層女性。ブランドは、来店など時間を問わずコミュニケーションできるウェブを通じて新規顧客との接点拡大を図る戦略的位置づけを占める。

 新規獲得は、ユーザーが好むアーティストが選んだ「アーティストキット(サンプルサイズのセット)」(有料)で行う。ブランドサイトでユーザーは好みのメーキャップを手がけたアーティストを指名。「なりたいイメージ」や「知りたいメーキャップ」「肌の色」という3つの質問に答えた上で、顔写真をアップロードする。指名を受けたアーティストが商品を組み合わせた独自のキットを組み、これを届ける。

 新ブランドの認知拡大について、現段階で予定するのは美容情報誌のタイアップ広告のみ。テレビや雑誌等への純広告の出稿は予定していない。

 現在、「ワタシプラス」の会員数は公表しておらず、新ブランドの売上目標も非開示。登録会員数は12年末の段階で60万人と発表していた。

 専用ブランドを展開しなかった理由は、「これまでカウンセリングや売り場づくりで美容提案してきたが、ウェブでも提案できる環境が整ったため」(同社)としている。

 新ブランドは、資生堂に所属するヘア&メーキャップアーティスト約40人の知見を活かしたものになる。これまでもファッションショーや撮影、商品企画をバックステージで支えてきたが、直接ブランドを手がけるのは初めて。ブランド名には、好みの音楽や動画を集めリスト化するのと同様、自分だけのコスメリストを作ってほしいとの意味合いを込めた。

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